リードタイムとは?在庫管理のリードタイムの種類や短縮のポイントなどを解説

今回は「リードタイム」について紹介していきます。
「リードタイム」は納品までのスケジュールについてやり取りするとき、よく使われる言葉です。
倉庫管理業務は、搬入、ピッキング、出荷、納品など複数の工程が絡み合って構成されています。このような管理業務では「リードタイムを意識すること」がとくに重要で、リードタイムに対する意識の度合いが、作業効率や業績・成果により反映されやすくなってきます。ここでしっかり「リードタイムに対する意識」を高めていきましょう。

リードタイムとは?

リードタイム(Lead Time)は、ビジネスの場(主に流通現場)においてさまざまな局面で使われる言葉ですが、端的に言うと一連の工程をセットとして区切り、そのセットの起点から終点までにかかる時間や期間のことを意味します。たとえば「食べ物の注文から配達までの時間」、「製品の発注から納品までの期間」、「プロジェクトの企画から完成までの期間」などはリードタイムとして捉えられます。

この「リードタイム」という言葉、よくよく考えてみると不思議です。リード(Lead)には、「先導する」とか「率いる」などの意味がありますが、これにタイム(Time)を組み合わせたリードタイムという言葉からは「工程の始まりから終わりまでの期間」という具体的かつ限定的な意味にまでイメージを及ばせることは難しいと思いませんか?

実は、このリードタイムという言葉は自動車メーカーのトヨタが社内において工程管理の効率化を図るためにスローガン的に唱えられ、広がっていった和製英語と言われています。
そうした言葉の発祥から考えていくと、リードタイムとは自分の関与する業務のテリトリーを明確化し、そのテリトリーにおいてサービスの内容をより良質かつ迅速なものへと変えていくきっかけとするための概念やキーワードとして捉えるべき言葉であると言えるでしょう。

リードタイムを設定する意義

リードタイムを意識し、自ら設定することでビジネスチャンスをよりゲットしやすくなります。

こんな場面を想像してみてください。
ふと目に入った品物を見て、「これはいい、よし、これを買おう」と思い立ち、その品物を手に取り、レジに並ぼうとしたら、レジ前には長蛇の列ができている。

さて、こんなときみなさんはどのような行動をするでしょうか?
「何としてもこの品物を買おう」と強い思いでレジに並ぶ人もいれば、「よく考えたらそんな必要なものでもないし、やっぱいいや」と思い、買うのを止めてしまう人もいることでしょう。

一方で、並んでいる人が少ないレジ、あるいはたくさん台数があって、お客さんがたくさんいても回転がよいのですぐに買えるレジだったらどうでしょう? 「これはいい、これを買おう」という気持ちが保たれた状態でレジに並び、速やかに会計→購入へと進んでいきますよね。

「よし、これを買おう」と思ったお客の意思決定の瞬間から実際に会計を済ませ購入に至るまでの時間、これを購入までのリードタイムと捉えられます。そして、レジで並ばせない戦略を取ってお客の購入につなげられた商品供給サイドは購入までのリードタイムを短縮させることでビジネスチャンスを一つでも多くモノにできます。

それでは在庫管理では、このリードタイムの概念をどう反映させることができるのでしょう?今から見ていきたいと思います。

在庫管理のリードタイム

複数の工程で構成される在庫管理業務では、各工程においてリードタイムを設定することが可能です。またこれにより作業効率が向上し、業績にもよい影響が出やすくなります。
具体的には、「発注リードタイム」、「製造リードタイム」、「納品リードタイム」などに類型化できます。

発注リードタイム

「発注リードタイム」とは、発注してから納品されるまでの時間をいいます。小売店や販売店などの業者により深く関連するリードタイムとなります。
発注リードタイムの場合、発注してすぐに出来るもの、届くものならトラブルは起こりにくいのですが、発注してから出来上がるまでに時間のかかる製品の場合、発注リードタイムの期間が長くなりがちです。
そのような製品を発注する場合、発注サイドは発注リードタイムの期日分の在庫を予め確保しておく必要があります。また、発注リードタイムの期日をより明確に定め、受注サイドに対しては発注リードタイムに遅れないよう注意を促しておく必要があります。
 

