備品の持ち出しはリスクも!持ち出し管理表でしっかりと管理するには?

テレワークを導入し、より業務効率を高めるには、対象者の自宅の作業環境を職場と同じような環境に近づける必要があります。
そのためにはパソコンやモバイルなどの電子機器を設置し、インフラ環境を整備しなければなりません。また、社内業務専用で使うソフトや顧客リスト、取引先との売買記録ファイル等も手元に揃えておく必要があります。
これらはコスト的にも高額であるだけでなく、セキュリティにも十分配慮しなくてはならないものです。もし持ち出した備品に紛失や盗難があり、機密情報が漏洩してしまったとしたら、会社は甚大な損害を被る可能性があるため、そのような事態は避けねばなりません。
今回は、社内備品の持ち出しリスクについて検証するとともに、会社備品の持ち出しを行う際の適切な管理方法について解説します。

 

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備品(社内備品)について

まず、会社が保有する備品にはどのようなものがあるのでしょう?
パッと思いつくところでは、デスク、椅子、パソコン、キーボード、モバイルWi-Fi、文房具などが挙げられます。
もし会社でテレワークを本格的に導入・実施していく場合、テレワーク勤務者がこれらの備品の中から社外に持ち出して利用するものも出てくるでしょう。
ノートパソコンやモバイルWi-Fi、モバイルディスプレイ、社用スマホなどの電子機器類は高額であるばかりでなく、顧客リスト、取引先情報、売買履歴などのファイルデータも格納されています。
テレワーク勤務者がこれらを持ち出して自宅で使う場合には、情報を守るためにも、テレワーク実施前に充実したセキュリティ体制を構築しておきましょう。

備品の持ち出しによるリスクとは?

会社の備品を持ち出すことには、いくつかのリスクが伴います。
具体的には、

  • セキュリティ面におけるリスク
  • 破損・紛失のリスク
  • 盗難のリスク

の3つです。以下、それぞれについて見ていきましょう。

セキュリティ

テレワークを実施することにより、テレワーク勤務者は社内のセキュリティシステムのネットワークから外れてしまいます。
これにより危険なサイトへのアクセス、外部からの怪しいメール受信、さまざまなアプリケーションのインストール機会などが増えると、ウイルスの侵入を許すリスクはどうしても高まってしまいます。また、情報の収受を行うUSBメモリなどにもウイルスが混入する可能性があります。
こうしてウイルスに感染したパソコンやUSBを社内ネットワークに接続することで、ホストコンピュータに感染が広がってしまうリスクが高まっていくのです。

破損・紛失

USBメモリをバッグなどに入れて持ち運ぶ際、何らかのアクシデントによって破損・紛失するおそれもあります。
Yシャツの胸ポケットにUSBメモリを入れたまま気づかずに洗濯してしまったり、バック内で飲み物がもれてしまいバッグ内のUSBのコネクタ部が長時間浸水したり。水に浸かると認識しなくなることがあります。
破損の場合は、元データは社内及び自分のパソコンに残っていることが多いですし、専門業者に依頼するなど修復方法もあるのでまだ被害が少ないかもしれません。
USBメモリの紛失にも気を付けたいものです。もしもカバンごと置き忘れた場合、一緒に入れていた名刺などがあれば持ち主が特定されてしまいます。そうなるとデータの属性が第三者にも容易に判別でき、最悪の場合、競合会社に売り渡されるなどのリスクも出てきます。

盗難

破損・紛失もリスクがありますが、盗難にも細心の注意を払いましょう。
テレワーク時に気分を変えて仕事をしたいと思い図書館や喫茶店などに行き、作業中トイレに行って机に戻ってみたらノートパソコンがなくなっていた……といった事態も起こりうるのです。
また不特定多数の人が出入りするスペースでは、どんな人が後ろから画面情報を見ているかわかりません。その情報が喉から手が出るほどほしいものだったり、高く売れるとみなされるものであったりすれば、盗難リスクも当然高まります。
営業情報や個人情報などの盗難は、利用されてしまうケースも十分に考えられます。
漏洩による社会事件へと発展すれば、損害賠償請求、相手企業・団体との取引停止、信用低下などにもつながりかねないため、それを防止できるような管理体制が構築できればベストです。

備品の持ち出し管理の方法

テレワークの導入・実施のためには、会社の資産を大切にする意識を会社と社員の間で共有する必要があります。その具体的な取り組みの一つに、備品の持ち出し管理を最適化していく方法が挙げられます。
以下に効率的な備品の持ち出し管理方法について説明していきたいと思います。

