属人化とは、個人に業務が集中してしまうことで業務効率の低下や人手不足などの原因となる状態や課題を指します。
しかし、属人化は個人の専門性を高める上ではメリットに繋がることもあるので、一概にデメリットしかないともいえません。
属人化のメリット・デメリットについて確認し、属人化にメリットは実際にあるのか、メリットとデメリットの繋がりから、属人化解消のメリットについて考えていきましょう。
目次
属人化はデメリットだけでなくメリットもある？
属人化は個人に業務が集中するので、人手不足や業務効率の低下に繋がってしまい、デメリットしかないと感じてしまうのは当然かもしれません。
属人化は解消した方が良いものではありますが、個人に業務が集中することで個人の専門性が高まるというメリットがあるといえる部分もあります。
また、属人化した方が教育などに時間がかからないので仕事が進みやすい場合もあるでしょう。
しかし、属人化はどうしても個人に業務が集中することで人手不足に繋がりますし、属人化に対応している従業員が休めない、いなくなると継続できなくなるなどのデメリットもあります。
属人化にもメリットはあるといえますが、専門性を高めることは個人だけではなく従業員全員で行えたほうがより良いですし、育成への時間もかけたほうが良いでしょう。
考え方によっては、属人化にメリットがあると捉えることもできますが、属人化によるデメリットがなくなるわけではないので、属人化は解消する必要があると考えておいたほうがいいかもしれません。
属人化はメリットよりデメリットのほうが多い
属人化にはメリットもありますが、デメリットのほうが多いといえるでしょう。
たとえば、属人化することで人手不足が加速したり、業務効率が下がったりなど組織全体に悪影響を及ぼすデメリットもあります。
また、属人化になっている従業員が休んだ場合、他に対応できる人がいないので作業が滞ることもあるでしょう。
属人化によって個人の専門性が高まることはメリットではありますが、その方だけに依存しているのであれば、同時に属人化のデメリットも生じていると言えます。
属人化のメリットがあっても属人化のデメリットを無視していれば、そのメリットはいつまでも続くものではなく、諸刃の剣であると考えたほうがいいかもしれません。
属人化のメリットはデメリットにもつながる
属人化には、個人の専門性を高めたりなどのメリットもありますが、個人の専門性を属人化で高めるのはリスクを伴います。
担当者が辞めたり休んだりした場合、他の人が専門性を高められなかったことが原因で、知識やノウハウの喪失や人手不足の状態に陥ってしまうでしょう。
また、その人にとっては自分でやる方が効率が良いかもしれませんが、もっと適した方法があるかもしれませんし、組織全体でみると個人に仕事を対応させていては他の従業員が育ちません。
属人化することで専門性が高い仕事を個人が進められる、しがらみがなく独断や独自の方法で進められるのはメリットではありますが、それらができなくなったとき、担当者が不在のとき、いなくなった場合に即座に誰かが行えるのか、ノウハウや知見を後から確認することができるのかという部分をクリアしていないと、属人化のメリットを適切に得ているとは言えないかもしれません。
属人化のメリットは結果的に全体の損失に繋がるので、デメリットともいえるのではないでしょうか。
属人化解消のメリット
属人化を解消することでどのようなメリットがあるでしょうか。
属人化を解消して生じるメリットについて確認しましょう。
業務効率が上がる
属人化を解消することで、個人に業務が集中しなくなり業務効率を上げることができます。
個人に仕事が集中すると結果的に人手不足の状態となり、業務が円滑に進みません。
また、属人化は担当者が突然辞めたり休んだりした場合、他の人が作業できない状況を作り上げてしまうので、業務効率を妨げてしまいます。
会社にとって業務を円滑に進めることは優先したい事項の1つなので、属人化を解消するだけでも業務効率を上げることができるでしょう。
組織全体が成長できる
属人化は個人に業務が集中してしまうので、他の従業員の育成ができません。
仮に担当者が辞めたり休んだりした場合、他の従業員が作業できるように育成することも大切です。
属人化を解消すれば、従業員全員が作業できるようなマニュアルの作成が進みます。
その結果、従業員全員の成長に繋がり、組織全体で業務をこなすことができるでしょう。
隠ぺいが起きにくくなる
隠ぺいは、属人化でなくても起こるものですが、属人化は個人に業務が集中しているだけあって他の作業時よりも隠ぺいが発覚しにくいです。
たとえば、個人で行っている業務が他の従業員の確認を不要としている場合、簡単に捏造や横領などができてしまいます。
そうならないように、個人に強く任せることになるような属人化は避けた方が良いでしょう。
属人化を解消すれば、発覚しにくい隠ぺいを防ぐことが可能ですし、ミスに事前に気がつけるようになる場合もあります。
