靴は1つのモデルでサイズとカラーで細かく枝分かれするため、ほかの商品よりも管理の単位が多く、在庫の把握が難しくなりがちです。
適切に靴の在庫管理ができなければ、売れ筋サイズの欠品で販売機会を逃したり、売れ残りの処分で利益を圧迫したりと、経営に影響を及ぼします。
靴の在庫管理の基本的な流れや靴の在庫管理方法、よくある靴の在庫管理の課題と対処法をわかりやすく解説します。
靴の在庫管理とは
靴の在庫管理とは、靴の入荷から保管、販売、出荷に至るまでの一連の流れにおいて、商品の数量や状態を正確に把握・管理することです。
靴は1つのモデルに対して複数のサイズとカラーが存在するため、アパレルの中でもとくにSKU(Stock Keeping Unit:在庫管理の最小単位)の数が多くなりやすい商品です。
例えば、1つのデザインにサイズが8展開、カラーが3色あれば、それだけで24のSKUが発生します。
取り扱いモデル数が増えるほどSKU数は膨大になり、手作業での管理では限界を迎えることも少なくありません。
とくに近年はECサイトでの靴の販売も拡大しており、実店舗とオンラインの在庫を正確に連携させる必要性も高まっています。
欠品による販売機会の損失を防ぎ、過剰在庫による保管コストの増大を抑えるには、適切な在庫管理が不可欠です。
靴の在庫管理の基本的な流れ
靴の在庫管理は、入荷から棚卸までの一連のサイクルを回すことで成り立っています。
靴の在庫管理の基本的な流れを見ていきましょう。
入荷とSKU単位での検品・登録
最初の工程は、納品された靴を検品し、在庫として登録する作業です。
このとき、品番だけでなくサイズとカラーまで照合し、SKUごとに数量を記録します。
例えば同じパンプスでも、22.5cmと23.0cmを分けて数えなければ、後の在庫数が実態とずれてしまいます。
入荷の段階でSKU単位の精度を確保できるかどうかが、その後の管理のしやすさを左右するといえるでしょう。
サイズ・カラー別の保管と陳列
検品を終えた靴は、バックヤードと売場のどこに何を置くかを決めて保管します。
サイズやカラーの所在をあらかじめ決めておくと、接客中に在庫を探す手間を減らせます。
例えばサイズ順に棚を割り当てておけば、スタッフが代わっても目当ての1足にたどり着きやすくなるでしょう。
保管場所のルールが曖昧なままだと、在庫はあるのに見つからず欠品と勘違いするような事態にもつながりかねません。
販売・出荷と在庫の引き当て
靴が売れたタイミングで店頭販売であればレジで、ECであれば出荷時に、売れたサイズとカラーの数量を在庫から差し引きます。
ここでの引き落としが漏れると、帳簿上は在庫があるのに実際は売り切れている、という食い違いを引き起こしかねません。
店舗とECで併売している場合は、両方の販売を1つの在庫から引き当てる仕組みにしておくことが大切です。
棚卸によるサイズ別の実数確認
定期的に棚卸を行い、データ上の在庫数と実際の在庫数が一致しているかを確認します。
靴はSKU数が多いため、棚卸に時間と手間がかかりやすい商品です。
ハンディターミナルやバーコードスキャナーを使えば、サイズ別・カラー別の実数確認を効率化できます。
差異が見つかった場合は原因を調査し、再発防止策を講じることが大切です。
靴の在庫管理の方法
靴の在庫管理には、事業の規模や扱う商品数に応じて、アナログからデジタルまでいくつかの方法があります。
靴の在庫管理の代表的な方法を紹介します。
手書き台帳・紙の在庫表
もっとも手軽なのは、手書きの台帳や紙の在庫表で管理する方法です。
特別な道具がいらず低コストで始められるため、扱う靴の点数が少ない小規模な店舗には向いています。
ただしSKUが増えるほど記入する手間が膨らみ、転記ミスや書き漏れが起きやすくなります。
点数が一定を超えると、紙だけでの管理には限界が見えてくるでしょう。
エクセル・スプレッドシート
紙の次に検討されるのが、エクセルやスプレッドシートでの管理です。
関数を使った集計や、サイズ・カラーでの絞り込み検索ができるため、紙よりも在庫の全体像をつかみやすくなります。
ただし、販売・出荷時の数量入力は手作業のままで、入力ミスや更新漏れのリスクがある点には注意が必要です。
また、複数の店舗やECと在庫を共有しようとすると、ファイルの更新タイミングがそろわず数字が食い違うこともあります。
在庫管理システム
SKU数が多い場合や、店舗とECをまたいで在庫を扱う場合に適しているのが在庫管理システムです。
バーコードやスマホでの読み取りで在庫を記録できるため、手入力の負担と転記ミスを減らせます。
店舗・EC・バックヤードの在庫を1つにまとめてリアルタイムで把握できる点も魅力です。
導入コストや運用コストはかかりますが、SKU数が多い靴の管理では効果的な方法といえるでしょう。
靴の在庫管理でよくある課題
靴の在庫管理には、ほかの商品にはない特有の難しさがあります。
靴の在庫管理でよくある課題を解説します。
サイズ・カラー展開でSKUが膨れ上がる
