備品の持ち出し管理は、多くの企業で行われており、効率的な作業や運営に欠かせない重要なものです。
働き方の多様化やデジタル化が進む中で、従来の紙やエクセルを使った備品の持ち出し管理方法を見直し、備品の持ち出し管理にアプリを活用するケースも増えてきています。
備品の持ち出し管理にアプリを導入するメリットや、備品の持ち出し管理をアプリでする際のポイントを確認していきましょう。
備品の持ち出し管理はアプリで可能?
備品の持ち出し管理とは、業務用の機器などを社内外に持ち出す際に、貸出・返却の履歴を記録し、適切に管理することです。
管理対象となる備品は、ノートPCやタブレット端末、プロジェクター、工具など多岐にわたります。
従来の備品の持ち出し管理は、紙の台帳やエクセルを用いて行われることが一般的でした。
しかし、紙やエクセルでは、手入力による記入ミスや更新漏れ、リアルタイムでの在庫管理の難しさなどの課題がありました。
こうした課題を解決するのが「備品の持ち出し管理アプリ」です。
QRコードを備品に貼付すれば、スマホのカメラでスキャンするだけで貸出手続きが完了するようなアプリもあり、返却リマインダーの自動送信や利用履歴の分析など、紙ベースでは実現できなかった高度な管理が可能です。
紙やエクセルにはない簡単さと効率性を持つアプリが備品の持ち出し管理に活用されてきています。
備品の持ち出し管理をアプリでするメリット
備品の持ち出し管理にアプリを導入することで、従来の方法と比較して多くのメリットが得られます。
備品の持ち出し管理をアプリでする主なメリットを確認していきましょう。
いつでもどこでも確認できる
アプリを活用した備品管理システムがもたらす最も大きなメリットは、その比類なきアクセス性にあります。
特にクラウドベースのアプリケーションであれば、インターネットに接続されたデバイスさえあれば、それがスマートフォンであれ、タブレットであれ、オフィスや自宅のPCであれ、瞬時に備品に関するあらゆる情報にアクセスすることが可能です。
例えば、外出中の営業担当者が顧客先で「この備品の最新の在庫状況はどうなっているか」という疑問を持った場合でも、その場でスマートフォンを取り出し、リアルタイムの情報を確認することができます。
また、在宅勤務中の従業員が「あの備品は誰が持ち出しているのか」「いつ返却予定なのか」といった情報を知りたい場合でも、わざわざオフィスに連絡したり、出社したりする必要はなく、自宅のPCからすぐに確認することができます。
返却忘れを防止できる
従来の、紙の台帳やExcelシートを用いた管理方法では、誰がいつ何を持ち出したのか、そしていつ返却予定なのかといった情報を人の手で記録し、管理する必要がありました。
そのため、どうしても記録漏れや転記ミスが発生したり、返却期限の把握や利用者への督促が遅れたりといった人的なミスが避けられず、結果として備品の返却忘れが頻繁に起こりやすい面がありました。
備品管理に特化したアプリを導入することで、人為的なミスを大幅に削減することが可能になります。
例えば、返却期限が近づくと、アプリは利用者のスマートフォンやPCに対して自動的にリマインド通知を送信すれば、利用者は返却期限を意識しやすくなり、うっかり期限を忘れてしまうリスクを大幅に軽減できます。
コストを抑えて手軽に導入できる
従来の専用ソフトウェアと比較して、クラウド型のアプリは初期導入コストを低く抑えられる点もメリットです。
サーバー購入やシステム構築費用が不要で、多くは月額料金制で利用できるため、企業規模や利用状況に応じて柔軟にプランを選択できます。
システムのアップデートやメンテナンスもサービス提供者側が行うため、社内のIT担当者の負担も軽減されるでしょう。
このように、クラウド型の備品管理アプリは、初期導入コストの低さ、柔軟な料金プラン、そして運用・保守の手間がかからないという点で、コストを抑えつつ手軽に備品管理を始めたい企業にとって非常に魅力的な選択肢となります。
データを有効活用できる
アプリを用いた備品管理の真価は、単にモノの所在や貸出状況を把握するだけでなく、日々の利用状況がデータとして自動的に蓄積される点にあります。
この蓄積されたデータは、宝の山にも例えられるほど、多岐にわたる分析と活用を可能にし、企業の経営判断に貴重な洞察をもたらします。
例えば、アプリに記録された利用頻度のデータを分析することで、どの備品が頻繁に使用され、逆にほとんど利用されていないのかを明確に把握することができます。
この情報は、備品の適切な管理ルールの策定や、返却遅延を防ぐための対策を検討する上で役立ったり、備品の最適化、予算の効率的な配分にも活用できるでしょう。
備品の持ち出し管理をアプリでするためのステップ
アプリを活用した備品の持ち出し管理を効果的に行うには、計画的な導入が不可欠です。
備品の持ち出し管理をアプリでするためのステップを確認していきましょう。
アプリ導入の目的と管理対象の明確化
最初に行うことは、何のためにアプリで備品管理するのか、具体的に何を管理対象とするのかを明確にすることです。
目的としては「ミスや紛失の防止」「適切な資産管理」「業務効率化」などが挙げられます。
また、管理対象についても「すべての備品」なのか「一定金額以上の備品」なのか、あるいは「特定のカテゴリーの備品のみ」なのかを決めましょう。
目的と管理対象を明確にしておくことで、後工程のアプリ選定や運用ルール策定がスムーズに進みます。
持ち出し管理アプリの選定
目的と対象が明確になったら、それに適したアプリを選定します。
備品を管理できるアプリにはさまざまな製品があるため、目的や管理対象に適した機能や料金、操作性などを比較しながら判断しましょう。
例えば、バーコード・QRコードに対応していれば、スマホで読み取るだけで正確に記録できるため、ミスの防止や業務効率化が実現できます。
