工場の在庫管理は棚が重要?工場の在庫管理での棚の選び方と運用方法

原材料や仕掛品、完成品など多様な在庫を扱う工場の在庫管理では、棚の選び方と運用方法が現場の作業効率を左右します。

重量物や嵩物が多い工場では、一般的なオフィス用の棚では対応しきれないケースも珍しくありません。

工場の在庫管理における棚の役割から棚の種類、選び方、運用の課題と効率化のポイントを解説します。

工場の在庫管理における棚の役割

工場の在庫管理において、棚は単なる収納什器ではなく、在庫の精度や作業効率を支える基本です。

まずは、工場の在庫管理において棚が担う役割を見ていきましょう。

在庫の保管場所を明確にする

棚を活用して「どこに何を置くか」という定位置管理を徹底することで、部品や材料を探し回る時間を削減できます。

担当者ごとに置き場所がバラバラでは、別の担当者が在庫を見つけられず、業務が滞る原因になりかねません。

棚を基準にルール化しておけば、新人や応援要員でも簡単に在庫の位置を把握できるようになるでしょう。

これにより業務の属人化を避け、誰がピッキングを担当しても同じ精度で在庫を扱えるようになります。

現物と帳簿の数量を一致させる土台になる

棚エリアで在庫の保管場所を区切れば、棚卸の際にどの範囲を数えるべきかが一目で分かります。

例えば、棚ごとにラベルを貼ってロケーションと品目を紐づけておけば、現物の位置と帳簿上のデータを正確に突き合わせやすくなるでしょう。

保管のルールやロケーションが決まっていないと、現物が工場のどこにあるかわからず、帳簿との差異が発生した際に原因を追えなくなりがちです。

棚の適切な管理は、データ精度を保つうえでの土台といえます。

原材料・仕掛品・完成品を分けて整理する

工場で扱う在庫は、原材料・仕掛品・完成品の主に3つに分けられます。

棚エリアをこの3つで物理的に分離しておくと、工程間の在庫の流れを目で見て追えるようになるでしょう。

例えば、原材料棚から仕掛品棚へ、仕掛品棚から完成品棚へと在庫が動く動線を決めておくと、生産の進捗が可視化されます。

棚の並びと工程の順序が一致していれば、管理担当だけでなく現場の作業者も次にどこへ運べばよいか迷いません。

工場の在庫管理に使う棚の主な種類

工場の在庫管理に使う棚は、扱う在庫の重量や形状に合わせて種類を使い分けることが重要です。

工場の在庫管理に使う棚の主な種類を紹介します。

軽量〜中量物を保管する中量棚

中量棚は、メーカーによって幅がありますが、一般的に1段あたり150〜500kg程度の耐荷重を持つ棚です。

小物部品やネジ・ボルト類、工具、梱包資材の保管によく使われます。

棚板の高さを細かく組み替えられる製品が多く、扱う部品のサイズが揃わない現場でも使い回しが効くのが特徴です。

人が手作業で出し入れする前提の棚なので、作業者が無理なく届く高さに段を設定しましょう。

重量物・嵩物に対応する重量棚・パレットラック

重量棚は、目安として1段あたり500kgを超える耐荷重を持つ棚で、製品によっては1段で1,000kg以上に対応するものもあります。

鋼材や金型、エンジン部品などの重量物の保管に向く棚です。

パレットに積んだまま保管するなら、フォークリフトでの出し入れを前提としたパレットラックが選択肢になります。

パレットラックは奥行きや高さを工場の天井高に合わせて設計でき、重量在庫を立体的に積み上げる用途の定番設備です。

限られた工場スペースを活かす移動棚

移動棚(モバイルラック)は、棚自体がレールの上を移動し、複数の棚で通路を1本に集約できる仕組みの棚です。

使うときだけ棚の間を開けて作業するため、固定棚と比べてデッドスペースを削減でき、保管効率を高められます。

ただし、棚を動かす操作が必要なので、出し入れの頻度が高い在庫には向きません。

回転率の低い予備部品や、まとめて保管したい素材など、保管量を優先したい在庫に向いた棚です。

工場の在庫管理用の棚を選ぶ際のポイント

工場の在庫管理用の棚は、一度設置するとレイアウト変更や買い替えに労力やコストがかかります。

工場の在庫管理用の棚を選ぶ際のポイントを紹介します。

保管する在庫の重量に合った耐荷重を選ぶ

棚を選ぶ際にまず確認したいのが、保管する在庫の最大重量に対する耐荷重です。

1段あたりの耐荷重に加え、棚全体の総耐荷重も合わせて確認しておくと、過積載のリスクを抑えやすくなります。

例えば、軽量部品が中心であれば中量棚、金型や鋼材を扱うなら重量棚、パレット単位ならパレットラックと、在庫の重量に応じて棚種を使い分けるのが基本です。

保管予定の在庫より少し余裕のある耐荷重を選んでおけば、将来在庫が増えたときにも棚を入れ替えずに済みます。

設置スペースと天井高に収まる棚サイズを選ぶ

工場内の限られたスペースを活かすには、棚の間口・奥行き・高さを設置場所の寸法に合わせて選ぶ必要があります。

特に天井高は棚を高く設計するうえでの上限になるため、梁や照明、スプリンクラーの位置を含めて事前に測っておくと安心です。

床の耐荷重も忘れず確認しておきましょう。

重量棚やパレットラックは床にかかる荷重が大きく、床の補強が必要になる場合もあります。

段数の組み換えや増設に対応できる拡張性を確認する

