在庫管理は資材にも必要?在庫管理で資材を扱う際の種類や流れと改善策

在庫管理は、販売するための商品だけでなく、製品をつくるための原材料や、作業現場で使う消耗品、出荷用の包装資材などの「資材」も対象です。

資材の在庫管理が不十分だと、欠品による生産停止やサービスの遅延、過剰在庫によるコスト増、保管スペースの圧迫などの問題が起こりやすくなります。

資材に対する在庫管理の必要性から、資材の種類、資材の在庫管理の流れ、現場で起こりがちな資材の在庫管理課題と効率化のポイントをわかりやすく解説します。

在庫管理は資材にもするもの?

結論からいえば、在庫管理は完成品や商品だけでなく、資材に対しても行うべきものです。

製造業であれば原材料や部品、建設業であれば施工に使う部材、飲食業であれば食材や調理に使う消耗品、小売業であれば包装資材やバックヤードの備品など、業種を問わず多くの企業が資材の在庫を抱えています。

資材は直接売上を生む商品ではないため、管理の優先度が下がりやすい存在です。

しかし、資材が不足すれば生産ラインが止まったり、サービスの提供そのものが滞ったりして、結果的に売上や信頼を失うことにつながります。

逆に、欠品を恐れて必要以上に発注すれば、資金が在庫として滞留し、保管スペースも圧迫されます。

とくに使用期限のある資材では、過剰在庫がそのまま廃棄ロスになりかねません。

資材は売上に直結しないからこそ管理がおろそかになりやすく、一方で欠品や過剰在庫の影響は事業全体に及びます。

だからこそ、商品や製品と同じように、資材も適切に在庫管理することが重要です。

在庫管理で扱う資材の主な種類

資材の在庫管理を効果的に行うためには、まず自社が扱う資材をきちんと分類して理解しておくことが欠かせません。

在庫管理の対象となる代表的な資材の種類を紹介します。

原材料

原材料は、製品の主要な部分を構成する材料です。

製造業における鉄やアルミなどの金属、樹脂やゴム、食品における砂糖や小麦粉などの食材が原材料にあたります。

原材料は製品そのものを形づくる根幹であり、欠品すると生産が直接ストップしてしまうため、優先度の高い在庫管理が求められます。

副資材・補助資材

副資材・補助資材は、製品の一部にはなるものの、主要な構成要素ではない材料のことです。

例えば、ねじやボルトなどの締結部品、接着剤、塗料、はんだ、潤滑油などが挙げられます。

これらは一つひとつの単価は低いものの、品目数が多くなりやすく、在庫管理の難しさが表れやすい資材です。

消耗品・備品

消耗品・備品は、作業を行ううえで使用するものの、製品そのものには組み込まれない資材です。

軍手や手袋、マスク、清掃用品、研磨材、刃物などの工具類、事務作業に使う文房具などが該当します。

消耗品は使い切ることが前提となるため、定期的に補充が必要です。

在庫管理が行き届いていないと、「使おうと思ったら在庫がなかった」という事態が起こり、作業効率の低下や現場の混乱を招きます。

包装資材

包装資材は、製品を保護し、出荷・配送するために使う資材です。

段ボール箱や緩衝材、ガムテープ、ストレッチフィルム、ラベルなどが代表的です。

EC事業者や物流に関わる企業にとっては、特に欠かせない資材といえるでしょう。

包装資材は消費スピードが速く、需要期には一気に在庫が減ることもあるため、繁忙期を見越した在庫管理が必要です。

資材の在庫管理の流れ

資材の在庫管理を適切に行うには、思いつきで発注したり、感覚で在庫を補充したりするのではなく、体系立てた流れに沿って進めることが大切です。

資材の在庫管理を効率的に行うための流れを見ていきましょう。

資材マスタを整備する

最初に行うのは、資材マスタの整備です。

資材マスタとは、自社が扱うすべての資材の品目コード、名称、規格やサイズ、管理単位、保管場所などの基本情報を一元的にまとめた情報のことです。

マスタが整っていないと、同じ資材を別名で重複登録してしまったり、担当者ごとに呼び方が違って在庫数が正しく把握できなかったりといった混乱が生じます。

ここを丁寧に整備しておくことが、その後の在庫管理の精度を大きく左右します。

ABC分析で重要度を分類する

資材マスタが整ったら、次に行いたいのがABC分析による重要度の分類です。

ABC分析とは、在庫を金額や使用頻度などの基準でA・B・Cの3ランクに分け、それぞれに適した管理方法を割り当てる手法です。

一般的に、金額や使用量の大きい資材をAランクとして重点的に管理し、影響の小さいCランクは簡易的な管理にとどめます。

すべての資材を同じ手間で管理しようとすると、現場の負担が大きくなるため、重要度に応じてメリハリをつけることで限られた人員と時間を効率的に配分できます。

発注点と安全在庫を設定する

続いて、各資材の発注点と安全在庫を設定しましょう。

発注点とは、在庫がこの数量まで減ったら発注をかけるという基準のことで、調達リードタイムと一定期間あたりの使用量をもとに算出します。

一方、安全在庫は、需要の急な増加や納品の遅れなどの変動に備えるための余裕分の在庫のことです。

過去の使用実績や納期のばらつきを踏まえ、自社にとって適切な水準を設定することで、属人的な勘に頼らない発注が可能になります。

