員数管理とは?員数管理の方法や目的と員数管理のミス対策について解説

員数管理(いんずうかんり・いんすうかんり)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

日常生活であまり使うことはないかもしれませんが、工場などの製造現場で働く人にとって員数管理は聞き慣れた言葉かもしれません。

員数管理は「製造に必要なパーツが揃っているか?」「納品数量は間違っていないか?」ということなどを確認するために必要です。

員数管理を適切に行うことは、製作ミスや出荷ミスなどを防ぐことにつながります。

員数管理の目的や方法、員数管理の中で良く起こるミスやその対策について確認していきましょう。

員数管理とは?

員数とは「物や人の数」のことです。

特に、「一つの製品を作るのに必要なパーツ数」を指す時に使われることが多く、製造現場ではよく使われる言葉です。

そして、「員数が合っているかを確認する作業」を員数管理と呼びます。

例えば、1台のロボットを作るのに、Aパーツが5個、Bパーツが10個必要だとします。

この時に、A、Bのパーツがそれぞれ必要な数だけ揃っているかを確認することも員数管理です。

員数管理は他にも、員数チェック、員数確認、員数検査などとも呼ばれます。

員数管理の目的

員数管理の目的は、原料管理、製造管理、出荷管理と大きく3つあります。

原料管理とは、納品された原材料の数を確認すること。

注文通りの材料数がきちんと納品されているかを確認するために行われます。

製造管理とは、製品を作るのに使用した原料の数及び、完成した製品の数を確認することです。

使用した原料を確認することで出庫数量のミスや製品への部品の取り付け忘れなどを防止できます。

また、完成した数量をチェックすることで、すべての原材料が正しく使われているかを確認できます。

なお、出荷管理とは、出荷する製品の数を確認することです。

出荷前に注文通りの数量が揃っているかを確認することで誤配送を防げます。

員数管理の方法

員数管理の方法には、人手だけで行うものから、道具を使うものなど様々な方法があります。

主な員数管理の方法について確認していきましょう。

目視確認

目視確認とは人の目で員数を確認する方法です。

手軽に実施できますが、ミスが起こる確率も高いのが課題といえるでしょう。

少しでもミスを減らすために以下の方法を組み合わせると良いでしょう。

  • 現物を指差し確認する
  • 声を出しながら数える
  • チェックマークをつける
  • 員数管理チェックシートに記入しながら数える

人的ミスは完全に防ぐことは難しいですが、ミスが起きにくいように工夫することは重要です。

容量計測

容量計測とは専用の容器を使って員数を確認する方法です。

例えば、ある製品が10個入る専用のケースを用意しておき、製品をケースに入れながら数量を確認します。

ケースに空きがあるかどうかはパッと見て分かるので、ただの目視確認よりもミスが起こる確率は低いでしょう。

専用ケースは通販サイトなどでも、取り扱いがあるので確認したい方は、「員数管理 トレー」などのキーワードで検索してみてください。

重量計測

重量計測とは、製品単体の重量(単重)と複数の製品の総重量から個数を推定する方法です。

はかりを利用し、総重量を計測して単重から数を求められますが、この方法では製品の重さのばらつきを考慮するのが大変になります。

そこで、カウンティングスケール(個数はかり)と呼ばれる測定装置の利用が有効です。

カウンティングスケールならば総重量、単重、個数を同時表記することが可能で、重量のばらつきを補正し、的確な重量を表示してくれます。

高さ計測

高さ計測とは、製品単体の高さと積み重ねたときの高さを比較し、個数を計測する方法です。

メジャーを利用する方法もありますが、ハイトゲージなどを利用すれば精度を上げることができます。

ただし、製品の厚みのばらつきを考慮しにくいため正確性はそれほど高くありません。

高さ計測単体で行うよりも、別の計測方法と組み合わせて、ダブルチェックできるようにすると良いでしょう。

自動計測

自動計測とは、画像処理システムやセンサーなどを用いて個数を計測する方法です。

人が介在せずに個数を計測できるため、人為的なミスを防げます。

画像処理システムは様々なメーカで販売されており、カメラを用いて画像を解析して個数を計測します。

また、コンベアなどで自動生産している工場ならば、ライン上にセンサーを設置し、通過した製品をカウントし、個数を把握することも可能です。

