消耗品の管理表とは?消耗品の管理表の作り方と消耗品管理表の必要性

日々の業務に必要な事務用品や清掃用品などの消耗品を一覧で確認、記録できる「消耗品管理表」を利用しているケースも少なくないかもしれません。

消耗品管理表が重要な理由や管理表に記録すべき項目、エクセルを使った消耗品管理表の作り方、さらに消耗品管理表よりも効果的なクラウド在庫管理システムについて確認していきましょう。

消耗品の管理表が必要な理由

業務に必要な備品を安定的に確保するには、管理の仕組みが重要です。

特に消耗品は数が多く使用頻度も高いため、曖昧な管理ではトラブルの原因になります。

消耗品の管理表がなぜ必要なのかを確認していきましょう。

業務効率を妨げる「在庫切れ」問題

必要なときに備品が足りないと、業務に支障が出てしまうこともあるでしょう。

たとえば、コピー用紙やインクが切れていた場合、事務作業が中断されてしまい、結果として生産性が落ちることになります。

「気づいた人が補充する」という運用では在庫切れのリスクを避けにくいことから、安定した業務を保つには、常に消耗品の状況を見える化するために管理表が必要でしょう。

見落としがちな「過剰在庫」のコスト負担

在庫切れを避けようと過剰に備品をストックしてしまうと、保管スペースを圧迫するだけでなく、無駄なコストがかかるでしょう。

特に期限のある衛生用品や薬品類などは、使い切れずに廃棄となる可能性もあるため、注意が必要です。

必要量を見極めたうえで適切に管理するためにも、数量や使用頻度を可視化できる管理表があると業務の効率化に役立ちます。

管理の属人化による引き継ぎトラブル

業務を行う中で、「誰が何をどこまで把握しているか」が明確でないと、担当者が不在の際に消耗品の状況がわからなくなり、対応が遅れることがあります。

管理が属人化している職場では、引き継ぎのたびに混乱が起きやすく、ミスやトラブルを招く恐れがあるでしょう。

共有しやすい管理表を整備することで、誰でも確認できる状態をつくり、属人化のリスクを軽減できます。

小さな無駄が積み重なることの弊害

ペンやふせん、トイレットペーパーといった日常的に使用する消耗品について、無計画な購入や紛失が重なると、年間で見れば大きな損失になるでしょう。

数や使用履歴をしっかり記録しておくことで、無駄な支出を抑えることができます。

こうした積み重ねが、組織全体のコスト削減や業務効率につながります。

消耗品の管理の不備がトラブルにつながる

医療機関や教育施設、製造業などでは、消耗品が切れてしまうことで安全性やサービス品質に影響が出る場合があります。

たとえば、衛生用品や安全用具の不足が業務ミスや事故につながるリスクもあるため、消耗品の適切な管理は、組織の信頼を得て、社会的責任を果たすことにつながるでしょう。

適切な管理体制の第一歩として、誰が見ても状況を把握できる管理表の存在が欠かせません。

消耗品管理表で管理する物品例

消耗品は業務の現場で幅広く使われ、種類も多岐にわたります。

消耗品管理表を効果的に活用するには、どのような物品を対象にするかを明確にしておくことが大切です。

一般的に消耗品管理表で扱うことが多い消耗品の代表的なカテゴリーを確認していきましょう。

事務用品

事務所やオフィスで日常的に使われる消耗品にはさまざまなものがあります。

円滑な事務作業を支えるため、物品を正確に管理することが大切です。

  • コピー用紙
  • ボールペン・シャープペンシル
  • 付箋紙(ふせん)
  • ホッチキスの針
  • 封筒・各種用紙
  • 印刷用インクカートリッジ
  • クリップ・輪ゴム
  • ノート・メモ帳

