在庫管理はさまざまな場面で必要になる業務ですが、その管理は煩雑になりがちです。
在庫管理の正確性や効率の向上のために、QRコードを使った在庫管理の導入も増えてきています。
QRコードを利用した在庫管理は比較的導入が簡単で、大きなコストもかかりません。
また、QRコードを使った在庫管理をエクセルで行いたいとかんがえるばあいもあるかもしれません。
QRコードを使った在庫管理をエクセルでするメリットや注意点、QRコードを利用した在庫管理をエクセルよりも効率よくする方法を確認していきましょう。
QRコードを使った在庫管理はエクセルで可能?
QRコードを用いた在庫管理にはいくつかの方法があります。
コストを抑えて導入できる手軽なものから、専用のシステムを活用するものまで、QRコードを使った在庫管理の方法はさまざまです。
パソコンに標準搭載されていることも多いエクセルを在庫管理に利用するケースは少なくありません。
しかし、エクセルはあくまで表計算ツールであり、在庫管理に必要な機能が網羅されているわけではありません。
在庫数が多かったり複数拠点で在庫管理をしているような場合は、機能が不十分であったりミスやトラブルが起きやすかったりもします。
QRコードを使った在庫管理をエクセルでするのは可能ですが、小規模な在庫管理向けであると認識しておくとよいでしょう。
QRコードを使った在庫管理をエクセルでするメリット
QRコードを利用した在庫管理はエクセルでも可能ですが、敢えてQRコードを利用した在庫管理をエクセルでするメリットはあるのでしょうか。
QRコードを使った在庫管理をエクセルでするメリットについて確認していきましょう。
在庫管理表のカスタマイズができる
エクセルは非常に柔軟で、企業ごとに異なる在庫管理のニーズに応じてカスタマイズできます。
たとえば、特定の業務フローや商品カテゴリに合わせて、シートや数式、マクロを自由に設定できるため、専用ツールでは難しい細かな調整が可能です。
さらに、エクセルの関数やピボットテーブルなどを活用すれば、在庫データを多角的に分析し、必要な情報を簡単に抽出できます。
企業の特性や商品特性に合わせた独自の管理手法を容易に取り入れることができるため、季節ごとに在庫が変動する商品などの管理も柔軟に対応可能です。
コストが削減できる
QRコードを使った在庫管理には専用の在庫管理ツールを使うことが多くありますが、利用のためには初期導入費用や月額費用がかかることが一般的です。
一方、エクセルが標準搭載されているパソコンを利用しているのであれば、新たなソフトウェア購入や多額のライセンス費用が不要です。
QRコードを使用する場合も、無料のQRコード生成ツールやエクセルのアドイン機能を活用すれば費用はかかりません。
QRコードもエクセルも低コストで利用できることから、在庫管理にかかる費用負担は少なくて済みます。
エクセル操作ができれば使える
エクセルは、ビジネスの現場で広く使われており、多くの従業員が基本的な操作に慣れています。
直感的な操作が可能であるため、従業員が自発的に管理表を改善したり、簡単な分析を行うことも比較的容易です。
仮に操作が分からない従業員がいても、従業員同士で教えあうことができるため、特別なレクチャーは必要ないでしょう。
新しいソフトウェアを導入する際に必要なトレーニングやサポートを最小限に抑えることができるため、手間やコストも抑えることができるでしょう。
導入・運用が迅速にできる
QRコードを使った在庫管理を専用の在庫管理ツールでしようとする場合、導入プロセスに時間がかかることがあります。
在庫管理ツールを提供する企業との契約や、さまざまな専用機器の準備に、数日から数週間程度の時間がかかることも少なくありません。
エクセルはすでに社内のパソコンにインストールされていれば、導入が非常に容易です。
特に、すでに在庫管理にエクセルを使っている場合は、QRコードの準備と基本的な管理表を作成するだけで、すぐに在庫管理の精度と効率を向上させることができます。
既存システムとの連携がしやすい
エクセルは、多くの企業で既存の業務システムやデータベースと連携して利用されています。
