企業が在庫を持つメリットは、顧客のリードタイムに応えたり、大ロットで商品を仕入れることで単価を抑えたりできることが挙げられます。
その一方、必要以上に在庫を抱えた場合、保有スペースの圧迫や在庫管理コストの増加、廃棄のリスクなど企業にさまざまな悪影響をもたらします。
これを回避するためには在庫圧縮や在庫削減が必要です。
そこで今回は、在庫圧縮の目的や削減方法について解説します。
さらに、「クラウド在庫管理ソフトzaico」を活用した在庫削減の事例についても紹介します。
目次
在庫圧縮・削減の目的
必要以上に増えてしまった在庫は、圧縮・削減することが重要になります。
在庫圧縮・削減をすることで得られる効果として、
- 商品品質の維持
- 管理コストの最適化
- キャッシュフロー改善
の3つがあります。
以下、それぞれ詳しく説明します。
商品品質の維持
在庫を長期に渡って保管するようになると、商品の品質は低下していきます。
保管中に材質が劣化してしまったり、一部破損させてしまったり、腐ってしまったりなど、さまざまな問題が発生します。
品質が劣化し売れなくなった商品は廃棄が必要となり、余分なコストもかかってしまいます。
そこで、在庫圧縮・削減をし過剰な在庫を減らすことで品質の劣化を防ぐことができます。
管理コストの最適化
在庫が多ければ管理にかかるコストも増大します。その最たるものが棚卸です。
在庫が多ければ多いほど、棚卸時に現物数や保管場所の確認をしなければならず、膨大な工数がかかります。
その他にも保管スペースの維持費や光熱費、在庫の消費期限・賞味期限の確認などのコストもかかります。
在庫を圧縮できればこれらのコストを削減し、最適化できます。
キャッシュフロー改善
在庫品は企業の資金を使って仕入れています。
そして、その在庫品が売れるまでは企業は収益を得ることはできません。
在庫品が売れなければ、出ていったお金を回収できず、キャッシュフローは悪化してしまうのです。
不要な在庫は削減し仕入れた在庫が確実に売れていけば、キャッシュフローは改善していきます。
在庫圧縮・削減の方法
在庫圧縮・削減の次に具体的な在庫圧縮・削減の方法について
- 保管場所を整理する
- 在庫の現状を把握する
- 適正在庫を確認する
- 商品の種類を減らす
- リードタイムを減らす
の5つに関して説明します。
保管場所を整理する
まずは在庫の保管場所を整理しましょう。同じ製品であってもあちこちバラバラに置かれていると、全部でいくつ在庫があるのかすぐに分かりませんし、確認のため移動する手間もかかります。さらには、在庫品を見落として過剰手配になってしまうこともあります。
また、備品など製品以外のものが一緒に置かれていたりすれば、どれが在庫品なのか分かりにくくなり、最悪の場合間違えて出庫してしまうこともあり得ます。
さらには、整理をすることで滞留している在庫も見つかります。滞留しているような在庫品は処分してしまうのも一つの手です。
保管場所を整理することは、無駄な発注を減らしたり、不要な在庫を発見し廃棄したりなど在庫圧縮につながるのです。
在庫の現状を把握する
在庫品の在庫数量や最終入庫日、最終出庫日などを調べて、
- 「良く回転する」
- 「回転は遅いが定期的に需要がある」
- 「全く需要がない」
- 「リードタイムが長い」
など、現状の在庫の状況を把握しましょう。
現状を把握した上で、必要な在庫はもっと仕入れなければいけませんし、逆に不要な在庫は削減したり、在庫するのを止めてしまいましょう。
このように、現状を把握することで、在庫削減できる品目も明確になります。
適正在庫を確認する
適正在庫とは「欠品を出さないための最小限の在庫」のことです。
適正在庫を持つことで、顧客の要望に応えつつ、在庫数を減らせます。在庫数を削減できるので保管スペースも圧縮でき、管理コストも低く抑えられます。
適正在庫は、安全在庫とサイクル在庫や在庫回転率などから算出します。
また、適正在庫は一度算出したらそれで終わりではなく、定期的に売り上げなどをチェックし、見直すことが重要です。
商品の種類を減らす
在庫する商品の種類を減らすことも在庫圧縮には効果があります。
商品の種類を減らすことができれば、設定する安全在庫も減らせます。
例えば、5種類の在庫品があれば、個別に安全在庫も設定する必要があります。
