部品の在庫管理表とは?部品の在庫管理表の特徴や作成手順と課題対策

製造業において、部品の在庫管理は生産活動を支える重要な業務です。

適切な在庫量を維持できなければ、生産ラインの停止や過剰在庫によるコストの増大を招きかねません。

部品の在庫管理では、一般的な商品在庫とは異なる特徴や課題があり、それに応じた適切な管理が必要です。

部品在庫管理表の特徴や管理項目から部品在庫管理表の作り方、課題と在庫管理システムによる解決策を解説します。

部品の在庫管理表の特徴

部品の在庫管理は、一般的な商品の在庫管理とは異なる、いくつかの特徴を持っています。

これらの特徴の理解が、適切な管理体制を築くための第一歩です。

まずは、部品在庫管理表に求められる特徴を見ていきましょう。

管理する品目数が多く似た部品も多い

製造業では、1つの製品を作るために数十から数百、ときには数千種類もの部品が必要になることは珍しくありません。

特に電子機器や自動車などの複雑な製品では、管理すべき部品の種類が膨大です。

さらに、ネジやボルトのように、サイズや材質がわずかに違うだけの酷似した部品も多数存在します。

これらの部品を取り違えてしまうと、組み立て工程の手戻りや製品不良につながるため、部品の在庫管理表では厳密な管理が求められます。

部品表(BOM)との連携が必要

部品の在庫管理では、部品表(BOM:Bill of Materials)との連携が欠かせません。

BOMとは、製品を構成する部品の一覧表のことで、どの製品にどの部品が何個必要かを示したものです。

生産計画に基づいて必要な部品数を算出する際、BOMの情報をもとに各部品の所要量を計算します。

そのため、在庫管理表とBOMが連携していないと、必要な部品を適切なタイミングで確保できず、生産遅延の原因となってしまいます。

生産計画に基づく発注点やリードタイム管理がシビア

部品の在庫は、あくまで生産計画を達成するためのものです。

そのため、発注のタイミングや量は、すべて生産計画から逆算して決定しなければなりません。

ここで重要になるのが、在庫が一定量を下回ったら発注をかける基準となる「発注点」と、発注から納品までにかかる時間である「リードタイム」の管理です。

たった1つの部品が欠品しただけで、生産ライン全体が停止してしまうリスクがあります。

発注点とリードタイムをシビアに管理し、欠品を起こさない仕組みが部品の在庫管理表には不可欠です。

ロット番号やシリアル番号でのトレーサビリティが重要

部品の在庫管理では、万が一、製品に不具合が発生した場合に備え、原因究明や回収を迅速に行うための「トレーサビリティ」の確保も重要です。

トレーサビリティとは、部品が「いつ、どこで、誰によって」製造・使用されたかを追跡できる追跡可能性を指します。

トレーサビリティするのが、製造単位で管理する「ロット番号」や、個々の部品を識別する「シリアル番号」です。

これらの番号を在庫データと紐づけておくことで、問題発生時に影響範囲を即座に特定できます。

部品の在庫管理表に記載すべき項目

部品の在庫管理を効率的かつ正確に行うためには、前述の特徴を踏まえて、在庫管理表に必要な項目を過不足なく盛り込むことが重要です。

以下に、部品の在庫管理表に記載すべき基本的な項目を挙げます。

  • 管理番号・部品コード
  • 部品名
  • 型番・品番
  • 仕様・規格
  • 仕入先
  • 単価
  • 保管場所
  • 入庫日・入庫数
  • 出庫日・出庫数
  • 現在在庫数
  • 発注点
  • ロット番号・シリアル番号
  • 担当者

自社の運用に合わせて、これらの項目から必要なものを選んでみてください。

部品の在庫管理表を作る手順

効果的な部品の在庫管理表を作るには、ただやみくもに作るのではなく、計画的に設計することが大切です。

エクセルなどを利用して、ゼロから部品の在庫管理表を作るためのステップを解説します。

管理対象部品のリストアップと分類

まず、管理すべき部品をリストアップします。

その際、ABC分析などの手法を用いて部品を分類すると効果的です。

ABC分析とは、金額や使用頻度、欠品時の影響などの基準で部品を重要度順にA、B、Cのグループに分ける手法です。

例えば、高額で使用頻度の高い部品はAグループとして重点管理し、低額で使用頻度の低い部品はCグループとして簡易管理するといった方法が考えられます。

このように分類することで、在庫管理に濃淡をつけ、負担の軽減が可能です。

必要な管理項目の決定

次に、先に挙げた「記載すべき項目」を参考に、自社の管理レベルに合わせて必要な項目を決定します。

例えば、トレーサビリティが特に重要な部品であればロット番号の欄は必須です。

保管場所が複数あるなら棚番まで管理する必要があるでしょう。

項目が多すぎると入力の手間が増え、運用が形骸化する恐れがあるため、本当に必要な項目に絞り込むことが重要です。

エクセルなどでの管理表フォーマット作成

決定した管理項目をもとに、エクセルなどの表計算ソフトで管理表のフォーマットを作成します。

各項目の列幅や表示形式を適切に設定し、入力しやすく見やすいレイアウトにしましょう。

また、在庫数の自動計算や発注点を下回った際のアラート表示など、エクセルの関数機能の活用により、手作業のミスを減らし効率化を図れます。

プルダウンリストを設定して入力内容を制限するなど、データの品質を保つ工夫も有効です。

マスタデータの整備と初期入力

フォーマットが完成したら、部品の基本情報である「マスタデータ」を整備します。

マスタデータとは、部品コードや部品名、仕様、単価などの、頻繁には変更されない固定情報のことです。

このマスタが不正確だと、後々のデータすべてに影響が出るため、時間をかけてでも正確な情報を登録することが重要です。

マスタを整備した後、実際に倉庫にある部品の数を数える「実地棚卸」を行い、その数量を初期在庫として入力します。

運用ルールの策定と周知

在庫管理表は、作って終わりではありません。

適切に機能させるには、「誰が、いつ、どのタイミングで、どのように入力するのか」という運用ルールを明確に定め、関係者に周知徹底することが欠かせません。

例えば、「部品の入庫があったら、その場で担当者が入力する」「出庫時は、生産担当者が払い出し伝票を起票し、事務担当者が当日中に入力する」といった具体的なルールです。