在庫データを社内のシステムと連携しているという企業も多いでしょう。
たとえば、在庫状況と売上管理や発注システムのデータ連携が必要な場合、エクセルのインポート・エクスポート機能を使って共有するなどは、一般的な方法でもあります。
QRコードを使った在庫管理をエクセルですれば、他の業務プロセスとも一貫性を保ちながら運用できるため、既存システムをそのまま利用できるというメリットがあります。
QRコードを使った在庫管理をエクセルでする方法
QRコードを使った在庫管理をエクセルでするためには、業務内容に合わせた設定が必要です。
QRコードを使った在庫管理をエクセルでする方法を確認していきましょう。
QRコードをスキャンするための準備をする
まずは、QRコードリーダー(バーコードスキャナー)を用意します。
これらのスキャナーは、USB経由でPCに接続することが一般的ですが、スマートフォンのアプリケーションで読み取りを行い、データをPCに転送する方法もあります。
どのようなツールを利用するかは、業務の特性やコストに合わせて選択しましょう。
QRコードリーダーをPCに接続すると、スキャンした情報が自動的にエクセルやその他のテキスト入力ソフトウェアに入力されます。
これにより、QRコードの情報を迅速かつ正確にエクセルに反映させることができます。
在庫管理表を作成する
QRコードリーダーの準備が整ったら、次にエクセルで在庫管理表を作成します。
基本的な在庫管理表の例として、以下のような列を設けます。
- 商品コード:各商品の固有コード
- 商品名:商品の名称
- 在庫数:現在の在庫量
- 仕入れ日:商品が入庫された日付
- QRコード:商品に対応するQRコード情報
QRコード列にはスキャンした情報が反映されますので、この時点では空欄で構いません。
QRコード管理表を作成する
QRコードの管理表を作成します。
この管理表では、各商品の詳細情報と、それに対応するQRコードを一元管理します。
管理表を作成することで、スキャンされたQRコードに基づいてエクセルの在庫管理表に商品情報を自動的に反映させることが可能です。
管理表の例として、エクセル表の列には以下のような項目を設けます。
- 商品コード:各商品の固有コード
- 商品名:商品の名称
- QRコード:商品に対応するQRコード情報
このQRコード管理表を先に作成した在庫管理表とリンクさせるためには、エクセルのVLOOKUP関数やINDEX/MATCH関数を使用します。
これにより、スキャンされたQRコードに基づいて、対応する商品コードや商品名が在庫管理表に自動的に入力されます。
たとえば、スキャンされたQRコードが管理表のどの行にあるかを特定し、その行の「商品コード」や「商品名」を取得して在庫管理表に表示するように設定するなどです。
具体的には、在庫管理表の「商品コード」や「商品名」のセルに、以下のような関数を入力します。
【=VLOOKUP(QRコードセル, QRコード管理表範囲, 列番号, FALSE)】
または、
【=INDEX(商品名列, MATCH(QRコードセル, QRコード列, 0))】
こうすることで、QRコードをスキャンするだけで在庫管理表に正確な商品情報が自動的に反映され、在庫管理の効率が大幅に向上します。
QRコードを生成する
各商品に対応するQRコードを生成します。
QRコード作成ツールやエクセルのアドイン機能やQRコード生成ツールなどを活用し、商品コードや商品名を入力してQRコードを作成します。
作成したQRコードを在庫管理表の対応する列に貼りつけて、在庫管理表に反映させます。
QRコードを使った在庫管理をエクセルでするポイント
QRコードを使った在庫管理をエクセルで行う際にはポイントをおさえることで、業務の効率化と精度の向上を実現できます。
QRコードを使った在庫管理をエクセルでするポイントを確認していきましょう。
QRコードの印刷品質を確認する
QRコードの印刷品質は、スキャンの精度や在庫管理の正確性に大きく影響します。
QRコードを作成・印字する場合は以下の点に注意して印刷を行いましょう。