デバイスの用意
備品管理アプリを導入するにあたり、スマートフォンやタブレット端末を従業員に貸与するか、個人所有のデバイスを利用するBYOD(Bring Your Own Device)にするかを検討しましょう。
デバイスの貸与は、従業員全員が同じ環境でアプリを利用でき、運用がスムーズになるメリットがありますが、デバイスの購入費用がかかります。
一方、BYODは、デバイスの購入費用を抑えられますが、セキュリティ対策やアプリの動作環境などを個別に管理する必要があるため注意が必要です。
運用ルールの策定
アプリを選定したら、次は具体的な運用ルールを策定します。
例えば、「申請・承認フロー」「持ち出し期間」「返却・確認方法」「延滞時の対応フロー」などのルールを決めておく必要があります。
ルールを策定する際は、現実的で守りやすいものになっているか、現場の声も取り入れながら検討すると良いでしょう。
定めたルールは明確に文書化し、利用する従業員に周知徹底することが重要です。
社内トレーニング
どんなに優れたアプリを導入しても、使用者が適切に使いこなせなければ、期待した効果は得られません。
導入前に、操作マニュアル作成や管理者向け研修、一般従業員向け研修などを実施しましょう。
また、従業員のITリテラシーに差がある場合は、レベル別の研修を用意するなど配慮も必要です。
導入後は、利用者から定期的にフィードバックを収集して継続的な運用改善を図ることで、アプリの浸透が期待できるでしょう。
備品の持ち出し管理をアプリでするポイント
アプリによる備品の持ち出し管理をより効果的なものにするには、ポイントを押さえた導入・運用が求められます。
備品の持ち出し管理をアプリでするポイントを確認していきましょう。
必要な機能を明確にする
一般的に高機能なアプリほど、操作が複雑になり、従業員が使いこなすまでに時間を要する可能性が高まったり、機能が豊富であるほど、利用にかかる費用も高くなる傾向にあります。
もし、自社でほとんど使わない機能が多数搭載された高価なアプリを導入してしまうと、せっかく導入したにも関わらず、一部の機能しか利用されず、結果的にコストだけがかさんでしまうという事態になってしまうかもしれません。
そのため、アプリを選ぶ際には、まず自社の備品管理における課題やニーズを洗い出し、「これは絶対に必要だ」という必須の機能と、「もしあれば便利だが、なくても業務に支障はない」という、いわば「あったら良い機能」を明確に区別することが重要です。
現場従業員が使いやすいアプリを選ぶ
どんなに多機能で高性能なアプリであっても、操作が複雑で分かりにくいものであれば、現場での利用は敬遠され、結果として導入の効果を十分に発揮することができません。
それどころか、使用率の低下や、煩雑な操作による入力ミスの増加を招き、データの信頼性を損なう可能性すらあります。
備品持ち出し管理の成否は、現場の従業員が日々の業務の中でどれだけストレスなく、スムーズにアプリを使いこなせるかに大きく左右されます。
「面倒だ」「分かりにくい」と感じてしまうと、アプリの利用は形骸化し、結局は従来の管理方法に戻ってしまう、という事態も起こりかねません。
専門的な知識がなくても、誰でもすぐに理解して使えるような、ユーザーフレンドリーなインターフェースを持つアプリを選ぶことが重要です。
導入時や導入後のサポート体制を確認する
どんなに優れたアプリでも、導入時や運用開始直後には、操作方法に関する疑問点や、予期せぬ技術的なトラブルが発生する可能性は否定できません。
特に、新しいシステムを導入する際には、初期設定の手順が分からなかったり、既存の業務フローとの連携で問題が生じたりすることがあります。
このような初期段階で適切なサポートを受けられないと、導入作業が滞ってしまうだけでなく、従業員の不満やシステムへの不信感に繋がりかねません。
運用中の疑問やトラブルに迅速に対応してくれるサポート体制も重要になり、問い合わせ窓口の有無、対応時間、連絡手段(電話、メール、チャットなど)、そして回答の質などを事前に確認しておくことで、安心してアプリを利用し続けることができるでしょう。
定期的な効果測定と見直しを行う
備品管理アプリの導入は、業務効率化に向けた重要な一歩ですが、導入しただけでその効果が永続的に続くわけではありません。
アプリの真価を最大限に引き出し、長期的にその効果を維持するためには、定期的な効果測定と、測定結果に基づいた運用方法の見直しが不可欠です。
いわゆるPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を回し、継続的に改善を図るという考え方に基づいています。
アプリはあくまでツールであり、その効果を最大限に引き出すためには、運用方法を常に最適化していく努力が求められます。
備品の持ち出し管理アプリにもzaico
業務用の機器などの備品を社内外に持ち出す際に、貸出・返却の履歴を記録し管理する「備品の持ち出し管理」は、企業に欠かせない業務です。
従来は紙の台帳やエクセルで管理されていましたが、アプリの活用により業務効率化や紛失防止、データの有効活用などの効果が期待できます。
備品の持ち出し管理アプリを導入する際には、目的を明確にして、自社に合った使いやすいアプリを選ぶことが重要です。
備品の持ち出し管理に適したアプリをお探しなら、「クラウド在庫管理システムzaico」の導入をご検討ください。
zaicoはスマホやタブレットにも対応しており、バーコードやQRコードを読み取って簡単に持ち出し管理が実現できます。
また、クラウドサービスなのでアプリをインストールするだけで利用でき、いつでもどこでも備品の持ち出し状況を確認可能です。
道具や用具、細かい部品など備品の持ち出し管理をアプリでしたいとお考えであれば、お気軽にzaicoにお問い合わせください。