決算整理とは?基本項目9つと仕分け例も合わせて簡単に解説

決算とはご存じのとおり、企業活動を一定の期間(1年間や半年間など)で区切り、その間において生じた業績を帳簿(貸借対照表や損益計算書など)の上で確定させていく作業です。

しかし、いざ決算の仕訳業務を進めていくと、決算の最終期限まで処理の仕方がわからず迷ってしまう項目がいろいろと出てきます。

本稿では、決算において仕訳がしにくい項目について列挙するとともに、どう整理していけばよいか見ていきたいと思います。

 

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決算整理とは?

決算整理とは、一会計期間(通常は1年間)での業績を貸借対照表や損益計算書などの帳簿に正確に落とし込み清算させていく作業のことを示します。

決算整理の具体例としては、請求を締めた後に発生した売上がないかをチェックし、きちんと売上を確定させること、減価償却費を計算して固定資産の価格を確定させること、売掛金において回収可能性の低いものは貸倒引当金として計上すること、実地棚卸を行って理論在庫と実在庫に差異があれば棚卸減耗損として計上することなどが挙げられます。

このように会計期間内において一旦、損益を清算・確定させることが決算整理なのです。この決算整理を行うことで会社の財務状況が明確となり、納税額も決まってきます。

 

決算整理|基本の9つと仕分け例

貸借対照表や損益計算書上での決算整理において仕訳を進めていく際にいくつかの注意すべきポイントがあります。以下に決算整理における9つの基本項目について列挙するとともに、それぞれの仕訳方法について簡潔に解説していきたいと思います。

 

1.現金過不足

現金については実際に計上し、預金については金融機関から残高証明を取得し、実際の金額と帳簿上での金額を突き合わせます。

もしこれらが一致せず、その原因がどうしてもわからないという場合は、貸借対照表において仕訳を「雑収入」、「雑損失」として計上します。

たとえば「現金を計上したら1,000円不足していた」という場合、借方を「雑損失 1,000円」とし、貸方を「現金過不足 1,000円」と処理します。

逆に「現金を計上したら1,000円多かった」という場合、借方を「現金過不足 1,000円」とし、貸方を「雑収入 1,000円」と処理します。

2.売上原価

決算整理では売上原価を資産として計上し、損益計算書において財務報告を行う必要があります。

売上原価とは、販売会社なら商品の仕入れ値、製造会社なら商品の原材料費などに相当する費用です。こうした商品は期内にすべて完売することはまずありません。決算期にあっても売掛品や未使用品を在庫として抱えることになります。売上原価は課税対象になります。

決算整理ではこれらの在庫品を正確に計上する棚卸作業を行い、確定した数量から棚卸資産を割り出します。つまり期末の棚卸資産を明確にすることで、売上原価を求めることができるというわけです。

売上原価は、期が始まったときの棚卸資産(期首商品棚卸高)に期中に仕入れに要した金額(仕入原価)を足して、そこから期末時の棚卸資産を引いて導き出します。

<売上原価を求める式>

売上原価=期首商品棚卸高+仕入原価―期末商品棚卸高

たとえば1個100円の商品があり、期が始まったときに在庫が10個あり、期の終わりまでに追加で20個仕入れ、期の終わりに7個残ったとします。

この場合の売上原価は以下のようになります。

100円×10個 + 100円×20個 - 100円×7個 = 2,300円

3.仮勘定の整理

会社に入金があったものの入金された理由が不明な「仮受金」、あるいは社員の出張などで一時的に会社が立て替えておく「仮払金」などの仮勘定も決算整理を行い、貸借対照表において清算し、残高をゼロにする必要があります

たとえば「入金先不明のお金が1,000円振り込まれていた」という場合、借方を「普通預金 1,000円」とし、貸方を「仮受金 1,000円」しておき、決算まで不明のままならば、借方を「仮受金 1,000円」に変え、貸方を「雑収入 1,000円」と振替処理をします。

また、仮払金の場合、払った当人に内容と金額を確認し、決算前に処理するようにしましょう。

4.減価償却費

建物、機械装置、車両運搬具、土地などの固定資産も決算の評価対象となります。これらの固定資産は、使用可能期間にわたって費用化されていくので、まず費用全額を出してから、その費用を決まった年数と金額を払い、減らしていくといった減価償却法が適用されます。決算時は損益計算書や貸借対照表において減価償却を行う必要があります。減価償却費はその資産に設定されている耐用年数や償却率に応じて計上し、支払っていきます。

たとえば、100万円の機械装置を導入して、これを5年かけて定額法で減価償却していく場合は、損益計算書において、損益計算書では、「販売費及び一般管理費」の科目で「減価償却費 200,000円」と計上します。また、貸借対照表では借方に「減価償却費 200,000円」とし、貸方に「機械設備 200,000円」とします。 