- 高解像度で印刷する
- 適切なサイズを確認する
- 耐久性を向上させる
解像度が低いとQRコードが正確にスキャンできず、データが誤って読み取られる可能性があります。
印刷時には、最低でも300dpi以上の解像度で印刷することが推奨されていますので、解像度は必ず確認しましょう。
また、QRコードが小さすぎるとスキャンが困難になり、大きすぎると無駄なスペースを取ってしまいます。
商品の大きさや使用するスキャナーに応じた適切なサイズで印刷することが重要ですが、一般的には2cm四方以上のサイズがよいとされています。
さらに、在庫管理のためにQRコードを長期間使用する場合や外での使用が見込まれる場合は、印刷したQRコードをラミネート加工するなどして摩擦や汚れから保護し、耐久性を高めましょう。
エクセルの詳細な設定をする
エクセルでの在庫管理をより効率的かつ安全に行うためには、以下の設定を行うことが重要です。
- セルの保護
- マクロの有効化
- データ検証の設定
在庫管理表では、在庫数や商品情報が誤って変更されることを防ぐために、重要なセルに保護をかけましょう。
これにより、意図しないデータの変更を防ぎ、データの信頼性を保つことができます。
また、在庫数の自動更新やQRコードのスキャン結果を自動処理するためには、マクロの設定が有効です。
マクロを活用することで、スキャンしたQRコードに基づいて在庫数を自動的に増減させるなど、日々の作業を効率化できます。
エクセルの開発タブからマクロを作成し、スキャン時に実行されるように設定しましょう。
さらに、誤ったデータ入力を防ぐために、データ検証を設定して、入力可能な範囲や条件を制限します。
誤入力や不正なデータの入力を防止することで、在庫管理の正確性を保つことができます。
セキュリティ対策をする
エクセルファイルには、重要な在庫情報が含まれるため、セキュリティ対策を徹底することが不可欠です。
- パスワードの設定
- 定期的なバックアップ
- アクセス権の制御
ファイル全体にパスワードを設定し、権限のあるユーザーのみがアクセスできるようにしましょう。
これにより、データの改ざんや不正アクセスを防止できます。
また、データの紛失や破損に備え、定期的にバックアップすることも重要です。
外部のストレージやクラウドサービスに保存すれば、万が一のデータ消失時にも迅速に復旧できます。
もし、在庫管理ファイルを共有することがある場合は、ファイルに対する編集権限を制限し、閲覧のみ可能なユーザーと、編集が可能なユーザーを明確に区別しましょう。
データの整合性を保ちながら、必要な情報共有が行えるため安心です。
QRコードを使った在庫管理はエクセルよりzaico
QRコードを使った在庫管理をエクセルでする際の表の作成や詳細な設定に対して、煩雑な印象を持った方もいるはずです。
エクセルは導入こそ容易ですが、効果的に活用するためにはさまざまな設定が必要であったり注意点があったりします。
また、在庫数が増えることで処理速度が遅くなったり、エラーが起きたりすることも少なくありません。
QRコードを使った在庫管理をエクセルですることについては、慎重に検討するとよさそうです。
より効率的で効果的な方法で在庫管理をしたいという場合は、エクセルではなく「クラウド在庫管理システムzaico」の導入をご検討ください。
zaicoは、エクセルで使用している在庫管理表がそのまま登録できたり、QRコード作成・印刷ができたりなど、QRコードを使った在庫管理に必要な機能が備わっているだけでなく、
在庫データの操作記録やグルーピングなど、エクセルにはない在庫管理に便利な機能も豊富です。
また、zaicoを導入したことで在庫確認にかかる時間が大幅に削減できた、エクセルからの管理から脱却できた、という声が多く寄せられています。
QRコードを使った在庫管理をエクセルでしている、またはエクセルでしようと思っている場合は、クラウド在庫管理システムzaicoにお気軽にお問い合わせください。
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。