何度も述べているとおり、靴は1つのモデルがサイズとカラーの組み合わせで数十のSKUに分かれます。
メンズ・レディース・キッズと展開が広がればSKU数はさらに膨らみ、管理工数も比例して増えていくのが実情です。
SKU数が多いほど、入力ミスや確認漏れのリスクも高まります。
管理単位の多さそのものが、靴の在庫把握を煩雑にする最初の壁だといえるでしょう。
中間サイズだけ欠品し端サイズが売れ残る
靴は需要が集中するサイズ帯が存在し、とくに25.0cmや26.0cmなどの中間サイズは早期に売り切れやすい傾向があります。
一方で、小さいサイズや大きいサイズは需要が限られるため、売れ残りがちです。
サイズごとの需要差を考慮せずに均等に発注すると、同じモデルの中で欠品と売れ残りが同時に発生してしまいます。
シーズンを越えた在庫が売れ残りやすい
靴はサンダルやブーツのように、季節ごとに売れる種類が入れ替わる商品です。
シーズン中に売り切れなかった靴は、翌年まで持ち越すか、値下げや処分の対象になります。
例えば夏物のサンダルを秋まで定価で置いていても動きは鈍く、保管スペースを圧迫する原因です。
また、トレンドの変化によって翌年には型落ちとなり、さらに販売が難しくなるケースも少なくありません。
返品・交換が多く在庫数が変動しやすい
靴はサイズ感や履き心地の問題から、返品や交換が起こりやすい商品です。
特にECでは試着ができないぶん、サイズ違いによる返品や交換が一定の割合で発生します。
返品された靴を在庫に戻す入力が漏れると、実際は店頭に戻っているのに在庫数に反映されない、というズレが生じる原因です。
在庫データの不一致が頻発すると、正確な在庫状況を把握できず、次回の発注判断にも悪影響を及ぼします。
靴の在庫管理の課題への対処法
ここまで挙げた靴の在庫管理の課題は、管理の仕組みを整えることでやわらげることが可能です。
靴の在庫管理の課題への対処法を紹介します。
品番とサイズ・カラーをSKU単位で管理する
SKU数が膨大になる課題に対しては、サイズ・カラーの組み合わせごとに在庫を識別できる体制を整えることが重要です。
一般的に、メーカーのブランド靴にはサイズ・カラーごとにJANコード(バーコード)が振られているため、JANコードを活用してSKU単位の在庫管理を行うのが基本となります。
バーコードリーダーで読み取るだけで商品を特定できるため、入出荷時の作業効率が上がり、手入力によるミスも防げるでしょう。
一方、JANコードが付いていない商品を扱う場合や、シーズンや仕入先など自社独自の管理を加えたい場合は、「ABC-BK-260」のように品番・カラー・サイズなどを組み込んだ独自コードを設計し、バーコードやQRコードと紐づけて運用するのが効果的です。
サイズ別の売れ筋を分析して発注に反映する
中間サイズの欠品と端サイズの売れ残りには、サイズごとの売れ筋を分析して発注へ反映する対応が有効です。
過去の販売実績をサイズ別に見れば、よく出るサイズと動きの鈍いサイズの傾向がつかめます。
その傾向をもとに、中間サイズは厚めに、端サイズは絞って発注すれば、偏った在庫を抱えにくくなります。
販売データの蓄積と分析を継続的に行うことで、予測精度を高めていくことが可能です。
シーズン中に値下げや店舗間移動で売り切る
季節をまたぐ売れ残りを減らすには、シーズンが終わる前に手を打つことが重要です。
仕入れた在庫がどれだけ売れたかを示す消化率を見ながら、動きの鈍い靴は早めに値下げを検討しましょう。
例えば自店で売れ残っているサイズでも、別の店舗では品薄な場合があり、店舗間で在庫を移動させて売り切る方法も有効です。
シーズンの終盤まで在庫を抱え込まず、消化率を見て早めに動くことが売れ残りの抑制につながります。
在庫管理システムで返品・交換のフローを仕組み化する
返品・交換による在庫変動に対応するには、在庫管理システム上で返品・交換のフローを標準化し、処理と同時に在庫数が自動で更新される仕組みを整えることが有効です。
返品された商品の状態を判定し、再販可能なものは速やかに在庫に戻すルールを設けることで、販売機会を逃さずに済みます。
システム上で返品理由を記録・分析すれば、サイズ表記の見直しやフィッティング情報の充実など、返品率の低減にもつながるでしょう。
靴の在庫管理にもzaico
靴の在庫管理では、サイズ・カラーの多さからSKU数が膨大になりやすく、手作業やエクセルでの管理には限界があります。
欠品や過剰在庫を防ぎ、在庫の回転率を高めるためには、在庫管理システムの活用が効果的です。
靴の在庫管理を効率化させるなら、「クラウド在庫管理システムzaico」の利用をご検討ください。
zaicoは、スマホでバーコードやQRコードをスキャンするだけでサイズ・カラー別の入出庫を記録でき、複数のスタッフや店舗・ECがリアルタイムで同じ在庫情報を共有できます。
在庫データはCSVで出力できるため、サイズ別の売れ筋分析や消化率の確認にも役立てることが可能です。
靴の在庫管理にお悩みの方は、zaicoまでお気軽にご相談ください。


