サプライチェーンとは?SCMや基礎知識、SCMのメリットなども解説


「あ、これ欲しい!」と思って注文した品物は早く手にしたいものです。そんなユーザーの思いに応えるべく、品物の提供サイド(サプライヤー)は、企業努力を重ね、注文品を早く届ける仕組みを作っています。この「お客の欲しいものを早く届ける仕組み」として代表的なものが「サプライチェーン」です。「サプライ」はアルファベットで書くとSupplyで「供給(する)」という意味、「チェーン」はChainで「鎖」という意味です。ではサプライチェーンとは一体どういうものなのでしょう? これから詳しく見ていきたいと思います。

 

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サプライチェーンとは?

「サプライチェーン」は直訳すると「供給連鎖」となります。
サプライチェーンについてより具体的に説明すると、商品を供給する関連業者(サプライヤー)が一連のネットワークを構築して、商品を届けていく仕組みのことを示します。すなわち、エンドユーザーからの注文を受けたサプライヤーが、原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、商品陳列などを連結させてお客の手元に商品を届けていく仕組み、これがサプライチェーンです。さらに言うならば、原材料や部品の調達、生産、物流、販売といった供給工程やそれらに関わるサプライヤーたちの一つひとつを鎖の輪とみなし、これらをつなげて一つの大きな鎖として捉えていく概念のことをサプライチェーンと言うのです。
流通の改善を図っていく際、供給までの一連の流れを一つのまとまりとして捉えるこのサプライチェーンの概念はとても重要になるのでぜひ覚えておいてください。

サプライチェーンマネジメント(SCM)とは?

サプライチェーンは供給までの諸工程や関連する各サプライヤーを一つの鎖の輪とみなし、これらをつなげて一つの大きな鎖として捉えていく概念であることはすでに示したとおりですが、これらの「サプライチェーンの最適化を目指す管理方法」、これは「サプライチェーンマネジメント(Supply Chain Management:SCM)」と呼ばれます。
SCMの実行に際しては、供給工程に関わる各サプライヤー(メーカー、物流業者、卸売業者、小売業者)同士の情報共有や業務連携を図り、供給までのプロセスを改善することで、迅速化、効率化を促していきます。SCMの最大の目的は、エンドユーザーにより早急に商品を届け、顧客満足度をより高めていくことにあります。

サプライチェーンマネジメント(SCM)が注目される背景

サプライチェーンマネジメント(SCM)は1990年代後半に米国で提唱され始めた経営手法です。DELLやウォルマートなどSCMを適用して業績の劇的な改善につなげることに成功した米国企業が出てきたことから見習うべきビジネスモデルの一つとして注目されるようになり、現在はその傾向はますます強まっています。

企業のグローバル化

SCMが近年注目されるようになった背景の一つに、市場のグローバル化に伴う企業のグローバル化が挙げられます。
市場のグローバル化が進むことで、世界を相手に市場競争を繰り広げる企業は、世界規模で生産、物流、販売のネットワークを構築していくことが求められます。そうなると遠隔でのマネジメントが必要となります。これには大局的、俯瞰的な立場を取りながら指導・介入するSCMという経営手法が非常にマッチするのです。

ビジネスモデルの変化

アマゾン、Yahoo、楽天などを介したインターネット通販が普及したことも、企業活動においてSCMが身近になった要因として挙げられます。商品をインターネット通販網に載せることで、世界のどこからでもエンドユーザーからの注文を受け、決済(売買取引)ができ、商品が送れるようになりました。商品に関連する情報、お金、モノの流れが世界規模で広がっていけば、遠隔地にある荷受業者や販売代理店などのサプライヤーと連携する必要性も当然高まっていくことになります。そうなるとSCMの導入は必然の流れになります。

労働力の減少、担い手不足

現在の物流現場は、少子高齢化に伴う労働人口の減少などにより、慢性的な担い手不足の状況にあります。国土交通省の調査によると、運輸業・郵便業に関わる事業所の約70%でドライバーが不足していると回答しており、構造的な人材難に見舞われています。インターネット通販などの電子商取引市場が拡大するにつれてこの傾向はさらに強まっていくことが予想できます。
こうしたことから、物流業務に深く関連する企業・団体ほど、より効率的な物流のあり方が求められ、流通網全体での改善を図るアプローチを取るSCMの考え方を導入していく必然性が生じてきます。

