棚卸差異が起こる理由の第5回目です。
私がコンサルティング先でよくする質問です。
目の前の在庫を数えていいかどうか、自信を持って言えますか?
という質問です。
目の前にあるものを数えるのは当たり前じゃないか!!
と言われそうですが、実はこれは半分正解、半分不正解。
まず、大前提として棚卸しで数えるものは、
会社の資産であることです。
この前提がとても大切です。
よくあるのは、次の2つのケースです。
- 売上処理が終わっているが、まだ商品は出荷しておらず、預かっている。
- 売上処理はまだ終わっていないが、お客様から頼まれたので、事前に出荷した。
棚卸しのタイミングで、1と2が起こっていたら、どうなるでしょう?
資産という観点から考えると、
1の場合は、目の前に現物はありますが、すでに相手の資産になっているので、数えません。
2の場合は、すでに現物はありませんが、まだ会社の資産なので、数えます。
棚卸しの時点で、このようなややこしいものは全て無くしておくのが、大原則です。
ただ、どうしても残る場合もあります。
その場合は、在庫の状態を共有化します。
事務所と現場の連携です。
1の場合は、現品に貼り紙をする、置き場を区切るなどの方法で対応します。
2の場合は、事務所で「先行出荷リスト」とか作って、現場から上がってくる棚卸し結果に加えておく。
在庫を数えるという単純な作業ですが、会社の資産を数えるということをお忘れなく。
これまでの棚卸差異が起こる理由はこちらからご覧ください。
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