原材料管理システムとは?原材料管理システムの選び方と運用の注意点

原材料の在庫管理をシステムを利用せず、エクセルや紙の台帳で続けている方は多いのではないでしょうか。

ロット追跡や期限管理を手作業でこなしていると、転記ミスや棚卸の負担が膨らみます。

そこで頼りになるのが原材料管理システムです。

原材料管理システムの機能や導入メリット、原材料管理システムの選び方のポイントを解説します。

原材料管理システムとは

原材料管理システムとは、製造業で使用する原材料や部品、仕掛品などの在庫情報を一元管理するシステムです。

完成品中心の在庫管理と比べて、原材料管理システムでは、数量だけでなくロット番号、仕入先、期限情報など、製造現場で必要となる情報までまとめて管理できます。

また、入荷時の検収、保管中の在庫確認、製造工程への払い出しまでを記録できるため、原材料の先入れ先出しや誤使用防止、トレーサビリティの強化にもつながります。

製品品質を安定して保つには、「何がいくつあるか」だけでなく、「いつ入荷し、どの仕入先から、どのロットを、どの工程で使ったか」を追跡できることが重要です。

原材料管理システムが活躍する業種・業態

原材料管理システムは、ロットや期限など細かい情報管理が求められる業種ほど効果を発揮します。

原材料管理システムの活用が進んでいる代表的な業種・業態を見ていきましょう。

食品製造業

食品製造業は、原材料管理システムの導入ニーズが特に高い業種のひとつです。

小麦粉や油、調味料、添加物などの原材料は、ロットや期限情報を適切に管理する必要があり、製造時には入荷ロットと製造ロットを紐づけて記録できる体制が欠かせません。

また、衛生管理やトレーサビリティへの対応を進めるうえでも、紙台帳ではなくシステムで記録を残せる環境が役立ちます。

化学・素材メーカー

化学メーカーや素材メーカーでは、薬品、樹脂、添加剤などをロット単位で管理し、あわせて使用期限や保管条件も把握する必要があります。

配合や調合の精度は最終製品の品質や安全性に影響するため、原材料の取り違えや誤投入を防ぐ仕組みが不可欠です。

原材料管理システムを活用すれば、条件に合った原材料を選定しやすくなり、記録の保存や履歴確認の効率化にもつながります。

金属加工業

金属加工業では、鋼材やアルミ、樹脂など材質ごとに規格・寸法の種類が多く、種類が膨大になりがちです。

ミルシート(鋼材検査証明書)と現物を照合する作業も多く、紙ベースの管理では確認や検索に多くの時間を取られてしまいます。

原材料管理システムで在庫情報や関連データをまとめて管理できれば、必要な材料や履歴を探しやすくなり、監査や顧客対応の負担軽減にもつながります。

医薬品・化粧品業界

医薬品や化粧品の製造では、原材料のロット管理や使用履歴の記録が特に重要です。

こうした業種では、品質管理や監査対応のために、原材料の入荷から使用までの流れを追えるようにしておく必要があります。

原材料管理システムを使えば、必要な記録をデータとして残すことができ、回収時や不具合発生時にも影響範囲を確認しやすくなります。

原材料管理システムの主な機能

原材料管理システムの特徴は、原材料を数量だけでなく、ロット・期限・履歴などの情報も含めて管理できる点です。

原材料管理システムの主な機能を見ていきましょう。

ロット管理

ロット管理とは、同じ条件で製造または仕入された原材料を1つの単位として識別する仕組みです。

ロット番号、製造日、仕入先、数量などを記録することで、同じ品目でもロットごとに区別して管理できます。

製造実績や使用履歴とあわせて管理すれば、どの製品にどのロットの原材料が使われたかを後から辿ることが可能です。

期限管理

期限管理は、賞味期限や使用期限などがある原材料を適切に管理するための機能です。

期限が近いロットを一覧で抽出したり、設定した日数前にアラートを出したりできるため、廃棄ロスの抑制に役立ちます。

また、先入れ先出し(FIFO)に沿った出庫判断をしやすくなる点も、期限管理の重要な役割です。

トレーサビリティ管理

トレーサビリティ管理とは、「いつ、どこから、どのロットを受け入れたか」「原材料をどの製造に使用したか」を追跡できるようにする仕組みです。

履歴を残しておくことで、製品に不具合が見つかった場合でも、原因となる原材料ロットや影響範囲を確認しやすくなります。

トレーサビリティ管理は、品質管理や回収対応の精度とスピードを高めるうえで重要な機能です。

原材料管理システムを導入するメリット

原材料管理システムを導入すると、どのような効果が期待できるのでしょうか。

原材料管理システムの導入で得られる主なメリットを見ていきましょう。

欠品や過剰在庫を防げる

原材料管理システムにより在庫状況を正確に把握することで、原材料切れによる生産停止を防ぎやすくなります。

また、過剰発注による保管コスト増や、期限切れによる廃棄ロスの抑制にも有効です。

発注点や補充の基準を設定しておけば、担当者の勘に頼っていた発注判断の標準化にもつながります。

必要な量を見極めて仕入れられるようになると、在庫の持ちすぎを防ぎ、資金効率の改善が期待できるでしょう。

棚卸や在庫照合の負担を減らせる

月末や期末に行う棚卸は、現場にとって負担の大きい業務の1つです。

原材料管理システムを導入し、原材料に貼付したバーコードやQRコードを読み取る運用に切り替えることで、目視によるカウント間違いや、紙の台帳からPCへの転記ミス・入力漏れを防げます。

