納品管理にエクセルテンプレートを使うメリットと作り方のポイント

納品書の発行や検収状況の確認などの納品管理は、取引のたびに発生する地道な作業でありながら、ミスが許されない重要な工程です。

専用システムを導入するほどではない、まずは手元のツールで始めたいという方にとって、エクセルのテンプレートは手軽で現実的な選択肢になります。

納品管理エクセルテンプレートに必要な項目や作り方の手順を解説したうえで、エクセル運用で見えてくる課題とその対策について解説します。

納品管理エクセルテンプレートとは

納品管理エクセルテンプレートとは、納品書の作成や納品状況の記録に必要な項目があらかじめ整えられた、エクセル形式の雛形のことです。

取引先名や商品名、数量、金額、納品日、検収状況などの基本的な項目があらかじめ用意されており、必要な情報を入力するだけで体裁の整った納品書や管理表が完成します。

一から表を組む必要がなく、関数による自動計算や印刷レイアウトが組み込まれているものも多いため、エクセルの操作にそれほど詳しくない人でもすぐに使い始められます。

納品管理は、商品やサービスを取引先に納める際に「いつ・何を・いくつ・いくらで納めたか」を正確に記録し、相手方の検収まで含めて取引の完了を確かめる業務です。

エクセルのテンプレートは、こうした記録を統一されたフォーマットで残せる手段として、中小企業や個人事業主を中心に広く活用されています。

インターネット上には無料で配布されているテンプレートも数多くあり、自社の取引内容に近いものを選んでカスタマイズすれば、コストをかけずに納品管理の仕組みを整えることが可能です。

納品管理のエクセルテンプレートに必要な項目

納品管理を正しく行うには、テンプレートに載せる項目をきちんと押さえておくことが欠かせません。

納品管理のエクセルテンプレートに必要な項目を、カテゴリに分けて見ていきましょう。

取引・発行情報

まず基本となるのが、取引の主体と発行の履歴を明確にするための情報です。

具体的には、納品書の発行日、固有の伝票番号、納品先となる顧客の正式名称や担当者名、自社の社名や適格請求書発行事業者登録番号などが挙げられます。

発行日は後続の請求処理や売上計上のタイミングを決定する基準となり、伝票番号は過去の取引履歴を検索したり、問い合わせに対応したりする際の重要な手がかりです。

これらの情報が正確に記載されていることで、取引の信頼性が担保されます。

商品・金額情報

次に、納品する対象物の詳細とそれに付随する金額の情報です。

ここには、品番や商品名、単価、納品数量、小計金額、消費税額、総合計金額などが含まれます。

金額情報では、単価と数量を入力するだけで小計が自動計算される仕組みや、軽減税率の対象品目がある場合には、税率ごとに区分して消費税を計算し、それぞれの合計金額を明記する欄などを設けると良いでしょう。

値引き金額を記載できる行をあらかじめ用意しておくと、イレギュラーな取引にも柔軟に対応できます。

納品・検収情報

最後に押さえておきたいのが、納品の状況と、取引先による受領・検収の状況を記録する情報です。

納品日や納品先、配送方法、納品の進捗を示すステータスのほか、取引先が品物を確認して受け取ったことを示す検収日や検収者の欄などが含まれます。

納品管理が単なる書類発行と異なるのは、相手方が確かに受け取り、内容に問題がないと確認するところまでを見届ける点です。

検収情報を記録しておくことで、「納めたはずなのに届いていない」「数量が違う」といった行き違いが起きた際にも、どこまで処理が進んでいたのかを客観的にたどれます。

納品管理のエクセルテンプレートの作り方

配布されているテンプレートをそのまま使う方法もありますが、自社の取引形態に合わせて作り込むことで、より使いやすく実務に即した納品管理が実現します。

納品管理のエクセルテンプレートの作り方の基本的な手順を紹介します。

項目を洗い出してシート設計を決める

最初のステップは、自社の納品業務でどんな情報を扱っているのかを洗い出し、シートの構成を決めることです。

前章で挙げた取引・発行情報、商品・金額情報、納品・検収情報をベースに、自社の取引で必要となる項目を書き出していきましょう。

取引一覧を記録する管理用シートと、そこから個別の納品書を出力するシートを分けて作ると運用がしやすくなります。

一覧シートで全体の進捗を俯瞰しつつ、必要に応じて整った帳票を取引先に渡せる構成にしておけば、社内管理と対外的な書類発行の両方をカバーできます。

入力規則と関数で計算ミスを防ぐ

シートの骨組みができたら、入力ミスや計算ミスを防ぐ仕組みを組み込んでいきましょう。

数量と単価をかけて小計を出す計算や、明細の小計を合計する処理、消費税額を求める計算などを関数で自動化しておけば、計算ミスのリスクが大きく下がります。

また、エクセルの入力規則を使えば、特定のセルにプルダウンリストを設定して取引先名や商品名を選択式にしたり、数量に数値以外を入力できないよう制限したりすることが可能です。

