紙のメモをデジタル化?紙のメモをデジタル化する方法

日々の業務で発生する大量の紙のメモがある場合、「あのメモはどこに置いたか」「必要な情報がすぐに見つからない」などが起きることもあるでしょう。

保管スペースを圧迫し、情報の共有も難しい紙のメモは、業務効率の低下を招きます。

こうした課題を解決する有効な手段が「紙のメモをデジタル化」することです。

紙のメモをデジタル化することで何ができるのか、紙のメモをデジタル化する具体的な方法やメリット・デメリットを解説します。

「紙のメモをデジタル化」するとはどういうこと?

紙のメモをデジタル化する」とは、紙に書かれた文字や絵などの情報を、電子データとして保存・管理できるように変換することです。

紙のメモやノート、伝票、手書きのチェックリストなどをスキャンしたり、スマートフォンで撮影したりして、画像やPDFなどのデジタルデータとして保存します。

この段階では、まだバイナリデータとして保存されるだけですが、さらに OCR(光学文字認識) という技術を使うと、手書きや印刷された文字をテキストデータとして認識し、検索や編集もできるようになります。

このように、紙の情報をデータ化して「探せる・共有できる・活用できる」状態にすることが、「紙のメモをデジタル化する」という意味です。

紙のメモをデジタル化する方法

紙のメモをデジタル化するには、いくつかの方法があります。

それぞれに特徴があり、デジタル化したいメモの量や種類、目的に応じて最適な手段を選ぶことが重要です。

紙のメモをデジタル化する代表的な方法を紹介します。

スキャナーを使う

大量の紙のメモや書類を効率的に、かつ高画質でデジタル化したい場合に適しているのが、専用のスキャナーを使用する方法です。

数十枚、数百枚の書類を一度にスキャンできる「ドキュメントスキャナー」は、オフィスでの本格的なペーパーレス化に欠かせません。

自動給紙機能(ADF)により、手作業で1枚ずつセットする手間が省け、作業時間を大幅に短縮できます。

また、多くのスキャナーには、画像の傾きを自動で補正したり、白紙ページを自動で削除したりする機能が搭載されており、品質の高いデジタルデータを作成可能です。

スキャンしたデータはPDFやJPEG形式で保存され、ファイルサーバーやクラウドストレージで一元管理することで、検索や共有が容易になります。

スマートフォンカメラとスキャンアプリを使う

外出先で受け取った名刺や、会議中に書き留めたメモなど、少量の紙をその場で手軽にデジタル化したい場合には、スマートフォンカメラとスキャンアプリの利用が便利です。

近年、スマートフォンのカメラ性能は向上し、専用アプリを使えば、誰でも簡単に高品質なスキャンデータを作成できます。

スキャンアプリには、書類の輪郭を自動で認識して台形補正を行ったり、明るさやコントラストを調整して文字を読みやすくしたりする機能が備わっています。

撮影したデータは、その場でPDFに変換し、メールやチャットツールで共有したり、クラウドサービスにアップロードしたりと、スムーズな連携が可能です。

追加の機器購入が不要で、初期費用を抑えることもできます。

OCRソフトを使う

スキャンしたメモを単なる画像として保存するだけでなく、記載されている文字情報をテキストデータとして活用したい場合に必須となるのがOCR(Optical Character Recognition:光学的文字認識)技術です。

OCRソフトやOCR機能の活用により、画像データの中から文字を読み取り、編集やコピー&ペーストが可能なテキストデータに変換できます。

これにより、メモの内容をキーワードで検索できるようになり、情報の検索性の大幅な向上が期待できるでしょう。

最近では、スキャナーやスキャンアプリに標準でOCR機能が搭載されているものも多く、特別なソフトを導入しなくても手軽に利用できるケースが増えています。

紙のメモをデジタル化するメリット

紙のメモをデジタル化する取り組みには、オフィスが片付くことはもちろん、他にも多くのメリットがあります。

紙のメモのデジタル化によって得られるメリットを見ていきましょう。

保管スペースの削減でオフィス環境がすっきりする

紙のメモや書類が増え続けると、保管するためのファイルキャビネットや棚がオフィススペースを圧迫します。

これは、オフィスの美観を損なうだけでなく、限られたスペースを非生産的な用途で消費してしまう原因です。

デジタル化を進めれば、物理的な保管場所は不要になり、キャビネットが占めていたスペースを、より付加価値の高い空間として活用できます。

また、書類保管のために外部の倉庫を借りている場合は、賃料や管理コストを削減することも可能です。

検索性の向上で業務効率が大幅にアップする

紙のメモから必要な情報を見つけ出すには、ファイルを探し、ページをめくり、目視で確認し、と多くの時間と労力がかかります。

一方、デジタル化されたデータは、検索機能によって一瞬で探し出すことが可能です。

OCRでテキスト化されていれば、ファイル名だけでなく、メモに書かれた内容もキーワードで検索できます。

これにより、「あの会議で決まった仕様は?」「A社との打ち合わせの議事録はどこ?」のような情報を探す時間が大幅に短縮され、本来注力すべきコア業務に集中できるようになるでしょう。