工場で扱う在庫は、生産品目の変更や新規取引によって構成が変わることが少なくありません。

棚板の高さを変更できる棚や、後から段数や連結を増やせる棚なら、こうした変動にも棚を買い替えずに対応できます。

購入前にメーカーへ、対応する増設パーツの有無や互換性を確認しておくと、長期的な運用がスムーズです。

拡張性のない棚を選んでしまうと、在庫構成が変わるたびに買い替えコストや廃棄の手間が膨らむ点に注意しましょう。

工場の在庫管理の棚運用でよくある課題

工場の在庫管理では、棚を導入しても運用ルールがあいまいだと現場でさまざまな課題が表面化します。

工場の在庫管理の棚運用でよくある課題を見ていきましょう。

同じ部品が複数の棚に分散して在庫が見つからない

「空いている棚にとりあえず置く」というルールのない運用が常態化すると、同じ部品が複数の棚に分散してしまいます。

例えば、同じ品番の在庫が工場内の4〜5箇所にバラバラに保管されるケースも少なくありません。

結果として、在庫データ上は十分なはずなのに、現場では「どこにあるかわからない」という問題が起きがちです。

棚位置の情報が担当者の頭の中だけにある属人化が進むと、引き継ぎや担当者不在時に業務が停滞する原因になりかねません。

古いロットが奥に残って出庫順が崩れる

棚に在庫を補充する際、手前から新しいものを詰めてしまう運用を続けると、棚の奥に古いロットが残り続けてしまいます。

原材料や部品によっては、使用期限や保管期限が定められているため、出庫順が崩れると品質劣化や期限切れの廃棄につながりかねません。

特に厳密なロット管理が求められる食品や化学品では、品質保証上の重大なリスクになります。

収納時のルールが徹底されていないと、棚卸し時まで出庫順の乱れに気づけない事態に陥りがちです。

入出庫の記録が漏れて棚卸時に現物と帳簿が合わない

棚への入出庫を紙伝票や口頭で運用していると、記録の漏れや反映の遅れが避けられません。

作業者が忙しい時間帯に記録を後回しにしてしまうと、その分だけ帳簿と現物の数量がずれていきます。

棚と帳簿を紐づける仕組みがないと、棚卸時に差異が見つかっても原因を追えないまま、現物に合わせて帳簿を直す対応に追われることになりがちです。

記録の漏れが積み重なれば、適正な発注量の判断も難しくなるでしょう。

工場の在庫管理の棚運用を効率化するポイント

工場の在庫管理を効率化するには、属人的な運用からの脱却が不可欠です。

工場の在庫管理の棚運用を効率化するポイントを紹介します。

ロケーション管理で棚位置を一意に決める

ロケーション管理とは、棚の位置情報と在庫を紐づけて、どの棚に何があるかを一意に決める運用方法です。

品目ごとに場所を固定する「固定ロケーション」と、空いた棚に随時格納する「フリーロケーション」の2種類があり、在庫の性質による使い分けが有効です。

例えば、毎日使う主力部品は固定ロケーションで出庫口の近くに配置し、量や種類が変動しやすい予備部品はフリーロケーションでスペースを有効活用する、といった併用がよく見られます。

出庫頻度に応じて配置を決める「ABC分析」の考え方も取り入れることで、作業者の歩行距離を短縮し、動線を最適化できるでしょう。

先入れ先出し(FIFO)の動線を物理的に作る

先入れ先出し(FIFO)を徹底するには、現場の作業者が意識しなくても自然と古いものから取り出せる物理的な動線作りが重要です。

例えば、背面から補充して手前から取り出すフローラックを導入すれば、強制的に先入れ先出しのルールを守れるようになります。

通常の棚の場合でも、棚ラベルに入庫日やロット番号を明記し、「左から右」「上から下」など取り出す順序のルールを視覚化することが有効です。

バーコード等で入出庫を都度記録し棚と帳簿を紐づける

入出庫の都度、現物のバーコードやQRコードを読み取って在庫データへ反映する仕組みを導入すれば、紙伝票や口頭の運用と比べて記録漏れが起きにくくなるでしょう。

棚自体にもロケーション番号のバーコードを貼っておけば、「どの棚から出庫したか」までデータとして残せます。

棚と帳簿・システムが常に一致している状態を作ることが、日々の業務効率化や在庫管理の精度を上げる近道です。

データが蓄積されれば、出庫頻度の高い品目を特定し棚のレイアウトを見直すなどの、業務改善にもつなげやすくなります。

工場の在庫管理に棚を活用したいならzaico

ロケーション管理や先入れ先出し(FIFO)、入出庫の都度記録などの棚運用の仕組みは、紙伝票や口頭のやり取りでは形骸化しがちです。

棚と帳簿のデータをリアルタイムに連動させることで、運用を効率化できます。

棚を有効に活用したいとお考えなら、「クラウド在庫管理システムzaico」をご検討ください。

zaicoは、バーコード・QRコードを使って棚位置と在庫情報を紐づけられるため、ロケーション管理や入出庫記録の仕組み化に役立ちます。

スマートフォンでの棚卸にも対応しており、棚ごとの現物確認をその場でデータへ反映することも可能です。

工場の棚を活用した在庫管理の改善をお考えであれば、お気軽にzaicoまでご相談ください。

※記事内に記載されたzaicoのサービス内容や料金は記事公開時点のものとなり、現行の内容とは異なる場合があります