これにより、数日かかっていた棚卸業務が数時間で終わるなど、担当者の負担軽減と人件費の削減が見込めるでしょう。

品質問題が起きたときに影響範囲をすぐ特定できる

市場に出回った自社製品に異物混入や品質不良が見つかった場合、対象ロットをどれだけ早く特定できるかが重要です。

このとき、原材料管理システムでトレーサビリティ管理ができていれば、「不良の原因となった原材料ロット」と「その原材料を使用して製造された全製品の出荷先」を素早く特定できます。

ピンポイントでの迅速な製品回収が可能になるため、被害の拡大を最小限に食い止めることが可能です。

原材料管理システムを選ぶときのポイント

世の中には、さまざまベンダーから多くの原材料管理システムが提供されています。

その中から、自社に適した原材料管理システムを選ぶためのポイントを解説します。

自社の原材料管理の業務フローと合うか

原材料が到着してから、検査、保管、製造現場への払い出しまでのプロセスは、企業や現場によって異なります。

検討中のシステムが、例えば「受入検査工程を必ず挟む」「複数の倉庫間での移動が多い」「外部の協力工場への支給品がある」といった自社の業務フローを実現できるかを確認しましょう。

システムに合わせて業務を変えるべき部分と、どうしても譲れない自社独自のフローを事前に洗い出しておくことが重要です。

ロット・期限管理に必要な項目が網羅されているか

業種によって管理すべき原材料の属性は異なります。

「仕入先のロット番号」「自社で付番する管理ロット番号」「製造年月日」「有効期限」「保管温度帯」「産地」など、自社が品質管理を行う上で必要な項目が用意されているかを確認しましょう。

柔軟に項目を追加できるカスタム項目の設定機能が充実しているシステムを選ぶと、将来的な管理項目の増減にも対応しやすくなります。

スマートフォンやハンディ端末で現場入力できるか

入出庫の際に現場で簡単に記録できるかどうかは、システムが定着するかを左右する重要なポイントです。

事務所のパソコンでまとめて入力する運用だと、記録のタイムラグや漏れ、ミスが起こりやすくなります。

スマートフォンやハンディ端末でバーコードを読み取れる仕組みがあれば、素早く正確に記録を残せます。

現場の通信状況に不安がある場合は、導入前のトライアルで操作性や接続状況まで確認しておくと良いでしょう。

原材料管理システムを導入したあとの運用の注意点

苦労してシステムを導入しても、運用方法を間違えると使われないシステムになりかねません。

原材料管理システムの導入後に失敗しないための注意点を解説します。

現場担当者が無理なく入力できる仕組みをつくる

現場の作業員にとって、システムへの入力作業は、本来の製造業務にプラスアルファの負担と捉えられがちです。

手入力を極力減らし、カメラやスキャナによるバーコード読み取りをメインにするなど、「いかに現場の負担を減らすか」を考えた運用ルールを設計しましょう。

管理部門が欲しいデータをすべて入力させようと欲張ると、現場の反発を招き、入力が形骸化してしまいます。

必要最小限の項目からスタートすることが定着のコツです。

マスタ情報(仕入先・規格・BOM)を整備する

システムは「正しいデータ」が入っていることを前提に動きます。

マスタ情報に誤りがあると、原材料管理システムの導入で期待した効果が得られません。

システム稼働前に、品目マスタや仕入先マスタ、BOM(部品表・構成表)などのデータを正確に整備することが成功の鍵です。

エクセルや旧システムからデータを移行する場合には、コード・数値のフォーマットやデータ重複などに注意しましょう。

既存業務と段階的に置き換える

すべての品目や工程で一斉に新システムを導入すると、現場の負荷が一気に上がり、定着前に挫折しがちです。

まずは「特定の原材料カテゴリだけ」「1つの倉庫や生産ラインだけ」といったように、スモールスタートで段階的に導入しましょう。

そこで出た現場の課題やシステムの不具合を修正した上で、対象範囲を広げていくと、スムーズな業務移行が可能です。

原材料管理にシステムを使うならzaico

原材料管理では、在庫数の把握だけでなく、ロットや期限、入出庫履歴まで含めた管理が重要です。

品質と生産性の両立を目指すなら、現場で無理なく使える仕組みを整えることが欠かせません。

原材料管理のシステム化をお考えなら、「クラウド在庫管理システムzaico」をご検討ください。

zaicoは、原材料管理専用のシステムではありませんが、ロットや期限の管理に対応しており、原材料管理にも最適です。

スマートフォンやタブレットでバーコード・QRコードを読み取りにも対応しているので、現場で簡単に入出庫記録でき、作業員の負担も軽減できます。

原材料管理にシステムのご利用を検討であれば、まずはお気軽にzaicoまでご相談ください。

※記事内に記載されたzaicoのサービス内容や料金は記事公開時点のものとなり、現行の内容とは異なる場合があります