劣化や紛失の心配がなく長期保存が可能

紙は、時間とともにインクが薄れたり、湿気で劣化したり、あるいは汚損したりするリスクが常に伴います。

また、人的ミスによる置き忘れや誤廃棄など、紛失のリスクも無視できません。

一方、デジタルデータであれば、物理的な劣化は起こりません。

さらに、クラウドストレージや社内サーバーに保存し、定期的にバックアップを取ることで、災害や機器の故障などの不測の事態が発生しても、データを安全に保護できます。

リモートワークや外出先でも情報共有がスムーズになる

紙のメモや書類は、保管されているオフィスでしか閲覧できません。

そのため、リモートワークや外出中の従業員は、必要な情報にアクセスできず、業務が滞ってしまうことがあります。

一方、紙をデジタル化してクラウド上に保存すれば、インターネット環境さえあれば、いつでもどこからでも必要な情報にアクセスが可能です。

これにより、場所に縛られない柔軟な働き方が実現できます。

紙のメモをデジタル化するデメリットと対策

多くのメリットがある一方で、紙のメモのデジタル化には、事前に理解しておくべきデメリットも存在します。

デメリットを軽視して導入を進めると、かえって現場の負担が増えたり、新たなリスクを生み出したりする可能性もあるため注意が必要です。

紙のメモをデジタル化するデメリットを対策と合わせて解説します。

ツールや機器の導入・運用にコストがかかる

デジタル化を実現するためには、一定の初期コストやランニングコストが必要です。

ドキュメントスキャナーや、OCRソフト、データを保存するためのクラウドストレージサービスなど、ツールや機器の導入にはコストがかかります。

無料のツールもありますが、ビジネスで本格的に利用するとなると、セキュリティや機能面に優れた有料のサービスを選択するケースが多くなるでしょう。

導入を検討する際は、初期コストとランニングコストを合わせたトータルコストと、デジタル化によって得られる業務効率化の効果を比較し、投資効果を慎重に見極めることが重要です。

大量の紙をデジタル化するのに時間と労力がかかる

過去に蓄積された大量の紙のメモや書類を一度にデジタル化する作業は、想像以上に時間と労力が必要です。

1枚ずつスキャンし、適切なファイル名を付け、決められたフォルダに整理していく地道な作業は、通常業務と並行して行うため大きな負担になります。

デジタル化の優先順位を決めてよく参照する書類から順番に進める、新規発生分から完全デジタル化するなど、段階的なアプローチが有効です。

また、外部の代行業者にスキャンを委託するのも良いでしょう。

システム障害時にアクセスできないリスクがある

デジタルデータは、システムやインフラに依存します。

例えば、社内のファイルサーバーが故障したり、利用しているクラウドサービスで大規模な障害が発生したりすると、アクセスできなくなるリスクがある点に注意が必要です。

また、停電やインターネット回線の不通などの、自社ではコントロールできない外部要因によっても同様の事態が起こり得ます。

こうしたリスクに備えるには、バックアップを複数の場所に保管する、オフラインでも最低限の情報を閲覧できるようにしておくなどの対策が有効です。

セキュリティ対策が必要になる

デジタルデータは複製や共有が容易である反面、サイバー攻撃による情報漏洩やデータ改ざんなど、紙媒体とは異なる新たな脅威にさらされます。

特に、顧客情報や技術情報のような機密性の高いデータを取り扱う場合は、万全のセキュリティ対策が不可欠です。

例えば、閲覧・編集できる人を制限するアクセス権限の設定やパスワード管理の徹底、データの暗号化、ウイルス対策ソフトの導入などが必要になります。

利便性と安全性はトレードオフの関係にあることも多いため、両者のバランスを考慮したセキュリティポリシーを策定し、運用していくことが重要です。

在庫管理の紙のメモをデジタル化するならzaico

紙のメモのデジタル化によって、保管スペースの削減や検索性の向上、情報共有の円滑化など、多くの業務改善効果が期待できます。

一方で、初期コストやセキュリティ対策など、導入にあたって検討すべき課題もあります。

これらを総合的に判断し、自社の業務に最適なデジタル化の方法を選択することが重要です。

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