仕入れ表とは?仕入れ表の作り方やメリットと効果的な運用のコツ

商品を仕入れて生産・販売するビジネスでは、「いつ、何を、いくらで仕入れたか」を正確に把握することが経営の基本です。

しかし、仕入れの記録が曖昧だと、在庫が合わない、支払いが漏れる、発注ミスが起こるなどのトラブルにつながります。

こうした課題を解決するために欠かせないのが「仕入れ表」です。

仕入れ表の基本から仕入れ表の作成方法、効果的な運用のコツをわかりやすく解説します。

仕入れ表とは

仕入れ表とは、商品や資材の仕入れに関する情報を記録・管理するための帳票です。

いつ、どの取引先から、どのような商品を、いくつ、いくらで仕入れたかという情報を一覧にまとめることで、仕入れ業務の全体像を可視化できます。

仕入れ表は、単なる「買ったもののリスト」ではありません。

発注から納品、検品、そして支払いまでのプロセスを一元的に管理するための「台帳」としての役割を果たします。

正確な仕入れ表の運用は、適正な在庫レベルの維持や、正確な原価計算、ひいては企業の利益管理の土台となる重要な業務です。

仕入れ表の主な項目

仕入れ表を作成する際、どのような項目を設ければよいのでしょうか。

項目が不足していると後から追跡ができなくなり、逆に多すぎると入力の手間が増えてしまいます。

仕入れ表で管理される主な項目をカテゴリにわけて見ていきましょう。

基本情報

まず必要となるのが、仕入れが「いつ」「誰と」「どの伝票で」行われたかを特定するための基本情報です。

具体的な項目例として、「仕入れ日(入荷日)」「仕入れ先名」「伝票番号」などが挙げられます。

伝票番号を採番しておくことで、納品書や請求書との照合が容易になり、問い合わせや監査の際にも迅速に対応できるようになります。

基本情報は仕入れデータの検索キーとなるため、入力漏れがないように設定しましょう。

商品情報

次に、何を取り引きしたのかを記録する商品情報です。

具体的な項目例として、「商品コード」「商品名」「カテゴリ」「規格」などが挙げられます。

商品コードは商品を一意に識別するための番号で、似たような商品を取り違えるミスを防ぎ、正確な仕入れ管理に不可欠です。

JANコードが付与されている場合は、合わせて記録しておくとハンディターミナルなどでの検品時に役立ちます。

数量・金額情報

仕入れコストを管理するためには、数量と金額に関する情報も必要です。

具体的な項目例として、「仕入れ数量」「単価」「仕入れ金額」「消費税額」「合計金額」などが挙げられます。

金額の正確な記録により、仕入れコストの把握や利益計算の精度向上が可能です。

また、仕入れ先ごとや商品ごとのコストも分析でき、「どの商品が利益を圧迫しているか」「価格交渉の余地はないか」などの経営判断にも活用できます。

管理情報

最後に、業務の進捗状況や担当者などを把握するための管理情報です。

具体的な項目例として、「入荷状況」「支払状況」「支払予定日」「担当者」「備考」などが挙げられます。

モノが届き、検品し、支払いが完了して初めて取引が終了するため、現在の進行状況がひと目でわかるステータス項目が不可欠です。

支払予定日と支払状況を記録することで、支払い漏れを防ぎ、仕入れ業務をスムーズに進められます。

仕入れ表を作成するメリット

仕入れ表の作成による日々の取引の記録は、企業や担当者に多くのメリットをもたらします。

仕入れ表の作成で得られるメリットを解説します。

仕入れの記録を残せる

仕入れ表を作成する最大のメリットは、過去の仕入れを正確な記録として残せることです。

口頭や記憶に頼った管理では、「あの商品は前回いくらで仕入れたか」「いつ発注したか」などの情報が曖昧になります。

仕入れ表で一元管理しておくことで、仕入れ業務の引き継ぎや、過去取引の問い合わせへのスムーズな対応が可能です。

また、仕入れ価格の変動を追跡すれば、仕入れ先の評価や選定にも活用できます。

発注ミスや二重発注を防げる

仕入れ業務で起こりがちなのが、発注漏れや二重発注などの人為的ミスです。

仕入れ表で発注状況の一覧管理により、どの商品をいつ発注したか、まだ発注していないものは何かを正確に把握できます。

複数の担当者が発注業務を行う場合でも、仕入れ表を共有すれば、すでに発注済みの商品を重複して発注してしまうリスクを減らせるでしょう。

このように、仕入れ表は発注から納品までのプロセス管理に欠かせないツールといえます。

仕入れコストを可視化できる

日々の仕入れコストをどんぶり勘定で管理していると、気付かないうちに利益を圧迫していることがあります。

仕入れ表に商品ごとの単価や金額を正確に記録することで、個々の仕入れコストはもちろん、商品別や仕入れ先別、期間別のコストを詳細に分析可能です。

これにより、「どの商品の仕入れ値が上がっているか」「どの取引先からの仕入れが最もコスト効率が良いか」といったことが明確になります。

こうした分析結果は、価格交渉や仕入れ先の見直しなどの判断材料として活用できます。

支払い漏れを防止できる

企業間の取引では、買掛金(後払い)での仕入れが一般的です。

取引先が増えると、どの取引先にいつまでに支払いをしなければならないのか、管理が煩雑になります。

