在庫回転率とは?把握する目的や計算方法・上げる方法を解説

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在庫管理を徹底する事は売上を伸ばすための重要な業務の1つですが、「在庫回転率」を正確に把握して運用していますか。

  • 過剰在庫や在庫不足といった問題を抱えている
  • どう商品の流れを把握したらいいのか分からない

といった企業のご担当者様も多いのではないでしょうか。そんなお悩みには健全な経営をするために把握するべき指標の1つである「在庫回転率」を活用する方法が有効です。今回は在庫回転率とは何か知りたい方へ、計算方法や在庫回転率を上げる方法などを詳しく解説します。

 

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在庫回転率とは?

在庫回転率とは、抱えている在庫が一定期間中にどのようなペースで入れ替わっているのかを数値化した指標のことです。例えば「在庫回転率が1年で5」というのは1年の間に在庫が5回入れ替わっていることを指します。

数値が高いほど在庫の回転率がよく、短期間で在庫が出入りしている事を示します。逆に低い場合は、在庫が売上に変わるまでに時間がかかる事を意味します。基本的に在庫回転率は高ければ高いほど良い指標といえますが、数値が高すぎる場合は、在庫切れの状態を生み出す可能性があります。また、商品の品種や業種によって在庫回転率の目安は異なります。

在庫回転率は、「商品回転率」とも言われますが同じ意味です。

 

在庫回転率を把握する必要性

では、なぜ在庫回転率を把握する必要があるのでしょうか?詳しく解説していきます。

売れ筋の商品が分かる

在庫回転率の高い商品は「購入頻度高い=売れている商品」と言い換えることができます。そのため、商品ごとの在庫回転率がわかれば、売れ筋の商品が何なのか把握する事が可能です。また一定期間で在庫回転率を把握しておくと、年間を通じて需要が高まる時期、落ち込む時期などが細かくわかり、年間の売上推移の把握と在庫確保の予測が可能となります。

つまり、年間を通じて過剰在庫や在庫不足を生み出さないための、最小限の在庫数を示す適正在庫を求めることが可能になるのです。その結果無駄なコストの発生を防ぎつつ、利益の最大化を目指すことに繋がるでしょう。

経営の健全性を確認する

先述のように、在庫回転率は対象の商品がどれくらい売れているのかを示します。企業規模を問わず健全な経営をしている企業は在庫が効率よくお金に変わっているため、在庫回転率が良い傾向にあります。同じ売上でも業績が悪くなってくると、在庫回転率が低下し在庫金額が膨らんでしまうことが一般的であるため、在庫回転率をしっかり把握することが経営状態の健全性の確認をすることに繋がっています。

 

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在庫回転率を把握するメリット

在庫回転率を把握するメリット

在庫回転率を把握すると、

  • 在庫の動きを可視化
  • 需要予測が可能になる
  • 顧客満足度の向上
  • 過剰在庫等のコストの削減
  • 作業動線の見直しが可能になる

といった5つのメリットが生まれます。いずれも重要な項目ですので、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

在庫の動きを可視化

在庫回転率を把握すれば、在庫の動きを可視化できます。日々の業務で見える在庫の動きから傾向を予測することもできますが、それだけでは在庫全体の状況を把握することはできません。

在庫の動きを可視化できるメリットは大きく、商品ごとの在庫の販売スペースや数量などを、感覚ではなく数値として捉えることができます。現在と過去のデータからの在庫回転率を比較し、適切で効率的な数値に保つための行動にもつなげていくことができるでしょう。適切で効率的な在庫管理になります。

需要予測が可能になる

在庫回転率は在庫の入れ替わりを反映する数値なので、

  • どのような商品の売れ行きが良いのか
  • 反対にあまり売れていない商品はなにか

といった情報をチェックでき、適切な需要予測が可能になります。この需要予測は、さまざまな施策に応用することが可能です。

例えば在庫回転率の低い商品の取り扱いをやめ、そのスペースに在庫回転率の高い商品を保管するといったように、売れ行きによって置き場所を見直すことが可能です。

また、在庫回転率の高い商品の仕入れを増やし、これから来る発注に備えることもできます。日々の在庫管理などの業務が、効率的に行えるようになるでしょう。

顧客満足度の向上

在庫回転率を把握することには、顧客満足度の向上というメリットもあります。在庫回転率から顧客のニーズを汲み取り、無駄のないスムーズな販売につなげることができるからです。