事務用品は使用頻度が高いため、在庫切れを防ぐためにも管理表で細かく状況を把握し、必要に応じて適切なタイミングで補充できるようにしましょう。

清掃用品

清掃業務に欠かせない消耗品は種類が多く、頻繁に消費するため、こまめな管理が求められるでしょう。

  • 雑巾・クロス類
  • モップ・ほうき・ちりとり
  • 洗剤・消臭剤
  • ゴミ袋・ビニール袋
  • 掃除用手袋
  • スポンジ・ブラシ

管理表を活用し、在庫の残量や使用頻度を可視化することで、必要なタイミングでの補充や無駄な発注を防止できます。

医療・衛生用品

医療機関や衛生管理が求められる現場では、期限や品質管理が特に重要です。

管理ミスは安全性に関わるため注意が必要です。

  • マスク
  • 使い捨て手袋
  • 消毒液・アルコールジェル
  • ガーゼ・包帯
  • 綿棒
  • 安全ピン・サージカルテープ
  • 滅菌製品

使用期限やロット番号などの情報を管理表に記録し、定期的に確認を行う体制を整えることが欠かせません。

工場・現場用資材

工場や建設現場で使用される消耗資材は種類が多く、重量もあるものが多いため、保管場所や使用履歴の管理が重要になります。

  • ボルト・ナット
  • 作業手袋
  • 安全ヘルメット
  • 養生シート・保護フィルム
  • 工具用消耗部品(ドリルビットなど)
  • テープ類(養生テープ、布テープなど)

適切な管理表で在庫状況を把握し、紛失や誤使用を防止することが、安全な作業環境の維持と効率アップにつながるでしょう。

消耗品の管理表の作り方

消耗品の管理表は、業務の効率化やコスト削減に直結する重要なツールです。

しかし、どのように消耗品管理表を作れば効果的に活用できるか悩むこともあるかもしれません

消耗品管理表の作成手順について確認していきましょう。

基本項目を洗い出す

管理表の土台となるのが、管理すべき項目の整理です。

何を記録し、把握したいのかを明確にすることで、使いやすい管理表を作る第一歩でしょう。

  • 品名や品番
  • 保管場所
  • 現在の在庫数
  • 発注点(補充が必要な最低数量)
  • 使用頻度や消費ペース
  • 発注履歴や納品日
  • 担当者名

項目をあらかじめ決めておくことで、必要な情報を漏れなく管理し、現場での混乱を防げます。

運用しながら必要に応じて項目を増やすと良いでしょう。

エクセルで管理表を作成する

エクセルは手軽に使えて自由度が高く、多くの企業で消耗品管理に活用されています。

作成の際は見やすいレイアウトを心がけ、入力しやすい表にすることがポイントです。

装飾を控え、シンプルなデザインを意識して、使うスタッフが迷わず入力や確認ができる内容にしましょう。

慣れていない場合はテンプレートを利用するのも良いでしょう。

在庫数を自動計算する関数を使う

在庫数の管理を手作業で行うとミスが生じやすいため、エクセルの関数を活用して自動計算できる仕組みを取り入れましょう。

主に使われる関数は以下のとおりです。

  • SUM関数:入庫数や出庫数の合計を計算し、在庫数を求めるのに使います
  • IF関数:条件によって表示を変えたり、特定の条件に合った値を返したりする際に活用します
  • VLOOKUP関数:別の表や範囲から品目の情報を参照し、自動でデータを引き出せます
  • COUNTIF関数:指定した条件に合うセルの数をカウントし、使用頻度や発注回数の管理に役立ちます

