医療業界や飲食業界をはじめ、使い捨てのディスポーザブル製品は多くの分野で活躍しています。
ディスポーザブル製品は、衛生的で便利な一方、その在庫管理に頭を悩ませている担当者の方も多いのではないでしょうか。
日々の業務に追われる中でつい後回しにしがちなディスポーザブル製品の在庫管理ですが、実はコスト削減や業務効率化に直結する重要な業務です。
ディスポーザブル製品とは何かからメリット・デメリット、ディスポーザブル製品の在庫管理のポイントをわかりやすく解説します。
ディスポーザブル製品とは
ディスポーザブル製品(Disposable Products)とは、一度の使用で廃棄することを前提として製造された使い捨て製品のことです。
ディスポ製品とも呼ばれます。
ディスポーザブル製品の最大の特徴は、使用後に洗浄や消毒などの処理を必要とせず、そのまま廃棄できることです。
特に衛生管理が厳しく求められる医療現場を中心に広く普及し、現在では私たちの生活のさまざまな場面で活用されています。
ディスポーザブル製品とは:代表例
ディスポーザブル製品は、私たちの身の回りのあらゆる場所で活躍しています。
特に代表的な分野でのディスポーザブル製品の例を紹介します。
医療業界
医療現場ではディスポーザブル製品の使用は欠かせません。
注射器や手術用手袋、マスク、ガウン、シリンジなど、感染症対策や交差感染を防ぐために多くの場面でディスポーザブル製品が使われています。
また、患者ごとに新しい製品を使用することで、医療ミスや院内感染のリスクを大幅に低減する効果があります。
飲食業界
飲食業界でも、ディスポーザブル製品は衛生と利便性の両面で欠かせません。
例えば、テイクアウト用の弁当容器やプラスチック製のカトラリー(スプーン、フォーク)、紙コップ、割り箸、ストローなどが身近な例です。
これらの製品は、食器洗浄の手間を省き、迅速なサービス提供を可能にすると同時に、食中毒の防止のような衛生管理の面でも重要な役割を果たしています。
美容業界
美容サロンやエステティックサロンなど、美容分野においてもディスポーザブル製品の活用が進んでいます。
例えば、一人ひとりに清潔なサービスを提供するための使い捨てタオルやシーツ、コットン、カミソリ、スリッパなどが代表的です。
肌に直接触れるものだからこそ、常に清潔な新品の使用が顧客の安心感と満足度の向上につながります。
ディスポーザブル製品とは:メリット
ディスポーザブル製品の採用には、多くのメリットがあります。
ディスポーザブル製品を利用するメリットを見ていきましょう。
衛生面での安全性確保と感染症対策
ディスポーザブル製品の最大のメリットは、何と言っても「衛生的である」ことです。
再利用を前提としないため、常に新しいものを使用でき、高い衛生状態を保つことができます。
これにより、細菌やウイルスの交差汚染を防ぎ、感染症対策に有効です。
特に医療現場や食品業界では、この特性が欠かせないものとなっています。
メンテナンスコストの削減
再利用可能な製品の場合、使用後に洗浄、消毒、滅菌などの手間とコストが発生します。
しかし、ディスポーザブル製品は使用後に廃棄するため、これらのメンテナンス作業が必要ありません。
これにより、人件費や洗剤、消毒液などのコストを削減できるだけでなく、メンテナンスにかかる時間も節約できます。
業務効率の向上
メンテナンス作業が必要なくなることで、業務全体の効率化も期待できます。
例えば、洗浄や消毒に要する時間を他の作業に充てることが可能です。
また、常に新しい製品を使用するため、製品の劣化や破損を心配する必要がなく、準備の手間も簡略化できるでしょう。
これにより、スムーズな業務遂行が可能となり、生産性の向上につながります。
常に新品の状態で利用可能
再利用品は、繰り返し使用するうちに劣化や破損、汚れの蓄積が避けられません。
一方、ディスポーザブル製品は毎回必ず新品を使用するため、常に安定した品質での提供が可能です。
これにより、利用者(患者や顧客)に対して安心感を提供できるだけでなく、製品の不具合によるトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
ディスポーザブル製品とは:デメリット
多くのメリットを持つディスポーザブル製品ですが、「使い捨て」という特性ゆえのデメリットも存在します。
ディスポーザブル製品の利用によって生じるデメリットを見ていきましょう。
継続的な調達コストの発生
ディスポーザブル製品は、一度使用したら廃棄するため、常に新しいものを購入し続けなければなりません。
再利用可能な製品のように初期投資だけで済むわけではなく、継続的な調達コストが常に発生します。
使用量が多いほど、そのコストは膨らむでしょう。
この調達コストの管理は、ディスポーザブル製品を扱う上で避けては通れない課題です。
環境負荷の増大
使用後に大量の廃棄物を生むディスポーザブル製品には、環境負荷の増大というデメリットもあります。
特に、プラスチック製品は分解に長期間を要するため、環境への影響は避けられません。
近年は、企業の社会的責任(CSR)や持続可能性への関心が高まり、環境に配慮した代替材料の採用や適正使用の推進が求められています。