手入力の機会を減らすことで、表記のばらつきや打ち間違いを抑えられます。

印刷レイアウトと帳票出力を整える

納品管理表から納品書を出力する場合、取引先に渡すため、画面上で完結する管理だけでなく、印刷やPDF出力を前提としたレイアウトの調整も重要です。

印刷範囲を設定し、用紙サイズや余白を整えることで、データが途中で切れたり、余分な行が出力されたりするのを防げます。

ヘッダーに自社のロゴや会社情報を配置し、表の罫線や見出しを整えれば、体裁の整ったフォーマットになるでしょう。

出力した帳票が取引先に与える印象は、自社の信頼性にも関わるため、見やすさと正確さを意識して仕上げましょう。

納品管理にエクセルテンプレートを使うメリット

エクセルテンプレートを用意し、納品管理に活用することには多くの利点があります。

納品管理にエクセルテンプレートを使うことで得られるメリットを見ていきましょう。

フォーマット設計の手間なくすぐに納品管理を始められる

テンプレートを使う最大のメリットは、項目や関数、印刷レイアウトを一から組まずに済むことです。

インターネット上で無料で配布されているテンプレートをダウンロードすれば、ダウンロードしたその日から運用に入れます。

カスタマイズの土台が用意されているため、自社向けに手を加える場合でも試行錯誤の時間が短くて済み、より本来の業務に集中しやすくなるでしょう。

必要項目が雛形に揃っているため記載漏れを防げる

インターネット上で配布されている実績のあるテンプレートには、納品管理に必要な項目があらかじめ用意されています。

そのため、ゼロから作る場合に起こりがちな「必要な欄を入れ忘れた」という事態を避けることが可能です。

取引先名や数量、金額、検収状況などの欄が枠として示されていれば、そこを埋めていくだけで必要な情報を網羅でき、記載漏れによるトラブルを未然に防げます。

フォーマットを統一でき社内・取引先間の齟齬をなくせる

同じテンプレートを社内で共有して使えば、誰が作成しても書類の体裁や項目が揃い、フォーマットを統一できます。

部署や担当者ごとに様式がばらばらだと、社内での確認に手間がかかったり、取引先が書類を読み解きにくくなったりしますが、テンプレートを使うことでこうした齟齬がなくなるでしょう。

統一されたフォーマットは、過去の取引を見返す際の検索性も高め、社内の引き継ぎや取引先とのやり取りを円滑にします。

納品管理をエクセルテンプレートでする際の課題と対策

手軽で便利なエクセルテンプレートですが、運用を続けるうちに課題に直面する場合もあります。

あらかじめ知っておくべき課題とその対策を解説します。

無料配布のテンプレートにはマルウェア感染のリスクがある

インターネット上で配布されている無料テンプレートを利用する際にまず注意したいのが、ファイルの安全性です。

出所のはっきりしないファイルには、悪意のあるプログラム(マルウェア)が仕込まれている可能性があり、不用意に実行すると、情報漏えいなどのリスクがあります。

対策としては、信頼できる提供元のテンプレートだけを利用し、ダウンロードしたファイルはウイルス対策ソフトで確認することが基本です。

近年のOfficeではインターネット由来のファイルのマクロが既定でブロックされますが、警告が出ても安易に有効化しないよう気をつけましょう。

配布されているテンプレートが自社の業務にそのまま合わない

無料配布されているテンプレートは汎用的に作られているため、自社の業務にそのまま当てはまるとは限りません。

必要な項目が足りなかったり、逆に使わない欄が多かったりすると、結局は手直しの作業が発生します。

とはいえ、ゼロから検討を始めるよりは、テンプレートを参考にしたほうがはるかに効率的なはずです。

自社の業務に近い構成のテンプレートを選んだうえで、前章で触れた作り方の手順を参考に項目や計算式を調整していきましょう。

改修したテンプレートの最新版が全担当者に浸透しない

ファイルを各個人のパソコンに保存して運用していると、必ず発生するのがバージョン管理のトラブルです。

業務変更に合わせてテンプレートを改良しても、古いファイルを使い続ける担当者が残り、新旧のフォーマットが混在してしまう状態に陥ります。

これを防ぐには、共有フォルダやクラウドストレージ上に最新ファイルを保存するルールを設け、作成時は必ずそこからコピーして使うという運用フローを徹底することが有効です。

また、ファイル名にバージョンや更新日を入れておくと、どれが最新かを見分けやすくなります。

法制度改正のたびにテンプレートの作り直しが発生する

長く運用するうえで負担になりやすいのが、法制度の改正への対応です。

インボイス制度や電子帳簿保存法のような改正があると、自社テンプレートの項目追加や計算式の修正、運用ルールの見直しが必要になります。

こうした対応を都度テンプレートの手直しで追いかけていると、修正漏れが起きやすくなります。

これを解消するにはSaaS型のクラウドサービスへ乗り換えるのが有効です。

SaaSは提供事業者がシステムを管理・更新するため、法改正があってもベンダー側がアップデートで対応し、利用者は常に最新の制度に準拠した状態で使い続けられます。

自社で作り直す手間や対応漏れから解放されたいなら、SaaSへの移行が確実な解決策といえるでしょう。

納品管理はエクセルテンプレートからzaico

エクセルテンプレートは、コストをかけずに手軽に合格点品質の納品管理を始められる有効な手段です。

一方で、規模が拡大するにつれて限界が見えたり、制度改正のたびに作り直しが必要になったりするという課題もあります。

これらは、エクセルの仕組みそのものに由来するため、運用の工夫だけで解消するのは容易ではありません。

エクセルテンプレートでの納品管理に限界を感じてきたら、「クラウド在庫管理システムzaico」をご検討ください。

zaicoは在庫管理だけでなく、納品管理につながる機能も備えたシステムです。

在庫データをもとに出庫データを登録すれば、そのまま納品書を作成・PDF出力でき、出力する項目は自社の運用に合わせてカスタマイズできます。

SaaS型のクラウドサービスなので、制度変更にも自社で対応する必要はありません。

納品管理をエクセルテンプレートからステップアップをお考えの方は、お気軽にzaicoまでご相談ください。

※記事内に記載されたzaicoのサービス内容や料金は記事公開時点のものとなり、現行の内容とは異なる場合があります