各備品管理者(管理部署)の明確化

備品管理の適切化・厳格化を強化するため第一の有効策としては、管理担当者を明確にすることが挙げられます。
備品といってもいろいろあるので、たとえばデスク・椅子の担当者はAさん、パソコン・キーボード・モバイルWi-Fiの担当者はBさん、文具類の担当者はCさんのように分けておくとよいでしょう。
そして、各担当者は何かトラブルや事故が発生した場合、すばやく的確に処理し、解決できる体制の整備・構築に努めるようにしましょう。

持ち出しルールや承認フローの作成

備品管理担当者は、備品を持ち出す際のルールを取り決めておくことでより適切な備品管理を行うことができます。
具体的には、

  • 備品は自宅以外では使わない
  • 会社で支給する以外のUSBメモリは使わない
  • 持ち出し期間は1ヶ月を超えないようにする

など、セキュリティ意識の啓発や公私混同の防止につながるルールを作っておきます。
また、備品管理担当者は申請・承認フローの作成・発行も行うとよいでしょう。
申請・承認フローとは要するに誰が申請して、誰が承認し、誰が確認したかということを明確に示す書式のことです(後述する「備品の持ち出し管理表」に組み込むようにすると効率的です)。
申請・承認フローでは少なくとも管理者が確認者なるようにし、必要に応じて組織上長の承認も取るようにしましょう。

備品の持ち出し管理表の作成

備品管理担当者は、「備品の持ち出し管理表」を作成すると情報が可視化されて便利です。これにより持ち出し状況をより的確にかつ迅速に把握することができます。
備品の持ち出し管理表には、持ち出したときの日付、品名、利用場所などの項目を設けておきます。そしてテレワーク勤務者に回答してもらうようにします。
以下に備品の持ち出し管理表の作り方を紹介していきますので、参考にしてみてください。

備品の持ち出し管理表に必要な項目

持ち出し管理表では以下のような項目を設けておくとよいでしょう。

【備品の持ち出し管理表に必要な項目(案)】 

  • 管理番号――履歴を追うときにつけておくと便利です。時系列で番号をつけていくのがオーソドックスな方法です。
  • 持出日/持出時刻――持ち出した日時は必ず明記しておきましょう。
  • 品名/数量――何をいくつ持ち出したかは正確に申告してもらう必要があります。
  • 利用場所――どこで使うかは管理者の重要なチェックポイントとなります。
  • 利用目的――備品を持ち出して使うための正当な理由があるかをチェックするのも管理者にとって重要な仕事となります。
  • 持出者名――持ち出した人の名前は必ず明記してもらいましょう。
  • 所属部署――部署明記は勤務者の業務に必要な備品が適切に持ち出されているかの判断材料となります。
  • 返却予定日――備品は会社の資産です。持出者が備品を自分の所有物だと勘違いすることのないよう返却予定日を決めてもらいましょう。
  • 返却確認日――備品が戻された日付は必ず明記しておきましょう。
  • 承認者――部署の上長が適任です。
  • 確認者――備品管理担当者が適任です。

備品の持ち出し管理で気をつけるべきこと

前述のように、備品は会社の大切な資産です。
備品管理者が備品の在庫数を適切に管理し、出入りをチェックしていることが社員全体に認識されれば、より備品の持ち出しに対する意識は高くなるでしょう。
そして備品持ち出し管理表の存在を周知してください。また備品を持ち出す際は、備品持ち出し管理表を記入してもらうよう協力を依頼しましょう。
備品が多系統、多種にわたる場合は、備品の系統・種類ごとに持ち出し管理者をあらためて選定するとよいでしょう。そして各管理担当者に持ち出し管理表を管理してもらいましょう。
そして、持ち出し管理表担当者は記入事項に漏れや不備がないかをきちんとチェックするよう心掛けてください。

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持ち出し備品の管理は多系統、多種になるほど、煩雑化し、管理者の混乱を招きやすくなります。
一人では手に負えません。かといって多人数になれば管理の基準にばらつきが出てきます。

ここでお勧めしたいのが「クラウド在庫管理ソフトzaico」という在庫管理ソフトです。
このソフトは本来、工場などの在庫管理に使われるものですが、持ち出し備品の管理にも活用することができます。
使い方を一言でいうと、このソフトに前もって品名、画像、QRコードなどの備品情報を登録しておけば、備品が今、どこにあり、どのような状態であるのかといった情報がPCやスマホ上ですぐにキャッチできるのです。

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