関数を使用することで、正確な在庫数の把握が可能になり、管理ミスの減少につながるでしょう。

条件付き書式やグラフで見える化する

数字だけの表は見づらく、情報が埋もれてしまうことがあるでしょう。

条件付き書式を使い、在庫が少なくなるとセルの色が変わるなどの工夫をすると、一目で注意が必要な品目がわかります。

また、消耗品の使用量や発注数をグラフで表示することで、傾向が視覚的に把握でき、管理がより効率的になるでしょう。

消耗品の管理表を効果的に運用する方法

消耗品の管理表を作成し、効果を発揮するためには、運用方法を工夫しましょう。

消耗品管理をスムーズに進め、現場の負担を減らしながら消耗品の管理表を効果的に運用する方法について確認していきましょう。

ルールの整備と社内共有

消耗品の管理を効果的に行うためには、まずルールを明確にすることが大切です。

誰がいつ、どのように管理表を更新するのか、責任範囲や手順をはっきりさせなければ、誤入力や情報の遅れが発生しやすくなるでしょう。

ルールは口頭だけでなく、書面やマニュアルにまとめて関係者全員に周知します。

さらに、定期的に社内で共有会や説明会を開き、ルールの理解度を高めることで管理の精度向上に役立てましょう。

定期的な棚卸しで精度を高める

実際の在庫と管理表のデータを合わせるために、定期的な棚卸しの作業が重要です。

たとえば月に一度、決まった日に担当者が実物をチェックし、不一致があればすぐに管理表を修正します。

また、棚卸しの結果は全員に共有し、次回の管理に活かすことでミスの再発を防ぎましょう。

棚卸しを習慣化すれば、常に正確な在庫状況が把握できるようになります。

担当者任せにしない管理体制の構築

在庫管理を一人に任せきる体制では、休暇や異動のたびに混乱が起きやすくなるでしょう。

担当者不在で状況がわからなくなると、発注の遅れやミスにつながる可能性があります。

誰でも確認・更新できる仕組みを整えることが大切です。

たとえば、管理表はクラウド上に保存し、複数人が編集できるようにします。

担当者が変わっても、必要な情報がすぐに引き継げる環境をつくることで、混乱の防止に役立つでしょう。

なお、在庫チェックや発注のルールは文書化し、共有することで一定の品質を保った管理が可能になるでしょう。

体制を整えることで、トラブルを減らし、安定した運用の実現に役立ちます。

消耗品の管理は管理表より在庫管理システムが良い理由

エクセルなどで作成した管理表は、消耗品の見える化に役立ちます。

しかし、業務の規模が拡大や拠点の増加などで、表計算ソフトだけでは限界を感じる場面も出てくるでしょう。

ミスや手間を減らしながら、より効率よく管理するためには、専用の在庫管理システムの導入が効果的です。

在庫管理システムは、消耗品や資材の入出庫、在庫数、発注状況などを自動で記録・更新し、必要な情報をスマートフォンやタブレットなどで見える化ができるクラウドサービスです。

消耗品管理表との違いをふまえながら、消耗品管理に在庫管理システムが適している理由を確認していきましょう。

リアルタイムで在庫状況を把握できるから

在庫管理システムでは、消耗品の出入りが反映されるたびにデータが更新されるため、いつでも最新の在庫状況を確認できます。

たとえば、作業担当者が資材を使用した時点で在庫が自動的に減少し、発注点を下回った場合はアラートで通知されるように設定が可能です。

わざわざ確認の時間を取らなくても、常に正しい在庫数が把握できるのは大きなメリットでしょう。

棚卸しや発注業務を自動化できるから

「棚卸しのたびに数を数え、紙に記録し、あとから入力する」といった作業は手間もミスも多くなる場合があるでしょう。

在庫管理システムでは、スマートフォンやバーコードリーダーを使って簡単に棚卸しを進めることができます。

在庫が一定数を下回ったタイミングでアラートの表示や、自動で発注リストを作成できる機能もあるため、発注忘れのリスクも軽減に役立つでしょう。

複数拠点の在庫を一元管理できるから

本社・支店・倉庫など、複数の拠点を抱える事業所では、在庫の分散管理が負担になることがあるかもしれません。

在庫管理システムを活用すれば、すべての拠点の在庫情報をひとつの画面に集約可能です。

離れた拠点の消耗品の動きもリアルタイムで把握でき、無駄な重複発注や在庫の偏りの防止につながるでしょう。

人為的ミスや入力漏れを防止できるから

手作業での記録やエクセル入力では、ヒューマンエラーが起こることも少なくありません。

数値の入力間違いや更新忘れが原因で、実際の在庫数と管理表が合わなくなるケースも生じるでしょう。

在庫管理システムでは、バーコードスキャンや自動計算によって入力作業を極力減らし、ミスの発生を防ぎます。

正確な記録が保たれることで、業務の信頼性の向上に役立ちそうです。

スマホやタブレットからも簡単に操作可能だから

外出先や倉庫内など、パソコンが使いにくい場面でも、スマホやタブレットで簡単に操作できるのが在庫管理システムの強みです。

たとえば、資材を取り出したその場で在庫を更新したり、発注をそのまま申請したりすることができます。

作業のたびに事務所へ戻って記録する必要がなくなり、現場での手間の削減にもつながるでしょう。

消耗品は管理表よりもzaico

消耗品の管理には、まずエクセルで消耗品管理表を作成する方法がよく使われているかもしれません。

自由度が高く、関数や条件付き書式を使えば、ある程度の見える化や計算も可能です。

慣れた操作環境の中で、手軽に管理を始められるという点は、エクセルの強みといえるでしょう。

ただし、業務の拡大や複数のスタッフで同時に管理したい場面では、エクセルの消耗品管理表だけでは限界を感じることもあるかもしれません。

消耗品管理表での管理より簡単で効果的なのが、「クラウド在庫管理システムzaico」の活用です。

zaicoは、QRコードを使った入出庫管理が可能で、スマホやタブレットでスキャンするだけで在庫情報の検索や更新が行えます。

zaicoは無料トライアルや導入前の相談も可能なので、消耗品管理表から脱却をお考えであればお気軽にzaicoにご相談ください。

※記事内に記載されたzaicoのサービス内容や料金は記事公開時点のものとなり、現行の内容とは異なる場合があります