仕入れ表に支払期日や支払状況を記録する欄を設けることで、支払い管理が一元化でき、支払い漏れという重大なミスを未然に防ぐことが可能です。

これは取引先との信頼関係を維持し、継続して取引を行う上で重要な役割といえるでしょう。

仕入れ表の作り方

仕入れ表は、エクセルやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトを使えば、手軽に作成できます。

仕入れ表を作成するための基本的なステップを解説します。

管理したい項目を洗い出す

仕入れ表を作成する最初のステップは、自社の仕入れ業務に必要な項目を洗い出すことです。

基本項目である基本情報、商品情報、数量・金額情報、管理情報を参考にしながら、自社に必要な項目をリストアップしましょう。

業種や業態によって必要な項目は異なるため、現場の担当者や関係部署とコミュニケーションを取りながら決定することが重要です。

この段階でしっかりと項目を定義しておくことが、後々の運用しやすさにつながります。

エクセルでフォーマットを整える

管理項目が決まったら、エクセルでシートを作成します。

1行目に見出しとして洗い出した項目名を入力し、2行目以降に実際のデータを入力していく形式が一般的です。

見出し行を固定(ウィンドウ枠の固定機能)したり、データ行に交互に色を付けたりすると、データ量が増えても使いやすくなります。

印刷して使用する可能性がある場合は、用紙サイズに収まるレイアウトにするなどの配慮も必要です。

関数や入力規則・条件付き書式などで利便性を高める

基本的なフォーマットができたら、エクセルの機能を活用して利便性を高めましょう。

関数を使えば、数量と単価から仕入れ金額を自動計算したり、商品コードを入力するだけで商品名や単価をマスタから自動で呼び出したりできます。

また、入力規則を使って仕入れ先名をドロップダウンリストから選べるようにすれば、表記揺れを防ぐことが可能です。

さらに、条件付き書式を使えば、支払い期日が近づいている行に自動で色を付けることで、注意を促すこともできます。

このように、エクセル機能の活用により、仕入れ表の使いやすさや精度が向上します。

仕入れ表を効果的に運用するコツ

仕入れ表は、作成して終わりではありません。

継続的に、かつ正確に運用して初めてその効果を発揮します。

仕入れ表を形骸化させず、効果的に運用していくためのコツを紹介します。

入力ルールを定めて担当者に周知する

仕入れ表を複数の担当者で共有する場合、入力ルールの明確化と周知徹底が重要です。

日付の形式、金額の単位、商品名の表記方法など、基本的なルールを統一することで、データの一貫性や検索性が保たれます。

また、入力のタイミングも重要で、仕入れが発生したら速やかに記録する習慣をつけることで、記録漏れや記憶違いを防ぐことが可能です。

ルールを文書化してマニュアルを作成し、新しい担当者が加わった際にも円滑に業務を引き継げる体制を整えましょう。

仕入れ先や品目のマスタ管理でミスを減らす

仕入れ先名や商品名などを都度手入力していると、入力ミスや表記揺れの原因となります。

これを防ぐためには、「仕入れ先マスタ」「商品マスタ」などのマスタデータを別シートに作成すると良いでしょう。

仕入れ表本体には、このマスタシートからVLOOKUP関数などで情報を参照して自動入力されるように設定します。

これにより、入力の手間が省けるだけでなく、データの正確性と一貫性が保たれ、後のデータ集計や分析が容易になるでしょう。

在庫管理と連携させて仕入れから販売までを一元管理する

仕入れ表は単独で存在するものではなく、在庫管理全体の一部です。

仕入れた商品は在庫となり、その後、売上へと変わります。

仕入れ表に入荷情報を入力したら、自動的に在庫管理表の在庫数に加算される仕組みを構築できれば、正確な在庫数の更新が可能です。

エクセルでも関数やマクロを駆使すれば連携は可能ですが、手作業での更新やファイルの破損リスクがともないます。

エクセルでの連携に限界を感じ始めたら、仕入れ・在庫・販売がつながった専用システムの導入を検討するタイミングかもしれません。

仕入れ表よりも効率的な管理にzaico

仕入れの管理は、モノを仕入れて生産や販売を行う企業に欠かせない業務です。

仕入れ表を適切に管理することで、仕入れ業務の効率化、コスト管理の最適化、支払い漏れの防止など、多くのメリットが得られます。

仕入れ表はエクセルでも手軽に始められますが、効率化や在庫管理・販売管理との連携を目指すには専用システムの導入が有効です。

仕入れと在庫管理の連携をお考えなら、「クラウド在庫管理システムzaico」の導入をご検討ください。

zaicoでは、各在庫データに仕入単価・納品単価を設定すると、入庫/出庫データの作成時に単価が反映され自動計算されます。

計算式の調整・手入力の必要がなくなり、正確なコスト管理や売上計算を効率的に行えるようになります。

仕入れ先表を利用した管理からシステム移行をご検討であれば、お気軽にzaicoにご相談ください。

※記事内に記載されたzaicoのサービス内容や料金は記事公開時点のものとなり、現行の内容とは異なる場合があります