資産とは?資産台帳の目的や基本的な作り方や読み方・名称を解説!

会計で使われる台帳に資産台帳というものがあります。

資産台帳という言葉を初めて聞く方もいるかもしれませんし、聞いたことはあるけれども詳しくは知らないという方もいるでしょう。

そもそも資産とは何かということも含めて、資産台帳について詳しく説明します。

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資産台帳の前に会計上の資産とは何かを確認

会計上の資産とは、企業活動をするための道具のことです。

具体的には、企業が所有する現金や建物、土地などが資産になります。

また、資産の名称は会計上、決められています。

例えば、伝票や帳簿に記載するときに、お金のことを人によって、「カネ」と書いたり、「紙幣・硬貨」と書いたり、バラバラであると混乱が生じてしまうため、お金のことは「現金」と記載します。

他にも、机やパソコンなどは「備品」、会社で使用する車などは「車両運搬具」といった具合に名称が決められています。

この名称のことを勘定科目と呼びます。

そして、この資産は大きく分けて流動資産、固定資産、繰延資産の3つに分けられます。

流動資産

流動資産というのは資産の中でも、すでに現金化されている物、または、すぐに現金化できるものをいいます。

すぐに現金化できる期間というのは、「1年以内」となります。

現金化に1年以上かかるものは流動資産には含まれず、固定資産になります。

具体的な流動資産には、現金や預金の他に商品や棚卸資産、売掛金も含まれます。

商品や棚卸資産は売れれば現金化でき、売掛金も回収すれば現金になるからです。売掛金は通常1〜2カ月で回収できるので流動資産に含まれます。

固定資産

資産の中でも、1年以内に現金化できないものは固定資産と言います。

さらに、固定資産は有形固定資産と無形固定資産に分けられます。

有形固定資産とは、実態のある固定資産のことで、具体的には、土地や建物(事務所や工場、倉庫など)、車両運搬具(車やトラック、フォークリフトなど)、機械設備(材料を加工する加工機械など)といったものがあります。

一方、無形固定資産とは、形のない固定資産をいいます。

具体的には、プログラムなどのソフトウェアやのれんなどが該当します。

のれんというのは、企業の持つブランドやノウハウ、ネットワークなどの目に見えない価値のことです。

繰延資産

繰延資産とは数年間に渡って費用計上できる資産のことです。

先に支払いが完結し、効果が1年以上続く費用においては、会計上は費用ではなく資産として計上し、数年をかけて償却することで費用化していきます。

具体的な繰延資産には、創立費、開発費、新株発行費などがあります。

繰延資産は費用なので、財産価値や現金価値はありませんし、会社に繰延資産がたくさんあるからといって、その会社にたくさんの資産価値があるというわけではありません。

資産台帳とは

資産台帳というのは、個人や組織の資産を管理するために会計で使用される台帳のことです。

資産台帳と言えば、一般的には、固定資産台帳のことを指すことが多く、固定資産のみを管理するために作成されます。

具体的には、事業にかかわる、備品や車両運搬具、機械装置などを管理するための情報を記載します。

例えば、それら固定資産の名称、購入した日付や使用を開始した日付、購入額などを記載していきます。

資産台帳によって、事業用の固定資産に何があるのか、それら固定資産の減価償却はどなっているのかということを把握することができます。

資産台帳の目的と必要性

固定資産台帳の作成目的・必要性は以下の3つです。

  1. 減価償却費の根拠になる
  2. 正しい会計処理ができているか確認できる
  3. 節税ができる

固定資産台帳は確定申告でも作成義務のある帳簿になります。

確定申告で提出する損益清算書(PL)、貸借対照表(BS)には、資産の総額しか記載されませんが、固定資産台帳を確認すれば、その詳細を把握することができます。

固定資産台帳を作成することによって、正しい会計処理や減価償却費の計上ミスなどがないかを確認することができるのです。

また、固定資産台帳は、節税対策としても使用可能です。

例えば、壊れてしまって使えない機械があるならば、それは固定資産台帳から除外することで、無駄な税金を払わなくて済むようになります。

資産台帳の基本的な作り方

固定資産台帳の作り方について説明します。

 

