在庫回転率の小売業での適正値は?小売の在庫回転率を適正にする方法

在庫回転率は、仕入れた商品がどれくらいのペースで販売されているかを示す、小売業にとって重要な経営指標です。

しかし「自社の在庫回転率が高いのか低いのか判断できない」「そもそも適正な水準がわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。

小売業での在庫回転率の計算などの前提知識から、業態別の在庫回転率の小売業の適正値の目安、小売業の在庫回転率を適正にする方法を解説します。

在庫回転率の適正化を小売業でするための前提知識

在庫回転率の適正化を小売業で進めるには、まず指標そのものの意味と計算の基準を押さえる必要があります。

まずは、在庫回転率の適正化を小売業で行うための前提知識を確認していきましょう。

在庫回転率とは

在庫回転率とは、一定期間のうちに在庫が何回入れ替わったかを示す指標です。

数字が大きいほど在庫が短いサイクルで売れて現金化され、次の仕入れに変わっていることを表し、小さいほど在庫が売場や倉庫に長くとどまっていることを意味します。

例えば年間の在庫回転率が高い店は、それだけ商品がよく動いて資金が滞りにくい状態にあるといえるでしょう。

回転の速さを日数で捉えたいときは、365を在庫回転率で割った在庫回転日数を使うと、在庫がおよそ何日で売れるかがつかめます。

このように、数字だけでは実感しにくい在庫の動きを、共通のものさしで比べられるようにするのが在庫回転率の役割です。

在庫回転率の計算方法

在庫回転率は、売上原価をその期間の平均在庫で割って求めるのが基本です。

平均在庫は、期首の在庫金額と期末の在庫金額を足して2で割ると簡単に算出できます。

例えば期首が30万円、期末が40万円なら平均在庫は35万円となり、年間の売上原価が105万円であれば在庫回転率は3回です。

季節による在庫の増減が大きい小売業では、期首と期末の2時点だけでなく、月ごとの在庫を平均するとぶれを抑えやすくなります。

在庫回転率の適正化を小売業でする目的

在庫回転率の適正化は、単なる数字合わせではありません。

小売業が在庫回転率を適正化する目的を解説します。

キャッシュフローを改善するため

在庫は販売されるまで現金化されない資産です。

過剰な在庫を抱えると、多くの資金が在庫として固定され、資金繰りに悪影響を及ぼします。

適正な在庫回転率を維持できれば、商品を効率よく販売しながら現金化までの期間を短縮することが可能です。

その結果、仕入れや設備投資、人材採用などへ資金を回しやすくなり、企業全体のキャッシュフロー改善につながります。

保管コストや廃棄ロスを抑えるため

在庫が増えるほど、倉庫の保管費用や管理コスト、人件費などの負担が大きくなります。

また、食品や化粧品など期限がある商品では、売れ残りによる廃棄ロスも発生しやすくなります。

アパレル商品でも流行やシーズンが過ぎることで値下げ販売や処分が必要になるケースは少なくありません。

適正な在庫回転率の維持によって、必要以上の在庫を抱えずに済み、保管コストや廃棄ロスの削減につながります。

欠品による販売機会の損失を防ぐため

在庫回転率は、高ければ高いほど良いというわけではありません。

回転を上げようと在庫を絞りすぎると、売れ筋商品が品切れを起こし、本来得られたはずの売上を逃してしまうこともあります。

欠品が続けば、来店した顧客が競合店に流れ、一度の機会損失が固定客の離脱につながる場合もあるでしょう。

仕入れを減らす方向だけでなく、欠品を防ぎながら適正な水準を保つという視点が大切です。

在庫回転率の適正水準の小売業の業態別目安

在庫回転率は、扱う商品の単価や消費期限、販売サイクルによって適正水準が異なるため、自社の業態に近い目安を参考にすることが重要です。

代表的な小売業態の適正な在庫回転率の目安を見ていきましょう。

食品スーパー・コンビニ・ドラッグストア

生鮮食品や日用品を扱う業態は、在庫回転率がもっとも高くなる傾向があります。

一般的な目安としては年15回以上とされることが多く、小売業のなかでも高い水準です。

消費期限が短い商品が多く毎日のように売れて補充されるため、生鮮食品の比率が高い食品スーパーでは、年20回を超えることも珍しくありません。

鮮度が売上に直結する業態では、回転率の高さを保ちつつ、いかに廃棄ロスを抑えるかが重要です。

コンビニやドラッグストアも、日用品や食品の回転が速く、頻繁な補充を前提とした在庫運用が求められます。

アパレル・雑貨・ホームセンター

アパレルや雑貨、ホームセンターは、食品ほど回転が速くない中程度の水準になりやすい業態です。

季節やトレンドの影響を強く受けるため、シーズンごとに売れ筋が入れ替わり、売れ残りが発生しやすい点が特徴です。

一般的に在庫回転率の目安としては年5〜8回程度とされますが、大量生産・大量販売を前提とするファストファッションでは、年10回以上でおよそ1か月で在庫が入れ替わるケースもあります。