(参考:国土交通省「最近の物流政策について」)
https://www.mlit.go.jp/common/001388194.pdf

サプライチェーンマネジメント(SCM)のメリット

サプライチェーンマネジメント(SCM)では、生産管理部門、物流管理部門、販売管理部門の各部門内の最適化を図るとともに全体での最適化を図っていきます。では実際にSCMを行っていくことで、どのようなメリットが出てくるのでしょうか?

ここでSCMの適用効果について少し見ていきたいと思います。

リードタイムの短縮

SCMの具体的な方法としては、「原材料や部品の標準化」、「作成書類の合理化・簡素化」、「関係者間での発注見通しや各工程の進捗状況等の共有化」、「不良品など出戻り商品を減らすための品質管理の徹底」などが挙げられます。これらを実行することによる効果として、リードタイム(受注から納品までの期間)を短縮することが挙げられます。
リードタイムが短縮できれば、仕入れの効率がよくなり、在庫を現金化する期間も短縮されるのでキャッシュフローが必然的によくなっていきます。エンドユーザーの満足度も高くなり、「商品をすぐに届けてくれる会社」という好ましい印象が口コミで広がり、自社の製品やサービスの競争力も自然に高まっていきます。

(参考)
リードタイムとは?→関連記事へ

在庫の最適化

SCMを適用して物流管理部門(=在庫管理サイド)と製造部門、販売部門との間で情報共有化が進めば、より適切な在庫管理が行えます。
たとえば製造部門や販売部門から原材料の仕入れ期日や製造予定の分量、販売期間などのリアルタイム情報が入手できれば、在庫の適正値を算出しやすくなりますし、常時、適正値に近い状態で在庫数が推移するといった安定した管理が行えるようになります。また販売店舗に向けて最適なタイミングでの配送も行いやすくなります。需要予測を行う際に有効となる貴重な情報を提供することもできるでしょう。
このようにSCMにより在庫管理サイドが部門を横断して供給工程に関与・介入できれば、在庫の最適化がよりいっそう進むことが十分に期待できます。

一元管理による効率化

繰り返しますがSCMは原材料や部品の調達、生産、物流、販売といった供給工程やそれらに関わるサプライヤーたちの職種横断的な連携(=サプライチェーン)を推し進めながら全体の最適化を図っていく経営手法です。それはすなわち、サプライチェーンを構成する各グループ(物流管理グループ、製造グループ、販売グループなど)において散在している情報やネットワークを集約化させ、一元管理を推し進めることを意味します。
一元管理により情報の集約化が進めば、グループのチームワーク状況、強みと弱み、グループのキーパーソンが誰であるか、チェーンの中で補強・改変すべきポイントはどこかなどの課題が浮き彫りになり、経営改善のヒントや方策がより明確に見えてきます。

サプライチェーンマネジメント(SCM)にデメリットはある?

いざサプライチェーンマネジメント(SCM)を行うとなると、ホストコンピュータやクラウドシステムなどにインストールした専用アプリを介して遠隔地とのやり取りを行う必要が出てきます。
この場合、それぞれのサプライヤーの業務内容にマッチしたシステムを設計する必要があり、関係するサプライヤーの数が多いほど費用もかかることになります。また、研修・トレーニングにかかる費用や時間もサプライヤーの数だけかかることになります。
また、いざシステムが出来上がっても、各サプライヤーがSCMを行う意義や自身が求められる関わり方や役割についてしっかり認識していないと、データの収集にも不備が出てきますし、有効活用されない状態となり、せっかくシステムを導入したものの無用の長物と化してしまう恐れもあります。
SCMを関係者間に定着させ、システムの有効活用を進めるためにはコストも時間もかかるため、「これをしっかりビジネスに活用して業績を上げていくぞ」といった強い意識を関係者全員が持つ必要があるということを理解しておく必要があるでしょう。

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