適正在庫を知るために必要なこと その4

在庫管理アドバイザーの岡本です。

 

前回の記事では、商品の需要特性を知ったうえで、各商品ごとに

需要予測を個別に行うことが重要だとお伝えしました。

 

今回も適正在庫を知るために必要なことをお伝えします。

 

在庫管理の相談者は、「欠品をしないようにしたい」と仰ることが多いですが、

統計学的に見ても、「100%欠品を防ぐ」ということは不可能です。

なぜなら、予測を100%当てるのが無理だからです。

 

ここで大切なのが企業の姿勢です。

例えば、トヨタ自動車。

在庫を持たない徹底的なかんばん方式を実施しています。

ただ、それが裏目に出るときがあります。

それは地震などの自然災害です。

 

在庫を持たないということは、部品を供給するサプライヤーの

生産が停止してしまえば、トヨタのラインも即停止するということを

意味しています。

 

一般的な企業であれば、「地震が起こるので在庫を持とう」という

判断をすると思います。

 

しかし、トヨタはそうしません。

そういった問題は割り切ります。

 

企業として、どういう方針を貫くかが適正在庫の設定で大切になります。

在庫を持つ、在庫を持たないというのは、メリットとデメリットが表裏一体です。

 

トヨタのように在庫を持たないという判断をすれば、サプライヤーに何か問題が起こると

即欠品です。

逆にアマゾンのように何でもそろう環境を整えれば、欠品は無いかもしれませんが、

巨大な倉庫と管理費がかかります。それに耐えるだけの資金が必要になります。

 

決めれば、どんなリスクが発生するのかが想定できるので、

それに対応した施策を立てればよいのです。

 

つまり、企業戦略と在庫戦略が両輪になっていることが大切です。

多くの企業ではここがちぐはぐなので、うまくいきません。

 

トヨタもアマゾンも共通しているのは、データに基づいて

決めていることです。

KKD(経験・勘・度胸)ではうまく行かないのは明らかです。

 

KKDを直ちにやめて、データを使った客観的な意思決定に

シフトチェンジしましょう。

 

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