発注リードタイムと安全在庫

受注サイドの都合で発注リードタイムが大幅に延長すれば、在庫がショートするリスクが高くなります。
こうした非常事態に備え、保持しておくべき在庫を「安全在庫」と言います。専門的な話になりますが、安全在庫を算出する計算式があります。

安全在庫=安全係数×使用量の標準偏差×ルート(発注リードタイム+発注間隔)

詳細はクラウド在庫管理ソフトのコラム「安全在庫を計算する」で紹介していますので興味のある方はチェックしてみてください。
https://www.zaico.co.jp/sakigake/安全在庫/

製造リードタイム

「製造リードタイム」は、製造業者に深く関係する工程のリードタイムになります。すなわち原料や部品などの取り扱い業者から原料や部品を調達して、これらを自社で加工して製品を完成させるまでの期間を示します。製造リードタイムを設定するに際しては、クライアントの求めている製品の仕様や個数にきちんと対応できているか、原材料を不足なく仕入れられるか、途中工程で一部を外注する場合、協力会社との連携を取りながら納期をずらすことなく完成させられるかどうかなどを予め見定めておく必要があります。

納品リードタイム

「納品リードタイム」は注文を受けた業者がクライアントに製品を納めるまでの時間を意味します。納品リードタイムは製品を取り扱う業者の業務形態によって工程が変わります。たとえば大量工業製品や既製品などを倉庫や工場を経由して納める卸売販売業者の場合、納品リードタイムは搬入、搬出、出荷などを経て製品をクライアントの手元に届けられるまでの期間となります。
また、自社製作品やオーダーメイド品をクライアントに納品する場合は、製造リードタイムと同様、原料調達、自社加工などを経て製品をクライアントの手元に届けられるまでの期間となります。

リードタイムを短縮するポイント

発注サイド・受注サイド、あるいは販売業者・製造業者など立場に応じて、製品に対する在庫管理の工程や方法が異なり、リードタイムのあり方も変わります。これらのリードタイムは業務内容の効率化によりリードタイムを短縮できます。以下にどのようにリードタイム短縮を進めていけばよいか具体的に見ていきたいと思います。

発注リードタイムの場合

発注リードタイム短縮のポイントとして挙げられるのが、受注サイドとスケジュールの共有化です。なおスケジュール作成にあたっては受注サイドにできるだけわかりやすく工程について示してもらうようにしましょう。また工程において関与すべきところがあると思ったら、その旨も伝えるとよいでしょう。たとえば在庫状況や製造工程を視察したいと思ったら、申し出てみましょう。受注サイドはもちろんその申し出を十分に検討してくれますし、「これは下手なことはできないぞ」といっそう気合が入るはずです。
このように発注サイドと受注サイドでスケジュールを共有化することで、発注サイドは要望を受注サイドに伝えることができますし、製品完成までの受注サイドの工程をより明確に理解できます。

製造リードタイムの場合

製造リードタイム短縮の最大のポイントは、とにかく無駄やミスを減らすことです。
製造に従事するスタッフは歩留まり(=使った原材料に対してどれだけ無駄なくきちんとした製品が作られたかの比率のこと)の向上に努め、作業指示書に不備やモレがないか、クライアントの要望やねらいにきちんと沿った製品に仕上がっているか、などを入念に確認しながら作業を進めていく必要があります。
当然のことですが、納める製品に不備があり、製造サイドに落ち度があれば作り直すことになります。また、これにより自分たちもクライアントも損害を被ることになります。クライアントからの信頼を失えば次回から注文が来なくなってしまうという事態にまで発展しかねません。
製造スタッフは作業をおざなりにせず、業務に真摯に向き合い、高い集中力を保つように心がけましょう。