注文があった時点で商品が品切れしている状態だと、顧客に販売するために商品を取り寄せるまでの時間がかかり、発送が遅れてしまいます。もしもキャンセルになってしまえば、販売機会を失い、不要な在庫を抱えてしまう可能性もあります。

在庫回転率を把握すれば、人気商品の傾向を分析し、事前にたくさん仕入れておくことも可能です。商品をすぐに手配できることで販売機会の損失を免れるだけでなく、「サービスの行き届いたお店」として、顧客満足度を向上させる結果にもつながるでしょう

過剰在庫等のコストの削減

在庫回転率のデータを把握すれば、過剰在庫等の無駄コストを削減できます。利益を伸ばしていく上で、余分なコストをカットするのは重要なことです。しかし、在庫回転率を把握していないと、気付かない内に無駄なコストを払っている可能性があります。

例えば、商品によっては売れるシーズンが限られているものもあります。在庫回転率を把握せず「よく売れているから」と感覚で発注数を決めてしまうと、売れないシーズンに大量の在庫を抱えることになってしまうでしょう。一時的なトレンドで購入が増えた商品も同様です。売れていた時期と同じ数を仕入れると、在庫を圧迫します。結果的にこれらの商品によって、在庫の保管コストと廃棄コストが増大してしまうでしょう。

在庫回転率を過去の時期ごとのデータと照らしあわせ、在庫回転率の低い商品の仕入れを少なくするなど入荷量の調整を行うことで、適切な在庫数に保ち無駄なコストを抑えられるでしょう。

作業動線の見直しが可能になる

作業動線の見直しが可能になる点も、在庫回転率を把握するメリットの一つです。無駄な工数がないかを、在庫回転率の数値を基に判断できるからです。効率的な倉庫の配置にするためには、出荷頻度の高い商品を手前側や入口、出口付近に配置し、反対に出荷頻度の低い商品は奥側に配置することが基本です。

しかし、在庫回転率を把握せずに在庫を管理すると、出荷頻度の高い商品と低い商品の配置が逆になっている可能性があります。この場合、倉庫内を行ったり来たりと無駄な動きを繰り返すので、作業効率が悪くなります。

在庫回転率の数値を参考に出荷頻度に応じた配置にし、倉庫の作業動線の見直しを行えば、効率的な作業を行うことが可能です。結果的に同じ作業時間でも、より多くの作業を行うことができるようになるので、時間あたりの利益が大きくなることにもつながります。

 

在庫回転率の計算方法とは?

在庫回転率の計算方法は、「金額基準」と「個数基準」があります。2つの方法をご紹介しますが、個数基準を用いて在庫回転率を求める方がより実務的であるといわれています。

金額を基準にした計算方法

▼計算方法
在庫回転率=該当期間の売上原価÷該当期間の平均在庫金額

▼売上原価とは
売上原価=(該当期間の期首の商品棚卸高+商品の仕入れ高)ー該当期間の期末商品の棚卸高

売上原価は、売れた商品の仕入れや製造にかかった費用のことです。商品棚卸高とは、該当期間の在庫の売れ残りであり、翌期へ繰越す商品のことを示します。売上原価は出庫金額や売上金額ともいわれます。

▼平均在庫金額とは
平均在庫金額=(該当期間の期首の棚卸高+該当期間の期末の棚卸高)×1/2

平均在庫金額は該当期間の期首と期末の在庫金額の平均で求めることができます。棚卸資産や平均商品在庫高ともいわれます。

なお、金額基準を使用して算出する場合、必ず原価の数値を用いて計算する必要があります。売上高で計算してしまうと利益分だけ在庫回転率が良くなってしまい、正確に把握できません。売上原価は仕入れ値と覚えてください。

また、一般的に金額基準よりも個数基準の方が実務的だといわれています。なぜなら、金額基準は一定期間内で仕入値が変わることがあるためです。また棚卸高は商品の原価以外の要素も含まれてしまうといった理由で正確な数値を求めるのは難しいからです。金額基準は決算書や在庫金額を決定する時など、経営的な観点で在庫回転率を計算する時に使用する方がいいでしょう。

