工具備品の適切な在庫管理は、現場の業務効率と品質維持に欠かせません。
工具備品とは何かから、工具備品の具体例、効果的な工具備品の管理方法を詳しく解説します。
工具備品とは
工具備品とは、製造業や建設業などにおいて、製品の加工・組立・検査・修理などの作業に使用される道具や器具のことです。
工具備品はものづくりを行う企業の生産活動に不可欠な物品であり、適切な管理が求められます。
工具備品は、会計の仕訳上では価格や耐用年数によって消耗品、または固定資産(工具器具備品)に分類されます。
10万円未満で耐用年数が1年未満のものは消耗品として扱われ、それ以上のものは固定資産として計上されることが一般的です。
工具備品とは:工具備品の具体例
工具備品は、その用途によってさまざまな種類があります。
代表的な工具備品の具体例を紹介します。
加工工具・切削工具
加工工具・切削工具は、材料を削ったり穴を開けたりする際に使用される工具です。
代表的な加工工具・切削工具に、以下のようなものがあります。
- ドリル
- エンドミル
- バイト
- カッター
加工工具・切削工具は摩耗や破損しやすいため、定期的な交換が必要です。
取付工具
取付工具は、部品の組み立てや分解作業に使用される工具です。
代表的な取付工具に、以下のようなものがあります。
- レンチ・スパナ
- ドライバー
- ペンチ・ニッパー
- ハンマー
取付工具は、比較的長期間使用されます。
測定・検査工具
測定・検査工具は、製品の寸法や品質を確認するための工具です。
代表的な測定・検査工具に、以下のようなものがあります。
- ノギス
- マイクロメーター
- ダイヤルゲージ
- スケール(定規)
精密機器であるため、取り扱いには細心の注意を払い、適切な環境で保管する必要があります。
その他
その他の工具備品に金型や治具(じぐ)などがあります。
金型は、プラスチックや金属などを加工して、同じ形状の製品を大量生産するために使用される型のことです。
金型は一般的に高価であり、製造に時間を要するため、厳重な管理と予防保全が求められます。
治具(じぐ)は、製品の加工や組み立てにおいて、位置決めや固定を行うための補助的な工具です。
専用設計されることが多いため、適切な保管と管理が求められます。
工具備品とは:工具備品の在庫管理の方法
工具備品は作業者に貸し出して利用されるため、貸出や返却、在庫状況の管理が不可欠です。
工具備品の代表的な在庫管理方法を紹介します。
紙の台帳による管理
紙の台帳による管理は、最も基本的な在庫管理方法です。
工具備品の入出庫や貸出・返却、在庫数を手書きで記録し、ファイルやバインダーで保管します。
初期投資が不要で簡単に始められるメリットがある一方、記録漏れや転記ミスが発生しやすく、リアルタイムでの在庫状況把握が困難です。
小規模な事業所や工具備品数が少ない場合に適しています。
エクセルによる管理
表計算ソフトのエクセルを使った工具備品管理は、多くの企業で利用されている管理方法です。
紙の台帳では手間がかかっていた、関数機能を活用した自動計算やグラフ化による可視化、検索・並び替え機能による情報整理が可能になります。
一方で、複数人での同時編集やリアルタイム更新が難しく、入力ミスやファイル破損による情報喪失のリスクがある点には注意が必要です。
中小規模の工具備品管理には有効ですが、規模が大きくなると限界が見えてきます。
在庫管理システムによる管理
在庫管理システムは、工具備品を含むさまざまな物品の在庫管理に特化した専用ソフトウェアです。
バーコードやQRコードによる入出庫管理、リアルタイムでの在庫状況把握、自動発注機能など、幅広い在庫管理機能を利用できます。
以前は導入に高額な初期費用がかかっていましたが、近年はクラウド型が普及し、初期費用を抑えて導入が可能です。
工具備品数が多い企業や、厳密な管理が要求される企業に適しています。
工具備品とは:工具備品の在庫管理でよくある課題
工具備品の在庫管理では、多くの企業や現場に共通したいくつかの課題があります。
工具備品の在庫管理でよくある課題を解説します。
工具備品の紛失や所在不明
工具備品の紛失や所在不明は、製造現場で頻繁に発生する問題の1つです。
作業者が個人的に工具を保管したり、作業終了後に元の場所に戻さなかったりすることで発生します。
特に小さな工具や頻繁に使用される工具で起こりやすく、必要なときに見つからないことで作業効率が低下する原因です。
また、紛失した工具の代替品購入により、不要なコストの発生にもつながります。
工具備品の欠品や過剰在庫
適切な管理ができていないと、いざ使おうと思ったときに工具がない欠品や、逆に必要以上にストックされている過剰在庫の問題が発生します。
欠品は作業の遅延や停止を引き起こし、生産性の低下の原因です。
一方、工具備品の過剰な在庫は保管スペースの圧迫や資金の無駄遣いにつながります。
種類や用途によって使用頻度が異なるため、適切な在庫数の維持が必要です。
工具備品のメンテナンス不備
工具備品の性能維持と安全確保のためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
適切な時期にメンテナンスを行うためには、メンテナンスの履歴や予定を管理する必要があります。
しかし、多くの現場では、日々の業務に追われてメンテナンスのタイミングを逃しがちです。
特に測定器具の校正や切削工具の研磨、金型の清掃・注油などを怠ると、製品品質の低下や工具寿命の短縮を招きます。
工具備品の管理に在庫管理システムが良い理由
工具備品の課題に効果的に対処するためには、紹介した管理方法の中でも、在庫管理システムの活用が有効です。
工具備品の管理に在庫管理システムが良い理由を解説します。
入出庫・貸出管理がスムーズになる
バーコードやQRコードに対応した在庫管理システムを導入すれば、スキャンするだけで、工具の入出庫や貸し出しの記録が可能です。
誰が、いつ、何を、どれだけ持ち出したのかが自動的に記録されるため、紙台帳やエクセルのような記録ミスがなくなります。
また、返却時には再度コードを読み取るだけで、返却されたことがシステムに反映されます。
これにより、工具の所在不明や紛失リスクの削減が可能です。
発注やメンテナンスのタイミングを通知できる
在庫管理システムの自動通知機能により、発注点を下回った消耗品の補充タイミングや、メンテナンス時期の到来を事前にアラートできます。
これにより、工具の欠品による作業停止やメンテナンス漏れによる品質問題を未然に防ぐことが可能です。
こうした管理業務の自動化により、管理担当者の負荷軽減とともに、生産活動への影響やメンテナンス漏れの防止が実現します。
データ分析による最適な工具備品在庫の実現
在庫管理システムには、入出庫や貸出履歴、メンテナンス履歴などさまざまなデータが蓄積されます。
蓄積したデータを分析することで、工具備品ごとの使用パターンや消耗サイクルを正確に把握できるようになります。
従来の経験や勘に頼った管理から脱却し、データに基づいたより精度の高い工具備品の在庫管理が可能となり、欠品や過剰在庫、メンテナンス不備の削減につながります。
工具備品の在庫管理にzaico
工具備品は、製造や建設の現場に欠かせない物品です。
工具備品には加工工具・切削工具や取付工具、測定・検査工具など多くの種類があります。
紛失や欠品、メンテナンス不備などの課題を解決するためには、従来の紙やエクセルによる管理から脱却し、在庫管理システムの導入が有効です。
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