納品リードタイムの場合

納品リードタイム短縮のポイントの一つとして挙げられるのは、在庫管理を支障なく効率的に行うことです。
製品の入出荷には季節や情勢に応じて繁忙期や閑散期があり、時期によって受注数の変動が生じます。閑散期はとくに問題ないのですが、繁忙期になると、手続き・管理業務が煩雑化します。そうなると納品リードタイムを設定し、これを守っていくことが難しくなってきます。
繁忙期はどうしてもパニック状態になりがちです。業務がこなしきれず焦り混乱する気持ちの中でも何とか自分に向き合い、冷静を保ち、一度、業務を整理し、見直す時間を作るようにしましょう。そして受けた注文に対して適切に対応・処理ができているか、業務にモレがないか、解決できていない案件、あるいは解決できそうにない案件はないかなどについて落ち着いて慎重に検証し、一つひとつ確実に丁寧に解決していきましょう。

リードタイムを短縮するメリット

リードタイムを短縮することで得られるメリットとして3つが挙げられます。以下、それぞれについて紹介していきます。

キャッシュフローがよくなっていく

製品が納品されるまでのリードタイムが短縮するということは、製品が速やかに納品され、またすぐに注文が来るパターンが確立されるということです。これにより需給予測の精度が増し、必要な分を必要なだけ購入できます。その結果、仕入れの効率がよくなり、余分な在庫を抱えるリスクが減り、倉庫内の在庫を現金化する期間を短縮できます。これによりキャッシュフローが改善していきます。

対応できる案件数が増えることになる

リードタイムが短くなるということは、工程にかかる所要時間が短縮化されるということです。工程にかかる所要時間が短くなれば、時間ができますから、その時間を他の業務や新規の案件に振り分けられます。発注→納品の回転率が上がることで利益が出やすい環境が自然に作られていきます。

競合他社との差別化を図るための訴求ポイントになる

リードタイムが短いことが評価され、その評価が広がっていけばしめたものです。その風評は「あそこは素早く対応してくれる、急ぎの案件があればあそこに頼もう」というように受注への誘因材料となってくれます。

リードタイムを短縮する注意点

リードタイムが短縮することで生まれるメリットは非常に大きいものがあります。しかしリードタイムが短縮することによって出てくるデメリットもあります。以下に見ていくと、

製品の品質が低下する

リードタイムを短くすることに気を取られ過ぎてしまうと、リードタイムを短縮することが業務の目的になってしまいかねません。そうなると作業が粗雑になったり、手抜きが慢性化したりして、製品の品質が低下してしまうといったリスクが高くなります。リードタイムの短縮に際しては品質を落とさないようにする配慮が重要となります。

在庫の不足が起こりやすくなる

リードタイムが短縮するということは発注→納品のサイクルが早くなることです。これにより、原材料が一時的に調達できないなどの不測の事態が生じた場合、手元に在庫がないので供給を早めに止めないといけなくなります。

在庫管理・棚卸をカンタンに!「クラウド在庫管理ソフトZAICO」

今回は、「リードタイム」の概念や意義について紹介していきましたが、ご理解いただけたでしょうか。
リードタイムを短縮することで、余分な在庫を減らし、キャッシュフローを改善し、社内の生産性を高め、業績を上げやすくなります。
リードタイム短縮には在庫管理の効率化も欠かせません。
在庫管理の簡便化・効率化を図るべく開発されたのが、「クラウド在庫管理ソフトZAICO」です。
ZAICOは写真やバーコードで品物の登録が可能となっており、これにより倉庫業務で発生しがちな管理帳簿への手書きミスやPCへの入力業務などの手間を省くことができます。
また、登録した品物の履歴はQRコードやスマホで追跡することが可能。これらのデータはクラウド型なので複数人で、同時に閲覧することができます。そのため、スタッフ各自が所有するパソコン、スマホ、タブレットなどで在庫情報の管理と共有が行えることからリモートワークにも応用できます。
サービスは無料のものからあり、ビジネスベースの有料プランでも9,800円と比較的安価であることから、現在12万人のユーザーが利用しています。
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