入出庫履歴を記録する

最後に、日々の入庫・出庫を正確に記録します。

資材がいつ、どれだけ入ってきて、どれだけ使われたのかを記録することで、帳簿上の在庫を常に最新の状態に保つことが可能です。

入出庫履歴がきちんと残っていれば、現物を数えなくてもおおよその在庫数を把握でき、発注判断もスムーズになるでしょう。

また、過去の在庫データは需要予測の基礎にもなり、発注点や安全在庫の精度向上にも役立ちます。

資材の在庫管理でよくある課題

資材の在庫管理は理論通りに進めば問題ありませんが、実際の現場ではさまざまな壁にぶつかります。

資材の在庫管理で起こりがちな課題を見ていきましょう。

資材点数が増加し在庫管理が複雑化する

事業の拡大や取り扱う製品ラインナップが増加すると、必要となる資材の種類は増えていきます。

とくに副資材や消耗品は種類が多く、似たような規格の資材が複数存在するケースも珍しくありません。

エクセルや手書きの台帳で管理している場合、入力漏れや更新の遅れが発生しやすく、実際の在庫と記録がずれていきます。

その結果、在庫があるのに気づかず重複発注したり、必要な資材を探すのに時間がかかったりと、管理そのものが大きな負担になってしまいます。

発注判断が属人化し欠品や過剰在庫が発生する

「この資材はいつも担当者がタイミングを見て発注している」というように、発注判断が特定の個人の経験や勘に依存しているケースも少なくありません。

属人化が進むと、その担当者が休んだり退職したりしたとたんに発注が滞り、欠品を招きます。

また、判断基準が人によってバラバラだと、ある資材は過剰に、別の資材は不足するという偏りを生む原因です。

発注のノウハウが個人の頭の中だけにある状態は、安定した資材の在庫管理にとって大きなリスクとなります。

棚卸し負荷が大きい

帳簿上の在庫と実際の在庫を一致させるために行う棚卸しも、現場にとって大きな負担です。

資材の点数が多いほど数える対象は増え、保管場所が分散していればさらに手間がかかります。

棚卸しのために通常業務を止めたり、休日に人を集めて作業したりしている企業も少なくないでしょう。

日常的な在庫管理の精度が低いと、在庫の差異原因の調査にさらに時間を奪われるという悪循環に陥ることも珍しくありません。

資材の在庫管理を効率化するポイント

これらの課題を解決し、資材の在庫管理を効率化するには、管理の仕組みの改善が重要です。

資材の在庫管理を効率化するポイントを解説します。

業種・資材特性に合わせて管理粒度を変える

すべての資材を一律に細かく管理しようとすると、現場が疲弊してしまい長続きしません。

ABC分析の考え方を活かし、業種や資材の特性に応じて管理の粒度を変えることが効率化の第一歩です。

例えば、単価が高く欠品の影響が大きい原材料は数量まで正確に管理し、安価で大量に使う消耗品は「箱単位」「定期補充」などの簡易的な管理にとどめるのも良いでしょう。

重要度の高いものに手間をかけ、低いものは省力化するというメリハリをつけることで、限られたリソースを最大限に活かせます。

発注ルールを文書化し誰でも判断できる状態にする

特定の人しか発注できないという属人化を解消するためには、暗黙知となっている発注の判断基準を形式知化し、ルールとして明文化することが有効です。

発注点や安全在庫の数値を資材ごとに明確に定め、「在庫数がこの基準値を下回ったら、指定の仕入先に、決まったロット数で発注する」という手順をマニュアル化します。

ルールが文書化されていれば、担当者が不在の際でも迷わず発注業務を代行可能です。

また、個人の感覚による過不足を防ぎ、組織全体で安定した在庫水準を維持できるでしょう。

在庫管理システムを導入する

これまで述べてきた取り組みを、より効率的かつ確実に実現する手段が、在庫管理システムの導入です。

紙の台帳やエクセルによる管理には限界があり、点数が増えるほど入力ミスや更新漏れ、属人化のリスクが高まります。

在庫管理システムを使えば、資材マスタの一元管理から入出庫の記録、在庫数のリアルタイムな可視化、発注点アラートまでを1つの仕組みで完結できます。

資材の在庫管理を本格的に効率化したいなら、システムの活用は欠かせない選択肢といえるでしょう。

適切な在庫管理で資材を扱いたいならzaico

資材は、欠品すれば生産やサービスが止まり、過剰在庫はコストやスペースの圧迫を招きます。

資材の在庫管理では、業種や資材特性に合わせた仕組みづくりを進めることが大切です。

資材の在庫管理の見直しをお考えなら、「クラウド在庫管理システムzaico」をご検討ください。

zaicoは、スマートフォンやタブレットでQRコードやバーコードを読み取るだけで入出庫を記録でき、在庫数をリアルタイムで一元管理できます。

発注点の設定によって在庫が一定数を下回った際に通知を受け取れるため、欠品や過剰在庫の防止にも有効です。

資材の在庫管理に課題を感じている方は、お気軽にzaicoまでご相談ください。

※記事内に記載されたzaicoのサービス内容や料金は記事公開時点のものとなり、現行の内容とは異なる場合があります