このルールが守られて初めて、在庫管理表は信頼できるデータとなります。

部品の在庫管理表でよくある課題

エクセルなどで作成した在庫管理表は、手軽に始められる一方で、運用を続けるうちにさまざまな課題に直面します。

部品の在庫管理表でよくある課題を解説します。

入力漏れやミスで在庫が合わない

手作業での在庫データ入力には、ミスがつきものです。

「忙しくて入力を忘れてしまった」「数量を1桁間違えて入力した」のようなミスが積み重なることで、在庫管理表上の「理論在庫」と、倉庫にある「実在庫」との間にズレが生じます。

この在庫差異は、欠品による生産停止や、過剰在庫によるキャッシュフローの悪化など、深刻な問題を引き起こす原因となります。

リアルタイムに更新されず現場に情報が反映されない

事務所に戻ってからまとめて入力する、などの運用をしている場合、在庫情報がリアルタイムに更新されません。

その結果、現場の担当者は古い在庫情報を見てしまい、「データ上は在庫があるはずなのに、実際には無かった」という事態が発生する原因です。

これでは、せっかくの在庫管理表がうまく機能せず、結局は現場担当者が自分の目で在庫を確認しに行くという非効率な作業が残ってしまいます。

特定の人しかメンテナンスできない属人化に陥る

エクセルに詳しい特定の担当者が、複雑な関数やマクロを駆使して在庫管理表を作成した場合、他の人がメンテナンスができなくなる「属人化」に陥りがちです。

属人化が進むと、その担当者が異動や退職した場合、途端に在庫管理業務が滞りかねません。

業務の継続性を担保するためには、誰でも使える標準化された仕組みが必要です。

データが増えすぎて部品管理表の動作が重くなる

部品の入出庫の履歴データは日々蓄積されていくものです。

部品点数や入出庫が多い場合、時間の経過とともにエクセルファイルのデータ量が膨大になり、ファイルを開いたり計算したりする動作が重くなってしまいます。

これにより、日々の入力作業の効率が著しく低下し、担当者のストレス増大にもつながります。

部品の在庫管理表はエクセルより在庫管理システムが良い理由

エクセルでの部品在庫管理表の課題の多くは、専用の在庫管理システムの導入によって解決が可能です。

部品の在庫管理表には、エクセルより在庫管理システムが良い理由を解説します。

バーコードやQRコードで簡単に入出庫登録できる

在庫管理システムの多くは、ハンディターミナルやスマートフォンを使って、バーコードやQRコードを読み取るだけで簡単に入出庫作業が完了します。

手書きやキーボード入力が不要になるため、入力ミスが劇的に減り、作業時間の短縮も可能です。

また、リアルタイムでデータが反映されるため、常に最新の在庫状況を把握できます。

生産計画と連動して必要な部品を自動引当できる

高度な在庫管理システムでは、生産計画と連動した部品の自動引当機能を備えています。

例えば、生産計画に基づき「来週の生産に必要な部品」を自動で在庫から引き当てたり、安全在庫数を下回った場合にアラートを出したりすることが可能です。

これにより、担当者の発注タイミングの判断ミスがなくなり、欠品リスクを抑えつつ、過剰在庫も防ぐことにもつながります。

標準化された機能で誰でも使いやすい

在庫管理システムは、「在庫管理」という業務に特化して設計されているため、誰にとっても直感的で分かりやすいインターフェースを備えています。

エクセルのように複雑な関数を理解する必要がなく、新しい担当者でもすぐに操作方法の習得が可能です。

マニュアルやヘルプ機能も充実しているため、属人化を防ぎ、誰もが同じレベルで業務を遂行できる環境を整えられます。

大規模な部品管理にもスムーズに対応できる

在庫管理システムは、膨大なデータを高速に処理できるよう、専門のデータベースを基盤としています。

そのため、扱う部品点数や取引履歴データがどれだけ増えても、エクセルのように動作が重くなることはありません。

企業の成長に合わせてデータ量が増加しても、ストレスなくスムーズに運用を続けることが可能です。

部品の在庫管理表に限界を感じたらzaico

部品の在庫管理には、品目数の多さに加え、BOMや生産計画との連携など、特有の難しさがあります。

エクセルで作成した在庫管理表は手軽ですが、入力ミスによる在庫差異や属人化、データの肥大化による動作遅延などの課題は避けられません。

もし、エクセルの在庫管理表を使った業務に限界を感じているなら、「クラウド在庫管理システムzaico」の導入をご検討ください。

zaicoは、スマートフォンでバーコードやQRコードをスキャンするだけで簡単に入出庫登録ができ、リアルタイムで在庫情報が更新されます。

複数拠点での在庫管理や、ロット番号・シリアル番号の管理にも対応しており、トレーサビリティの確保も万全です。

部品在庫表やエクセル管理の苦労から解放されたいとお考えなら、まずはお気軽にzaicoまでご相談ください。

※記事内に記載されたzaicoのサービス内容や料金は記事公開時点のものとなり、現行の内容とは異なる場合があります