建設現場で「あの資材、どこにあったっけ?」「発注したのに届いていない!」ということが起きることがあります。
在庫管理がうまくいかないと、工事が止まったり、無駄なコストがかかったりと大変です。
「専用システムは高いし、まずはエクセルでなんとかならないかな」と建設業の在庫管理にエクセルを使用するケースも少なくありません。
建設業の在庫管理をエクセルでする手順から、建設業の在庫管理をエクセルでするメリット・デメリット、建設業の在庫管理をエクセルでするのに限界を感じたら検討したいツールをわかりやすく解説します。
建設業の在庫管理にエクセルは使える?
結論から言うと、建設業の在庫管理にエクセルは活用できます。
特に、事業規模が比較的小さい企業や、管理する品目数が限られている現場では、手軽に始められる有効な手段です。
エクセルは、多くの企業ですでに導入されているため、追加コストをかけずに在庫管理の仕組みを構築できる点は大きな魅力といえます。
しかし、事業の成長とともに管理する資材や現場の数が増えると、エクセルでの管理には限界が見え始めてくるでしょう。
建設業の在庫管理にエクセルでは限界を感じた場合には、在庫管理システムなどの専用ツールの活用が有効です。
建設業の在庫管理をエクセルで始める手順
建設業の在庫管理をエクセルで始めるためには、やみくもに表を作り始めるのではなく、ステップを踏んで進めることが重要です。
建設業の在庫管理をエクセルで始める手順を解説します。
管理項目を洗い出す
まずは、管理する在庫を明確にし、その情報を正確に記録するための項目を洗い出しましょう。
建設業の在庫は、資材、工具、機械、消耗品など多岐にわたります。
具体的な項目例は以下のとおりです。
- 品名
- 管理番号
- 数量
- 保管場所
- 入庫日・出庫日
- 仕入れ先
- 担当者
これらの項目を事前に洗い出しておくことで、後の管理がスムーズになります。
テンプレートを作成する
次に、洗い出した管理項目をもとに、在庫管理用のエクセルテンプレートを作成しましょう。
テンプレートには、先ほど洗い出した管理項目を列見出しとして設定します。
品目ごとにシートを分ける、月ごとにシートを分けるなど、管理しやすいように構成を工夫しましょう。
入力規則機能を活用して、特定のセルには日付しか入力できないようにしたり、ドロップダウンリストから担当者や現場名を選択できるようにしたりすると、入力ミスを減らし、データの整合性を保つのに役立ちます。
関数やマクロを活用して自動化する
エクセルの強みは、関数やマクロを使って作業を自動化できる点です。
例えば、入庫数と出庫数を入力するだけで、現在の在庫数が自動で計算されるようにSUM関数を組んでおくと、計算ミスがなくなり、手間も省けます。
さらに複雑な繰り返し作業には、一連の操作を記録して自動で再現するマクロの活用が有効です。
例えば「月末に各現場の資材使用量を集計してレポートを作成する」のような定型業務を、ボタン1つで実行できるようになります。
ただし、関数やマクロを組むには一定のエクセル活用スキルが必要です。
運用ルールを策定して周知する
エクセルは自由度が高い反面、複数人で使う場合には入力方法がバラバラになりがちです。
それを防ぐために、明確な運用ルールを定め、関係者全員に周知徹底することが欠かせません。
「誰が、いつ、どのタイミングで入力するのか」「ファイル名は『在庫管理表_YYYYMMDD』のように統一する」「不明な点があった場合は誰に確認するのか」といったルールを具体的に決めましょう。
ルールは明確に文書化し、いつでも確認できるように保管しておくことが重要です。
建設業の在庫管理をエクセルでするメリット
手軽に始められるエクセルでの在庫管理は、従来の紙での在庫管理や、より高度な在庫管理システムに比べていくつかのメリットがあります。
建設業の在庫管理をエクセルでするメリットを解説します。
導入コストがほとんどかからない
建設業の在庫管理をエクセルでするメリットの1つは、導入コストがほとんどかからない点です。
多くの企業のパソコンには、すでにエクセルがインストールされているため、新たなソフトウェアを導入する必要がありません。
専用の在庫管理システムを導入する場合、初期費用や月額利用料が発生しますが、エクセルであればこれらの費用は不要です。
まずはスモールスタートで試してみたい、予算が限られているといった企業にとって、エクセルは有効な選択肢といえるでしょう。
建設業特有のニーズに合わせてカスタマイズできる
エクセルは自由度が高く、自社の業務フローや管理項目に合わせて柔軟にカスタマイズできる点も強みです。
建設業では、例えば、「プロジェクトAとプロジェクトBで同じ資材を共有している」「現場Cに貸し出している工具の返却日を管理したい」など、管理したい内容は現場によって異なります。
エクセルなら、自社のニーズに合わせてシートの構成や項目を自由に設定できるため、汎用的なシステムでは対応しきれない建設業特有の複雑な管理にも柔軟に対応可能です。
オフライン環境の現場でも利用できる
建設現場は、山間部や地下など、インターネット環境が不安定、あるいはまったくない場所であることも珍しくありません。
クラウドベースのシステムの場合、オフライン環境での利用は困難です。
しかし、エクセルファイルであれば、ノートパソコンやタブレットに保存しておくことで、オフライン環境でも問題なく閲覧・編集できます。
