社会のIT化が進む中ででは、業界・業種を問わずパソコンやサーバー、ソフトウェアなどのIT機器・製品はビジネスに欠かせない存在となっています。
これらのIT資産は適切に管理しなければ、無駄なコストやセキュリティリスクを生み出す原因になります。
IT資産管理の目的やIT資産管理の必要性、IT資産管理ツールの選定ポイントを解説します。
目次
IT資産管理とは
オフィスで使うパソコン・プリンターや、そこに組み込まれているソフトウェアなどのIT機器・製品は企業にとって重要な資産です。
これらのIT資産を適切に管理するプロセスを、「IT資産管理」といいます。
IT資産管理の対象には、目に見えるIT機器から目に見えない権利まで、大きく以下の3つに分類されます。
- ハードウェア資産:パソコン、サーバー、プリンターなど
- ソフトウェア資産:OS、アプリケーションソフト、データベースなど
- ライセンス:ソフトウェアの使用権、クラウドサービス利用権など
IT資産管理は、単にこれらの数を把握するだけでなく、導入から廃棄まで一連のライフサイクルを管理するプロセスです。
IT資産管理の目的と必要性
IT資産管理は、企業が保有するIT資産を、効率的かつ有効に活用するために欠かせません。
IT資産管理を行う目的と必要性を見ていきましょう。
コスト削減と予算の最適化
IT資産管理を行う目的は、無駄なコストを削減し、予算をより効率的に使用することです。
適切なIT資産管理により、ハードウェアやライセンス等の数、利用状況のタイムリーな把握が可能となります。
これにより、遊休資産の有効活用や無駄なコストの抑制が可能です。
また、資産の保守期限や更新時期の把握による、適切なIT投資計画の策定や不要な購入の防止にも役立ちます。
資産の可視性と情報アクセスの強化
適切なIT資産管理は、企業内のIT資産に関する情報を可視化し、関係者が必要なときに容易にアクセスできる環境を提供します。
例えば、ハードウェア・ソフトウェア・ライセンス情報を一元管理する資産台帳を整備することで、資産の状況を迅速かつ正確に把握可能です。
また、検索機能やレポート機能があれば、目的の資産の検索や資産状況の分析に役立ちます。
こうした資産の可視化やアクセスの強化により、業務効率の向上や意思決定の迅速化を実現できるでしょう。
リスク管理とセキュリティの強化
IT資産管理は、リスク管理やセキュリティ強化の観点からも重要です。
例えば、古いソフトウェアや未更新のシステムはサイバー攻撃のターゲットになります。
IT資産の情報を一元管理し、定期的にチェックして必要なアップデートやパッチを適用することで、脆弱性への対処が可能です。
また、IT資産管理はソフトウェアの不正利用やライセンス違反のリスクを避け、コンプライアンスを遵守したIT活用にも役立ちます。
IT資産管理が不適切だと生じる問題
IT資産管理が適切に行われていないと、企業にどのような問題が発生するのでしょうか。
問題となるシーンの事例を交えて、IT資産管理が不適切な場合に発生する問題と影響を解説します。
無駄なコストの発生
IT資産管理が不適切な場合に生じる問題の一つは、本来は支払わなくて良いはずの無駄なコストの発生です。
例えば、利用状況を正しく把握できておらず、使用しなくなったソフトウェアのライセンス費用を支払い続けるケースが挙げられます。
年間契約で自動更新されることも多く、無駄な支出を引き起こす要因になるでしょう。
また、IT機器の在庫管理が適切にできていないと、必要ない機器を購入したり、保管の費用がかさんだりする可能性があります。
一つひとつのコストは小さくても、問題を放置し積み重ねることで企業の財務状態を圧迫し、収益に悪影響をおよぼすことにつながります。
セキュリティ脅威の増加
不適切なIT資産管理は、セキュリティ脅威を増大させる要因です。
例えば、退職者の端末管理が杜撰な場合、個人情報や企業秘密が残ったままの端末が放置され、情報流出につながる可能性があります。
また、OSやアプリケーションのパッチ適用が適切に管理されていない場合、サイバー攻撃のリスクが高まるでしょう。
こうした不適切なIT資産管理が重大なセキュリティインシデントに発展した場合には、企業の信頼の失墜や財務的な損害をもたらす原因となります。
業務効率や生産性の低下
IT資産管理が不適切な場合、業務効率や生産性にも悪影響がおよびます。
例えば、IT資産の情報を把握していないため、必要なIT機器の手配が遅れたり、故障した機器の交換に時間がかかることで作業が停滞するケースが考えられます。
また、IT資産の管理が不十分なために、新しいプロジェクトを始める際に必要なライセンスが足りなかったり、ハードウェアの性能不足で作業が遅れることもあるでしょう。
このように、IT資産管理が不適切だと多くの問題が発生し、業務効率や生産性が低下する原因になります。
IT資産管理ツールの選定ポイント
IT資産管理は、Excelなどを使って手作業で行うこともできますが、数や種類が増えると負荷が大きくなります。
適切かつ効率的にIT資産管理をしたいのであれば、IT資産管理ツールの活用が効果的です。
IT資産管理ツールを選ぶ際のポイントを確認していきましょう。
機能や拡張性
IT資産管理ツールは製品によってさまざまな機能が提供されているため、自社のニーズに合わせて選択することが重要です。
IT資産管理ツールが提供する機能には、基本的な資産情報の台帳管理に加えて、ライセンス管理や脆弱性管理、パッチ配布、ログ取得などがあります。
使わない機能が搭載されていても無駄になるため、自社に必要な機能を洗い出して、必要十分な機能を備えた製品を選びましょう。
また、将来の事業規模拡大やIT環境の変化が見込まれる場合には、拡張性や柔軟性の高いツールを選ぶことで、将来の追加投資を抑えられます。
使いやすさ
IT資産管理ツールを選ぶ際には、使いやすさも重要なポイントの一つです。
IT資産管理を担当する従業員が、必ずしもITに精通しているとは限りません。
直感的でわかりやすいユーザーインターフェースの製品を選ぶことで、導入時や引き継ぎ時の習得負荷が軽減されます。
選定時には、デモ版の試用や無料トライアルでのお試し利用などで、使い勝手をチェックすると良いでしょう。
また、ツールを提供する事業者のヘルプ・サポート体制の充実度も重要なポイントの一つです。
導入・運用コスト
IT資産管理ツールを選定する際には、コスト面の考慮も欠かせません。
コストを考える際には、初期の導入コストだけでなく、維持管理やトレーニング費用も考慮に入れる必要があります。
従来のIT資産管理ツールは、自社環境に構築するオンプレミスの製品が一般的でした。
しかし、近年はリモートワークの広がりなどを受けて、クラウドサービスで提供されるものも増えています。
クラウドサービスなら初期費用を抑えられるため、比較的規模の小さな企業でも導入しやすいでしょう。
IT資産管理ツールの導入を検討する際には、ROI(投資対効果)を慎重に評価することが重要です。
IT資産管理にはクラウド在庫管理システム「zaico」
IT資産管理は、企業が所有するIT機器やソフトウェアを管理し、コスト削減・リスク軽減・生産性向上を実現するために重要なプロセスです。
適切なIT資産管理により、不要な支出の削減やセキュリティの強化、業務のスムーズな運用が可能になります。
効率的で正確なIT資産管理にはツールの導入がおすすめです。
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