なお、減価償却の計算方法には、毎期定額の金額を算出する定額法と、固定資産の残存価額に一定の割合を乗じて算出する定率法の2つがあります。

5.有価証券

有価証券は決算時に評価替えを行う必要があります。株券などの価格が変動する有価証券を持っている場合、決算時にその時点での価格を計上して貸借対照表に記帳していく必要があります。

たとえば購入時に100,000円だった株が決算時に110,000円になっていた場合、貸借対照表上で借方を「有価証券 10,000円」と計上し、貸方を「有価証券評価益 10,000円」と計上します。逆に決算時に90,000円に下がった場合、借方を「有価証券評価損 10,000円」とし、貸方を「有価証券 10,000円」と計上します。

6.費用と収益

費用や収益が当会計期間と次の会計期間にまたがる場合、その内容を吟味し、会計期間内での損益を確定させ、当期間に当てはまらない費用や収益は経過勘定項目として処理する必要があります。経過勘定には「前払費用」、「前受収益」、「未払費用」、「未収収益」の4つがあります。この4つの勘定科目を使って、次期にわたる費用と収益の見越しまたは繰り延べを行います。

「前払費用」は、会計期間中に一括払いをして、決算後も利用する予定のサービスに対する費用のことをいいます。たとえば決算1カ月前に保険料の年間契約をして6万円を支払った場合、1カ月分5,000円のサービスを受け、まだ残り55,000円のサービスは受けていないとみなし、決算時、貸借対照表に借方として「前払費用 55,000円」を計上し、貸方に「保険料 55,000円」とします。

「前受収益」はこれとは反対に会計期間中に対価を受け取っているが、まだ提供していないサービスがある場合に使う勘定科目です。

「未払費用」は会計期間中にすでにサービスは提供されたのに、支払時期が会計年度をまたぐ場合の費用のことをいいます。たとえば決算時に水道光熱費1万円が未払いである場合、貸借対照表の借方に「水道光熱費 10,000円」とし、貸方に「未払費用 10,000円」と計上します。

「未収収益」はこれとは反対に会計期間中にサービスを提供したのに、対価の受け取りが会計年度をまたぐ場合の収益のことをいいます。

7.消耗品の振替

文房具、事務用品といった消耗品はたいてい箱買いなどでまとめて購入します。すると決算時に未使用のものが出てきます。たとえば決算整理時に事務用品の未使用分が1,000円分あった場合、貸借対照表上で借方として「貯蔵品 1,000円」とし、貸方に「消耗品費 1,000円」を計上します。

なお消耗品とは10万円未満の金額で耐用年数が1年未満の物品のことを示します。金額が10万円以上20万円未満で耐用年数が1年以上のものは備品として扱います。備品は3年間で定額償却できる一括償却資産として会計処理を行うことが可能となります。

8.引当金の処理

引当金は将来発生すると思われる費用や損失に備えて、貸借対照表の負債の部に計上しておく金額のことをいいます。引当金には貸倒引当金退職給付引当金賞与引当金返品調整引当金などがあります。

決算整理を行う機会が多いのが貸倒引当金の処理です。売掛金において回収可能性の低いものは貸倒引当金として計上するようにします。貸倒引当金は損金として計上することが認められており、利益から差し引くことで課税対象額を減らし節税効果が得られるというメリットがあります。

なお、決算時における貸倒引当金の処理の仕方は中小企業と上場企業とで異なっており、中小企業では前期の貸倒引当金を戻し入れてから今期の貸倒引当金として繰り入れる方法が採られます。上場企業では前期の貸倒引当金残高と今期の貸倒引当金の差額を計算し、差額分を引当金に繰り入れる方法が採られます。

9.税金

決算整理がすべて終わった時点で払うべき法人税額を明確にし、税金の未払分があれば貸借対照表の「負債の部」の中の「流動負債」の中に「未払法人税等」という勘定科目を立て、きちんと計上する必要があります。

たとえば今会計期間で法人税の納税額が10万円であることが確定し、それまでに8万円払っていたとしたら、貸借対照表において、借方を「法人税等 100,000円」とします。一方で貸方を「仮払法人税等 80,000円」と計上し、その下の行に「未払法人税等 20,000円」を加えるようにします。

なお、未払法人税等には所得に対して課税され、国に納付する「法人税」と都道府県に納税する「法人事業税」、さらには都道府県や市区町村が法人の所在に対して課税する「法人住民税」があります。

 

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今回は決算整理の注意点と進め方について紹介してきましたがご理解いただけたでしょうか。

先述したとおり、決算整理の重要な業務の一つに「売上原価」の算定があります。そして売上原価は実地棚卸を行い「棚卸資産」を確定することで計上することが可能となります。

この実地棚卸は煩雑化しやすく、経理担当者や在庫管理担当者の悩みの種になりがちです。

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