員数管理でよくあるミス

員数管理の多くは人の目による確認が必要になるので、どうしもてミスが発生してしまいます。

員数管理でよくあるミスについて確認していきましょう。

ヒューマンエラーによるミス

ヒューマンエラーとは、人間が原因となって起こるミスのことです。

例えば、作業手順を守っていたのに数え間違えてしまったり、書類などへの数量の記載ミスなどがあります。

このようなミスは知識やスキル不足、連絡不足、疲労による集中力低下などによって起こることが多いです。

以上のように本人の意図しないところで起こってしまうヒューマンエラーもありますが、意図した行動のもと起こるものもあります。

その代表的なものが手抜きです。

作業が退屈であったり疲れていたりすると、本来やるべき作業をサボってしまうこともあります。

その結果ミスにつながるのです。

作業環境によるミス

員数管理のミスには作業環境が原因となって発生するものもあります。

例えば、機械設備の「作動ボタン」と「停止ボタン」が似ていれば、押し間違える可能性が高いですし、作業手順が複雑な場合もミスを起こしやすいです。

また、人手不足の現場でもミスが起こる可能性が高いでしょう。

このような現場では、目先の仕事に追われ、「しっかり確認しよう」という意識がどうしても低くなってしまいがちで、ミスが起こってしまうのです。

員数管理のミス対策

員数管理においてミスを防ぐためには原因追求と手順の見直し・周知徹底が重要です。

そして、ミス対策は1回きりではなく、何度も定期的に行うことが大切です。

員数管理のミス対策について確認していきましょう。

原因を明らかにする

まずは、何よりもミスの原因を明らかにすることが最重要です。

この時に気をつけなければならないことは、何でもかんでもヒューマンエラーで片づけないことが重要です。

もう一歩踏み込んで、「なぜ、そのヒューマンエラーが起こってしまったのか」ということまで考える必要があります。

例えば、「作業場所の照明が暗くて確認しづらい」とか「似た部品を扱うラインが隣同士にあるため間違える」などのように、作業環境が原因でヒューマンエラーが起きている場合もあります。

他にも、作業手順書が複雑で分かりにくかったり、誤解を招く表現があることもミスにつながるでしょう。

さらには、現場のルールと作業手順書が異なっている場合もあります。

例えば、前任者が後任者に伝えたときに誤った方法が伝わり、そのまま現場に誤ったルールのまま定着してしまうといったケースです。

このように、真の原因をしっかりと突き止めるように心がけましょう。

ルールを見直して周知する

原因を明らかにした後は、ルールを見直す必要があります。

例えば、作業場所のレイアウトを変更して、似た様な部品が混ざらないようにしたり、手順書が複雑ならば分かりやすく修正しましょう。

そして、ルールは見直すだけではなく、周知徹底することが非常に大切です。

大きな変更だけでなく、ちょっとした作業手順書の修正もしっかりと周知し、その手順通りに作業が行われているかを確認しましょう。

こうして、新たなルールを周知徹底することはミスを削減するために地道ではありますが効果的です。

IoT技術で員数管理を効率化する

人手不足やヒューマンエラーなどの問題で員数管理が効率的にできない場合にはIoT技術を活用することも有効です。

IoTはInternet of Thingsの略で、様々なものをインターネットに接続しリアルタイムでデータを取得する技術を指します。

代表的な製品として、IoT重量計のZAICONについて紹介します。

こちらの重量計ならば、物を載せておくだけでリアルタイムに数量をシステムへ反映可能です。

人間が1つずつ数える必要もなくなるため、員数管理のミスを減らし、作業時間も短縮できます。

このように、IoTを導入することにより効率化が見込めます。

員数管理の効率化やミスの削減にもzaico

製造現場における員数管理は出庫数量にも影響があるため、在庫管理とも密接にかかわってきます。

員数管理の効率化やミスの削減をお考えであれば、「クラウド在庫管理システムzaico」の導入をご検討ください。

zaicoは、先ほど紹介したZAICONとデータの連携もできるので、併せて導入することでさらに効率化が可能です。

zaicoやZAICONに興味がある方はお気軽にお問い合わせください。

※記事内に記載されたzaicoのサービス内容や料金は記事公開時点のものとなり、現行の内容とは異なる場合があります