場所を選ばずに利用できる点は、現場作業が多い建設業において大きなアドバンテージとなるでしょう。
建設業の在庫管理をエクセルでするデメリット
手軽に始められるエクセルでの在庫管理ですが、事業規模の拡大や管理の高度化にともないデメリットも生じてきます。
建設業の在庫管理をエクセルでする主なデメリットを解説します。
手入力によるミスや入力漏れが発生しやすい
エクセルでの在庫管理では、基本的にすべて手入力が必要です。
資材名や数量、保管場所など、多くの情報を手動で入力するため、入力ミスや入力漏れ、重複入力のリスクがともないます。
こうしたミスの積み重ねは、帳簿上の在庫数と実際の在庫数が合わなくなる原因です。
これにより、欠品や過剰在庫などの問題を引き起こし、工期の遅延や不要なコストの発生を招くことになります。
複数の担当者での同時編集が難しい
エクセルは、基本的に1つのファイルを複数人で同時に編集するのには向いていません。
ファイルの共有機能を使用することも可能ですが、上書きや誤削除などのリスクがあり、データの整合性確保は困難です。
現場と事務所で同時に在庫を更新したいようなニーズがある場合には、エクセルでの在庫管理は適さない可能性があります。
業務が属人化しやすい
エクセルで高度な在庫管理を実現しようとすると、複雑な関数やマクロの活用が欠かせません。
関数やマクロを使いこなすにはスキルが求められるため、仕組みを完全に理解しているのは、ファイルを作成した本人だけ、という「属人化」の状態に陥りがちです。
担当者が異動や退職をしてしまうと、誰もエクセルを修正・メンテナンスできなくなり、最悪の場合、在庫管理業務そのものが停滞してしまうリスクがある点に注意が必要です。
データ量が増えると動作が重くなる
エクセルは表計算ソフトであり、大量のデータを高速に処理するためのデータベースソフトではありません。
ファイルの行数が増えたり、複雑な関数やマクロをたくさん盛り込んだりした場合、ファイルの起動やデータの並べ替え、計算などの動作が重くなります。
最悪の場合には、ファイルが破損してデータがすべて失われるリスクもあるため、事業が拡大し取り扱うデータ量が増えている場合には注意が必要です。
建設業の在庫管理はエクセルより在庫管理システムが良い理由
ここまで見てきたようなデメリットが顕在化し、エクセルでの管理に限界を感じたら、専用の在庫管理システムを検討するタイミングかもしれません。
在庫管理システムを使うことで、エクセルが抱えるデメリットを解消し、より効率的で正確な在庫管理が可能です。
建設業の在庫管理はエクセルより在庫管理システムが良い理由を解説します。
バーコード・QRコード活用で入力ミスを削減できる
在庫管理システムの多くは、スマートフォンやハンディターミナルでバーコードやQRコードを読み取る機能を備えています。
資材や工具に貼り付けられたバーコード・QRコードを読み取ることで、手入力作業そのものが不要になり、入力ミスや入力漏れを減らすことが可能です。
これにより、誰でも簡単に正確な在庫データを入力できるようになり、業務の標準化にもつながります。
データ量が増えてもスムーズに動作し複数人での更新も可能
在庫管理システムは、大量のデータを扱うことを前提としたデータベースを基盤にしています。
そのため、エクセルのようにデータ量の増加によって動作が重くなることはなく、常に快適な操作が可能です。
また、複数の担当者が同時にアクセスして情報を更新できるため、リアルタイムでの迅速な情報共有も実現できます。
標準化された業務プロセスで属人化を防げる
在庫管理システムでは、誰が使っても同じ操作で業務を行えるように、標準化された機能が提供されています。
エクセルのように、特定の人が作成した複雑な関数やマクロに依存することがないため、業務の属人化を防ぐことが可能です。
担当者が変わっても、新しい担当者はシステムの操作方法を覚えるだけで、すぐに業務を引き継げるため、安定した在庫管理体制を構築できます。
現場のスマートフォンで手軽に在庫確認できる
クラウド型の在庫管理システムは、多くがスマートフォンやタブレットに対応しており、パソコンがない現場でも手軽に在庫を確認・更新できます。
「あの資材は本社倉庫にあといくつあるか?」「A現場にあるあの工具は今使えるか?」などの確認に、事務所に電話する必要はありません。
その場で必要な情報をすぐに把握できるため、資材調達や工具の手配に関する意思決定の迅速化が可能です。
現場作業の無駄な待ち時間を削減し、プロジェクト全体の生産性向上にも貢献します。
建設業の在庫管理はエクセルよりzaico
建設業のエクセルでの在庫管理には、導入コストの低さや柔軟性などのメリットがあります。
一方で、入力ミスや同時編集の困難さ、属人化、動作の重さのようなデメリットがあることも見過ごせません。
特に事業規模の拡大や取扱資材の増加にともない、エクセルの限界が顕著になってきます。
エクセルでの在庫管理の課題を解決し、在庫管理の効率や精度を高めるなら、建設業でも多くの導入実績がある「クラウド在庫管理システムzaico」の導入をご検討ください。
zaicoは、使いやすいユーザーインターフェースで、ITに不慣れな従業員でもすぐに操作を覚えられます。
クラウドシステムなので、本社と各現場で常に最新の在庫情報を共有でき、リアルタイムでの在庫状況の把握が可能です。
建設業の在庫管理でエクセルを使うことに限界を感じたら、まずはzaicoまでお気軽にご相談ください。

