そもそも、なぜ在庫管理をしなければいけないのでしょうか?

セミナーや勉強会でこの質問をすると、「正確な在庫を知るため」

という答えが返ってきます。

 

確かに正しい答えですが、実は在庫管理の真の目的ではないです。

正確な在庫を知らなくても、無尽蔵に在庫があれば解決します。

 

しかし、そんなことはできるはずがありません。

  1. 大量の在庫を保管する場所が無い
  2. 大量の在庫を管理する人員がいない
  3. 大量の在庫を買うお金が無い

特に重要なのが3番目のお金が無いという理由です。

無限にお金があれば、大きな倉庫を建てて、欠品しないだけの品揃えと

数をそろえて、大量の人員を雇えばいいだけです。

よっぽど資金に余裕のある企業でないと、実現は難しいでしょう。

 

つまり、在庫管理はお金の管理ということができます。

在庫は現金が形を変えたものです。

会社の経営として考えると、在庫管理をする理由は、次の3つに集約できます。

  1. コスト削減
  2. 利益の確定
  3. 資金繰り

在庫管理には経費が掛かる

在庫管理はコストを減らす効果があります。

在庫は貸借対照表の中では、「資産」という扱いです。

資産とは、お金を生む源泉です。

例えば、機械であれば、「生産」というかたちでお金を生む手助けをします。

車などの車両も、営業活動などを円滑に進める手助けをします。

 

一方で、在庫は会社にあるだけではお金を生みません。

それどころか、管理するために経費が掛かります。

 

では、在庫に掛かる経費はどんなものがあるでしょうか?

  1. 倉庫などの設備費
  2. 作業員などの人件費
  3. 金利負担

在庫を適正に管理することにより、

保管スペースを最小限に保ち、倉庫などの設備費を減らせます。

 

在庫を探す、必要な在庫が来るのを待つなどの無駄な時間を削減できるので、

人件費を減らすことができます。

 

そして、在庫数を正確に把握できるので、無駄な購入が無くなり、

出費が減ります。出費が減るということは借入金を減らすことができるため、

金利負担を減らすことができます。

利益の確定

在庫管理をすることで、正確な利益を把握できます。

会社の存続は売り上げでは無く利益です。

利益の把握が会社にとって一番重要です。

在庫の把握は利益の確定に欠かせません。

 

粗利の計算式は次の通りです。

粗利(売上総利益)=売上ー売上原価

売上原価=期首棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高

在庫を正しく把握していないと、利益が分からないということになります。

 

在庫がよく分かりません。と笑って話す社長さんがいますが、

笑っている場合ではありません!

自分の会社の利益を把握していません。と笑いながら言っているようなものだからです。

資金繰り

在庫管理をすることで、資金繰りに悩む必要がなくなります。

会社が倒産する理由は一つしかありません。

支払うお金が無くなることです。(資金ショート)

 

実際に会社の倒産企業のうち、黒字倒産(利益が出ているのに倒産した企業)

は、50%前後です。赤字でもないのに倒産した企業=資金ショートした企業が非常に多いのです。

キャッシュコンバージョンサイクル

キャッシュコンバージョンサイクルとは、仕入れたものが現金化されるまでの日数のことです。

会社にとって何日分の運転資金が必要かということを現す指標です。

キャッシュコンバージョンサイクルの値が小さければ小さいほど、資金繰りは良いということになります。

次の式で計算できます。

キャッシュコンバージョンサイクル=売上債権回転日数+棚卸資産回転日数-支払債務回転日数

 

棚卸資産回転日数は、在庫回転率です。

資金繰りを知るためにも在庫の情報が必要です。

資金繰りが分からないので、投資ができないという経営者は多くいます。

在庫を把握することでその不安の大部分を解消することができます。

在庫管理に関してもっと知りたい方は、在庫管理110番をご覧ください。