現場における在庫管理の改善を目指す上では、個数基準で計算した在庫回転率を目安にするほうが役に立ちます。では次に、その個数基準について説明します。

個数を基準にした計算方法

▼計算方法
在庫回転率=該当期間の総出庫数÷該当期間の平均在庫数

▼総出庫数とは
総出庫数=該当期間における日々の出庫数量の合計

▼平均在庫とは
平均在庫数=(該当期間の期首の在庫+該当期間の期末の在庫数)×1/2

個数基準を用いて在庫回転率を算出する場合は、数量以外の要素に左右されることなく単に数で比較でき、具体的なイメージが湧きやすいといえるでしょう。
たとえば1年間に倉庫から出庫した個数が2000個で、期首の在庫の個数が160個、期末の在庫が40個なら平均在庫数は100個なので、在庫回転率は「20」となります。

 

在庫回転期間の計算方法

在庫回転期間の計算方法

在庫回転期間とは商品を仕入れて、在庫がすべて入れ替わるまでの期間を表したものです。在庫回転期間が3カ月の場合は、3カ月後に在庫がすべて入れ替わります。在庫回転期間が短い商品ほど、入荷から出荷までのスピードが速く、反対に長い商品ほど、在庫として残っている期間が長く、過剰在庫になっている可能性があります。

在庫回転期間は、次の式で計算することが可能です。

在庫回転期間=棚卸資産÷(売上金額÷該当期間)

棚卸資産とは、企業が販売する目的で一時的に保有している資産です。小売業なら商品、製造業なら原材料や仕掛品、製品などが棚卸資産に該当します。棚卸資産は、一般的に在庫のことを指しています

例として年間の売上金額が5,000万円、棚卸資産が100万円の場合について考えてみましょう。該当期間を1日単位で計算すると1年は365日なので、100÷(5,000÷365)より在庫回転期間は約7.7日となります。同じように該当期間を1カ月単位で計算すると1年は12カ月なので、100÷(5,000÷12)より在庫回転期間は約0.24カ月です。

なお、在庫回転期間は「平均在庫金額」や「平均在庫数」とも言われますがどちらも同じ意味です。

 

在庫回転率を活かした適正在庫の考え方

在庫回転率を活かした適正在庫の考え方

在庫回転率を活用すれば、適正在庫の状態に近づけることが可能です。適正在庫とは、欠品が生じない必要最低限の在庫数のことです。在庫数が多い場合は過剰在庫となり、廃棄コストや保管コストが余分にかかってしまいます。

反対に在庫数が少ない場合は、欠品が生じ、納品が遅れたり、販売機会を損失したりすることにつながります。適正在庫と実際の在庫の状況を比べて、在庫回転率の低い商品を処分する、在庫回転率の高い商品の仕入れ頻度を高めるなどの対策を取れば、上記のような状況を回避することが可能です。在庫回転率とあわせて在庫回転期間の指標も活用すれば、より適正在庫の状態に近づけることができるでしょう。

なお、在庫回転率の適正値は業界や商品の性質によって異なります。例えば飲食業の場合、消費期限や賞味期限のある食料品を扱うので、素早く商品を出荷しなければなりません。そのため製造業に比べて、在庫回転率が高くなる傾向にあります。特に常温で長期的に保存できない野菜・お肉・鮮魚などで、この傾向は顕著です。

適正在庫の状態に近づけるためには、在庫回転率を指標にするといいでしょう。ただ、在庫回転率の指標を比べるときは、他業種と比べるのではなく、経済産業省が公表している同業種の在庫回転率のデータを参考にしてください。

 

在庫回転率を上げる方法とは?

では、在庫回転率を上げるにはどうすればよいのでしょうか?4つの方法(コツ)をご紹介します。

在庫回転率を定期的に分析する

在庫回転率は、1週間単位・1ヶ月単位で定期的に算出して分析することが大切です。細目にチェックしておけば、わずかな変化にも気が付く事ができるでしょう。また定期的な算出をすることで在庫回転率の悪い在庫の発見だけでなく、シーズンによる指標の特徴を掴むことが可能となります。その結果、在庫状況における課題がシーズンを通して明確になり、改善に向けた取り組みもシーズンを通して行うことができます。

目標設定をする

在庫回転率は高くしすぎると在庫不足(欠品)の状態を作ってしまい、低いと余剰在庫がある状態になってしまいます。そのため、適正な目標数値を明確に常に設定することが大切です。また、目標値を明確にすると担当者はもちろんのこと、会社全体で目標値に向かって動きやすくなります。会社全体で目標数値を認識して行動すれば、在庫回転率改善がスピーディーに行えるでしょう。なお、目標の値については、同ジャンル商品を扱うの企業の在庫回転率を参考に決定することをおすすめします。