保管スペースの圧迫
ディスポーザブル製品は、使い捨てという特性上、欠品を避けるためには常に一定量をストックしておく必要があります。
特に使用頻度の高い製品は、まとまった量を保管しなければならず、倉庫やバックヤードのスペースを圧迫する要因です。
保管スペースが限られている場合、効率的なレイアウトや在庫管理が不可欠となります。
また、保管環境によっては品質劣化のリスクもあるため、適切な保管条件の維持も必要です。
緊急時の在庫確保の難しさ
新型コロナウイルス感染症のパンデミック時には、マスクや消毒液などのディスポーザブル製品が世界的に不足しました。
このような、予期せぬ事態や需要の急増が起きた場合、製品の生産や物流が追いつかず、在庫確保が困難になることがあります。
適切な在庫レベルの維持と、複数のサプライヤーとの連携が、リスクを軽減する上で重要です。
ディスポーザブル製品とは:在庫管理のポイント
ディスポーザブル製品のデメリットを抑え、メリットを最大限に活かすためには、ポイントを押さえた在庫管理が必要です。
ディスポーザブル製品の在庫管理のポイントを解説します。
使用量予測と適正在庫レベルの設定
ディスポーザブル製品は、日々消費されるため、正確な使用量予測が欠かせません。
過去のデータを分析し、季節変動やイベントによる需要の増減を考慮して、将来の使用量を予測しましょう。
予測に基づいて、欠品を防ぎつつ過剰在庫を抱えないための「適正在庫レベル」を設定することが重要です。
これにより、無駄なコストを削減し、保管スペースを有効活用できます。
有効期限・使用期限の徹底管理
特に医療用のディスポーザブル製品には「有効期限」や「使用期限」が設定されています。
期限切れの製品は使用できないため、廃棄ロスにつながります。
期限切れを防ぐためには、製品の入荷時に期限を記録し、定期的にチェックする体制を構築することが欠かせません。
手作業での管理はミスが発生しやすいため、専用のシステム導入も有効な手段です。
先入先出し(FIFO)による品質維持
「先入先出し(First-In, First-Out)」は、古い在庫から先に使うという在庫管理の基本原則です。
特に有効期限が設定されているディスポーザブル製品では、重要な考え方となります。
FIFOを徹底することで、期限切れによる廃棄を最小限に抑え、常に新しい製品を顧客や患者に提供できます。
倉庫や保管場所のレイアウトを工夫し、自然に先入先出しができるような仕組みを作ることが効果的です。
ディスポーザブル製品の在庫管理に在庫管理システムが良い理由
ディスポーザブル製品の在庫管理には、在庫管理システムの活用が効果的です。
ディスポーザブル製品の在庫管理に在庫管理システムが良い理由を解説します。
手作業による入力ミスや数え間違いの削減
手書きの管理表やエクセルへの手入力に頼った在庫管理では、どうしてもヒューマンエラーが発生します。
数え間違いや記入漏れ、転記ミスなどが重なると、帳簿上の在庫数と実際の在庫数が合わなくなり、欠品や過剰在庫を招く原因です。
在庫管理システムでは、バーコードやQRコードをスキャンするだけで入出庫を記録できるため、手作業によるミスを削減し、正確な在庫データの維持が可能です。
在庫状況の可視化とリアルタイム管理
在庫管理システムを導入すれば、在庫状況がリアルタイムで可視化されます。
今、どの製品が、どれだけ、どこにあるのかが一目で把握できるため、現場の担当者だけでなく、管理者も常に最新の情報を共有することが可能です。
複数の保管場所や拠点がある場合でも、統一されたシステム上で一括管理できるため、全体最適の視点での在庫運用が実現できます。
有効期限アラート機能による廃棄ロス防止
ディスポーザブル製品の管理で特に重要なのが、有効期限の管理です。
多くの在庫管理システムには、製品ごとに有効期限を登録し、期限が近づくと自動的にアラートで通知してくれる機能が備わっています。
有効期限アラート機能を使えば、期限切れによる廃棄ロスを未然に防ぐことが可能です。
これにより、計画的な在庫消化が可能になり、廃棄ロスを未然に防ぐことにつながります。
ディスポーザブル製品の在庫管理にzaico
ディスポーザブル製品は、医療業界をはじめとしたさまざまな分野で活用される使い捨て製品です。
ディスポーザブル製品は衛生面や効率の面で大きなメリットがある一方、調達コストや環境負荷、在庫管理の難しさのような課題も抱えています。
厳格な有効期限管理が求められるディスポーザブル製品の人手での在庫管理に限界を感じたら、在庫管理システムの導入がおすすめです。
ディスポーザブル製品の在庫管理の効率化をお考えなら、「クラウド在庫管理システムzaico」をご検討ください。
zaicoはスマートフォンやタブレットから簡単に操作でき、バーコード・QRコードを活用した入出庫管理に対応しています。
また、有効期限のアラートや発注点通知などの便利な機能により、廃棄ロスや欠品リスクを効果的に防止できます。
ディスポーザブル製品の在庫管理にお困りの方は、zaicoまでお気軽にご相談ください。