固定資産台帳には決まったフォーマットはありませんが、下記のような内容を記載する必要があります。

  • 資産名称、資産区分
  • 取得年月日、取得価格
  • 耐用年数、減価償却費、償却率、償却方法
  • 帳簿価格

このうち、資産区分、耐用年数、償却率は税法で決まっているので、国税庁のホームページなどで、確認してください。

具体的な固定資産台帳を作る方法を見ていきましょう。

会計ソフトを使用して作成する

まずは、会計ソフトを使用する方法です。

会計ソフトを使用すれば、仕訳を自動で行ってくれるので、一人で作る自信が無かったり、手間を省きたい人におすすめの方法です。

一方、会計ソフトを使うと費用がかかるというデメリットはあります。

freeeやMFクラウド、弥生などは、無料でお試しに使うこともできますので、もし、利用を検討しているけれど、使い勝手を確認したいという人はこれらを活用してみてください。

エクセルを使用して作成する

固定資産台帳には決まったフォーマットはありません。

そのため、エクセルを使って、自分の書きやすいフォーマットで作成することも可能です。

エクセルならば、手書きと違って作り直しをしやすいですし、手書きより見栄えよく作ることもできますが、資産名称や取得年月などの必要な情報は網羅するように注意しましょう。

また、自分でフォーマットを考えるのが面倒という人は、ネット上に公開されている無料のフォーマット(テンプレート)を使用することもできます。

さまざまなパターンがありますので、自分に合ったフォーマットを探してみてください。

手書きノートを使用して作成する

ノートに手書きで作成する方法です。

固定資産台帳用の市販のノートがありますので、利用すると良いでしょう。

小規模の会社であったり、パソコンに自信がなくて、手書き管理したい人におすすめです。

資産台帳と減価償却費の読み方

具体的な資産台帳に記載された項目を見ながら、実際に内容を読み取ってみましょう。

例として以下の様な資産台帳があったとします。

  • 資産名称:加工機械
  • 資産区分:機械
  • 取得年月日:2020年1月1日
  • 取得価格:500万円
  • 耐用年数:5年(鉄鋼業用設備 鉄スクラップ加工処理業用設備)
  • 償却方法:定額法
  • 償却率:0.2
  • 減価償却費:100万円(500万円×0.2)
  • 帳簿価格(2020年12月31日時点):400万円

ここから読み取れることを順番に見て行ってみましょう。

まずは、2020年1月1日に加工用の機械を500万円で購入しました。

この機械は鉄スクラップの加工用に使うものです。

この耐用年数を調べると、「鉄鋼業用設備 鉄スクラップ加工処理業用設備」というものが該当するので、5年です。

これを定額法で処理する場合、耐用年数の償却率は0.2と決まっています。

これを取得価格(購入した時の価格)に掛けると減価償却費が求められます。
計算してみると、

500万円 × 0.2 = 100万円

となり、毎年100万円ずつ償却していくというわけです。

2020年末時点では1回目の償却が終わるので、100万円が2020年の経費として計上されます。

このとき、機械の価値である帳簿価格は、

500万円 - 100万円 = 400万円

となります。

このように、固定資産台帳をつけておけば、減価償却費の詳細な内容までしっかりと把握することができます。

仮に固定資産を管理している担当者が不在でも、固定資産台帳を見れば、詳細な内容を誰でも確認することができます。

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会計上の資産の意味や資産台帳の読み方、そして何より、資産台帳の目的やつけることの大切さについて説明してきました。

資産台帳を作成するには、予算が許すのであればやはり、会計ソフトを使うことが一番おすすめです。

その中でも特におすすめは「freee」です。

クラウド在庫管理ソフトzaico」はfreeeと連携することが可能です。

資産台帳を作成するのにfreeeを使うならば、まさにうってつけのソフトといえるでしょう。

また、「クラウド在庫管理ソフトzaico」は、日々の入出庫の管理をスマートフォンでスキャンするだけでデータを共有化し確認することができるので、資産管理が効率的に行えます。

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