シーズン終盤の値下げやセールを見越した在庫コントロールが、利益を左右する重要なポイントといえるでしょう。

家電量販・宝飾・家具

家電や宝飾品、家具のような高単価で購入頻度の低い商品を扱う業態は、在庫回転率が低めなのが特徴です。

家電や家具を扱う小売業の在庫回転率は一般的に年4〜7回程度とされ、宝飾のような単価の高い商材では年数回にとどまることもあります。

在庫回転率の数値だけを見ると低く見えますが、これは業態の特性であり、必ずしも非効率を意味するわけではありません。

高単価な業態では、回転率よりも1商品あたりの利益率や、在庫として抱える資金の大きさに注目した管理が求められます。

在庫回転率の適正化を小売業でする方法

自社の業態に適正な在庫回転率の水準がつかめたら、次はそこへ近づけるための具体的な方法を実践していきましょう。

在庫回転率の適正化を小売業でする方法を解説します。

ABC分析で在庫削減にメリハリをつける

在庫を減らすときに大切なのは、すべての商品を一律に削らず、メリハリをつけることです。

ABC分析は、商品を売上や粗利の大きい順にA・B・Cの3つのランクへ分け、重点を置くべき商品を見極める手法です。

回転率を押し下げているのは、ほとんど動かないCランクの死に筋商品であることが多く、ここを値下げや取り扱いの縮小で整理していきます。

売上の柱であるAランクの売れ筋はしっかり在庫を確保し、削るところと守るところを分けるのが適正化の近道といえるでしょう。

需要予測をもとに発注量を調整する

在庫回転率が下がる原因の多くは、実際の需要とずれた発注にあります。

過去の販売実績や季節による波、地域のイベントなどを踏まえて発注量を見直すと、余分な在庫を抱えにくくなります。

たとえば、週末に売上が集中する商品と平日に安定して売れる商品では、適した発注のタイミングや量も違ってくるでしょう。

回転の速い商品はこまめに少量ずつ、回転の遅い商品はまとめて発注するなど、商品の性質に応じて頻度を変えるのが効果的です。

適正在庫を設定して過剰仕入れを防ぐ

感覚に頼った仕入れを続けると、気づかないうちに在庫が過剰になり、回転率を押し下げてしまいます。

これを防ぐには、商品ごとに安全在庫と発注点をあらかじめ数値で決めておくことが有効です。

発注点とは、在庫がこの数を下回ったら発注するという目安のことで、欠品と過剰仕入れのどちらも避けやすくなります。

安全在庫を厚くしすぎると回転が鈍り、薄くしすぎると欠品が増えるため、両者のバランスを意識して設定します。

一度決めた基準も、売れ行きの変化に合わせて定期的に見直すことで、適正な在庫水準を保ちやすくなるでしょう。

在庫回転率の適正化を小売業でするならzaico

在庫回転率の適正化は、一度計算して終わりではなく、日々変わる在庫と売上を追い続けてはじめて成り立ちます。

しかし、業態ごとに異なる適正水準を意識しながら、手作業やエクセルで在庫数を更新し、回転率を計算し続けるのは大きな負担です。

小売業で在庫回転率の適正化に継続して取り組むなら、「クラウド在庫管理システムzaico」の活用をご検討ください。

スマートフォンでバーコードやQRコードを読み取るだけで入出庫を記録でき、複数のスタッフがリアルタイムで最新の在庫情報を共有できます。

蓄積した在庫データはCSVで出力できるため、在庫回転率やABC分析の集計にも活用しやすく、発注点を下回った商品を知らせるアラート機能も、過剰在庫と欠品の両方を防ぐ助けになります。

在庫回転率の適正化を小売業でしたいとお考えであれば、まずはお気軽にzaicoまでご相談ください。

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