属人化を解消しないデメリット
属人化を解消しないと、どのようなデメリットが生じるのでしょうか。
属人化を解消しないデメリットについて確認していきましょう。
属人化のデメリットを抱えたままになる
当たり前のことですが、属人化を解消しなければ属人化で引き起こされるデメリットを抱えたままでいることになります。
現時点で属人化にメリットを感じていたり、属人化のデメリットを感じていなかったとしても、属人化の状態では少しずつ課題や問題が蓄積されており、顕在化されていないだけといえます。
属人化のデメリットが生じてから、属人化だったと気がつくこともあるぐらいなので、属人化を解消する以前に、属人化自体の理解や属人化にならないための取り組みが求められるのです。
人手不足の状態が続く
属人化は個人に業務が集中するため、人手が足りているのに不足してる状態に陥ってしまいます。
人手不足が続くと業務効率が低下し、生産性が下がるだけでなく品質が低下する恐れもあるでしょう。
人手不足が原因で企業全体の売り上げが下がる可能性も高いです。
属人化を解消すれば人手不足が解消される状態にある場合は、速やかに属人化解消のための策を講じる必要があります。
業務効率が下がったままになる
属人化は、個人に業務が集中するので全体の業務効率が下がってしまい、業務が円滑に進まなくなります。
業務効率が下がったままだと納期が遅れ、企業のブランドイメージも下がってしまうでしょう。
個人で業務に対応したほうがスピーディに動ける場合もありますが、休んでしまった場合は誰も対応ができず、業務が進まなくなります。
不測の事態にそなえて、どのような状況でも円滑に業務が進むよう、属人化は解消すべきです。
属人化のメリット・デメリットの大きさで対応は変わる
属人化を解消する場合は、属人化のメリット・デメリットの内容や大きさによって対処法を考えるべきです。
どのように属人化の対応を変えるべきか確認しましょう。
業務内容を見直す
どうしても属人化してしまう業務がある場合は、業務内容を見直すことがおすすめです。
そもそも、なぜ属人化になってしまうのか、根本的な原因を把握しなければ属人化の解消はできません。
なぜ個人に仕事が集中してしまうのか、なぜ属人化のまま業務が進んでしまっているのか、原因を探るためにも業務内容を見直しましょう。
たとえば、すべての業務をリストアップし見える化することで、どの業務に人員を分配すれば良いのか考えやすいです。
業務内容を見直すことで属人化している業務を確認し、属人化を解消しましょう。
マニュアルを作成する
特定の個人でしか対応できないから属人化になってしまっている場合は、マニュアルを作成し、ほかの従業員も作業できるように対応すると良いです。
属人化は、特定の従業員しか対応できない場合に多く、仮に担当者が辞めたり休んだりした場合、他の従業員が対応できず業務が滞ってしまいます。
そうならないようにするためにもあらかじめマニュアルを作成し、マニュアルを見れば対応できるよう体制を整えることが大切です。
マニュアルを作成する際は、専門的な言葉は使わず、誰が見ても対応できるようシンプルな言葉で作成しましょう。
また、「この作業は書かなくても分かるだろう」という憶測で内容を省くのではなく、知識がない状態でも対応できるようすべての工程を記載するようにしてください。
DXを推進する
本来は違う業務に人員を割きたいのに、属人化によって人手不足などが引き起こされている場合は、属人化している作業に適したツールを導入しましょう。
デジタル化を進めることで人の手を省くことができ、属人化を防ぐことができます。
ツールを導入する際は、以下の点に注視することで上手に活用することができるはずです。
- 属人化が解消されるようなツールか
- 業務に適しているか
- シンプルな操作性か
DXを推進することで従業員の仕事量が減り余裕も出るので、人手不足改善にも繋がります。
属人化のメリット・デメリットを考えて解消しよう
属人化は、個人に仕事が集中することで人手不足などさまざまな悪影響を及ぼしてしまう原因の1つです。
特定の従業員だけが作業することで専門性が高まるなどのメリットもありますが、デメリットの方が多いので、属人化は解消した方が良いでしょう。
属人化の対策にはデジタル化を進めて、属人化している業務に適したツールの導入がおすすめです。
もしも、在庫管理業務が属人化している場合は、「クラウド在庫管理ソフトzaico」を検討してみてはいかがでしょうか。
zaicoはクラウド上で在庫管理ができるツールで、シンプルな操作性から誰でも簡単に使いこなすことができます。
在庫管理が属人化しており、人手不足状態が続いたり業務効率が下がったりしている場合は、zaicoを導入することで改善されるかもしれません。
zaicoは無料で試すこともできるので、まずはお気軽にご相談ください。