在庫整理をする

在庫回転率をしっかり把握したうえで、在庫の整理を行うことも重要です。事業が大きくなればなるほど、整理ができなくなります。どこに何があるかも分からない状態…と頭を抱える担当者の方も多いはず。余計な在庫を長期間抱えてしまうと、在庫回転率は悪くなることはもちろん、長期間在庫を保管することで在庫自体が劣化してしまい、結果不良在庫となり破棄することになってしまいます。

  • どこに、何が、何個あるのかを整理し見える化する
  • 不良在庫を整理し整理のルールを構築する

など在庫全体の体制が整う(いつでも販売できる状態の在庫のみを保有する)ことで、在庫回転率を高めることに繋がるのです。

リードタイムとのバランスを考える

リードタイムとは商品を発注してからお客様に納品されるまでの時間や日数のことを意味します。リードタイムを短縮すると、顧客満足度が上がり顧客を獲得できます。顧客を獲得すれば更に商品が売れ、結果的に在庫回転率が向上していくのです。このようにリードタイムと在庫回転率は密接な関係なため、リードタイムのバランスを考えることは在庫回転率を上げる為の方法として重要といえます。

また、リードタイムには開発リードタイム・調達リードタイム・生産リードタイム・配送リードタイムなどと工程ごとに分けて呼ぶこともあります。例えば、使用量が全く同じ在庫であっても発注リードタイムを減らしただけで、

  • 倉庫に抱える平均在庫数が減る
  • 新たなスペースが生まれる
  • キャッシュフローの回転率がよくなる

といった追加のメリットも生まれてきます。工程ごとにリードタイムを考えてみるもの1つの手でしょう。

ITシステムを導入する

在庫回転率を上げるためには数値を見て改善していくことが重要ですが、在庫数の把握や、どれだけ発注があったのか、販売したのかなどの大量のデータを人力で処理することは難しいです。

そのため効率的に在庫回転率を改善するには、POSシステムなどのITツールを導入するといいでしょう。POSシステムは、商品が販売された時点の情報を記録するので、大量のデータでも把握しやすくなります。POSシステムを導入すれば、実店舗とECで在庫を共有している場合や複数店舗を持っている場合でも、在庫を一元管理できます。

また、売れ筋の商品も把握できるので、仕入れ頻度を高めるといった対策も取れるでしょう。POSシステムなどのITシステムを導入すれば、人的ミスも防げるので、より効率的な在庫管理ができるようになり、結果的に在庫回転率を高めることができます。

なお、ITシステムを導入するには、費用が必要です。POSシステムの一般的な費用は、導入費が約20万円前後、月額費用が5,000〜15,000円前後です。

 

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企業の好事例

在庫管理システム(zaico)を導入し、様々な改善を図った好事例として「株式会社ライフスタイルギャラリー」と「四日市事務機センター」の2つをご紹介します。

株式会社ライフスタイルギャラリー

株式会社ライフスタイルギャラリーでは、既存システムの処理速度が遅く、かつ操作性も悪いためスタッフに大きな負担がかかっていました。リアルタイムで在庫数の把握ができないためミスが発生し、その結果棚卸負担が増すという悪循環に。ITシステムを導入していない場合、よく見られる事例です。

しかし在庫管理システム(zaico)を導入したことで、システムの処理速度と操作性が向上し、作業スピードが以前の10倍にまで伸びたため、スタッフの負担を軽減することに成功しました。また、正確な在庫数も把握できるようになり、棚卸頻度も50%削減。株式会社ライフスタイルギャラリーではこれだけの業務改善を、手持ちのスマートフォンで行っています。

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四日市事務機センター

四日市事務機センターでは、社内倉庫とエンジニアの社用車に在庫が分散しており、正確な在庫数を把握できていませんでした。また、社外で部品の欠品が出た場合、エンジニアへの電話確認で時間を要するという問題も抱えていました。

在庫管理システム(zaico)を導入した後は、在庫をバーコードで管理するようになり、社内倉庫と社用車に積んでいる在庫数を、外出先でも把握できるようになっています。部品不足による修理遅延も解消し、即日修理できる割合が50%増え、結果的に顧客満足度も上昇しています。

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