それを1種類に減らすことができれば、設定する安全在庫も1個で済み、その結果、在庫を減らせる可能性があるのです。
商品の種類を減らすには、「部品の共通化」や「原材料に近い状態で保管」することが重要です。
例えば、エアホースを長さ別にカットして保管していたり、鉄板などサイズ別に切って保管すると在庫点数も増えてしまいます。
そこで、エアホースや鉄板を定尺で在庫し、必要な分だけ切り出すようにすることで、在庫の種類を減らせます。
リードタイムを減らす
リードタイムとは発注してから入庫するまでの日数のことを言います。
リードタイムを減らせれば在庫圧縮にもつながります。
例えば、毎日平均5個使う在庫品のリードタイムが10日の場合、1回の発注で50個手配する必要があります。
しかしリードタイムを5日に短縮できれば、1回の発注量も25個で済みます。
このようにリードタイムの短縮は在庫圧縮にも効果があります。
zaico導入で在庫圧縮・削減した事例
次に「クラウド在庫管理ソフトzaico」を使った、在庫削減の事例について3つ紹介します。
【二村医院】zaicoの導入で過剰在庫を圧縮を目指す
二村医院は愛知県刈谷市にある大型歯科医院です。
こちらの医院では全スタッフが常に忙しく稼働しており、在庫管理に手を割けない状態でした。
そのため在庫管理を、歯科材料を取り扱う各業者の営業担当に任せていました。
各社の営業担当の中には毎日来院する方もおり、在庫が欠品することはほぼありませんでした。
その一方で、医院の希望と関係なく次から次へと納品されてしまうので、新しい歯科材料への切替タイミングが遅れてしまうという問題が度々発生していました。
しかし、zaico導入後は二村医院のスタッフが在庫管理を実施するようになり、歯科材料の切替も容易に進められるようになりました。
さらに、zaico導入後は在庫データが蓄積されていくため、今後は年間消費量などを元に適正在庫を定め、無駄な在庫の圧縮を検討しています。
【コムネット株式会社】発注点管理機能で過剰在庫を防止
コムネット株式会社はレーザー加工機の輸入販売をしている会社で神戸と横浜に拠点を置いています。
レーザー加工機の販売だけでなく、販売後のメンテナンスにも力を入れており、メンテナンススタッフは車に在庫パーツを保管し、客先を回っています。
拠点が2カ所あるばかりか、13名のメンテナンススタッフの車に在庫パーツが保管されているため、在庫管理が難しく、「どこに・何が・何個あるか」を把握することが非常に困難な状況でした。
さらに、保守用のパーツは台湾やイタリアから輸入しており、納期がかかります。
そのため、欠品すれば客先に迷惑をかけてしまいますが、過剰在庫を抱えることも避けたいところでした。
そこでzaicoを導入し、スマホを使っての在庫管理をスタートさせました。
これにより2拠点及び各メンテスタッフの車にある在庫を一元管理できるようになりました。
さらに、zaicoの有料プランにある「発注点管理」を利用することで、在庫があるかどうかも分からずに過剰に発注することが無くなり、在庫の最適化が実現可能となったのです。
【テサテープ株式会社】zaicoのデータを活用しコスト削減を目指す
テサテープ株式会社は粘着テープの製造・販売を行っている会社です。本社はドイツにあり、100カ国以上に展開するテサグループの日本法人です。
zaico導入は使用期限切れの商品をお客様に提供してしまったというミスがきっかけでした。
そこから、今までの在庫管理を改めようと、自社に合った在庫管理システムを探す中でzaicoに出会い、導入に至ったのです。
zaico導入により日々の在庫管理業務は効率化され、データ連携により担当者への問い合わせ件数も減りました。
現在では、過去の出庫スキャン状況を洗い出し、使用頻度の低い商品を見つけて、在庫の見直しを進めています。
過去の履歴データが簡単に取れるので無駄な在庫を減らすためにzaicoを有効活用されています。
在庫管理・棚卸をカンタンに!「クラウド在庫管理ソフトzaico」
以上、在庫圧縮の目的や削減方法について説明してきました。
また、「クラウド在庫管理ソフトzaico」を使った、在庫削減の事例についても紹介してきました。
在庫の圧縮・削減を検討されている方は、具体的な改善実績もある「クラウド在庫管理ソフトzaico」の導入を検討されてみてはいかがでしょうか?